テスラ モデルXは、アメリカのEVメーカー「テスラ」が製造・販売する電動SUV(クロスオーバー)である。
主な特徴は以下の通りだ。
- **電気自動車(EV)**であり、エンジンを搭載せずモーターとバッテリーで走行する。
- 大型SUVサイズで、7人乗りにも対応しており、ファミリー用途にも最適だ。
- 後部ドアは“ファルコンウィング”式で、上下に開く独特な構造が目を引く。
- **全車AWD(四輪駆動)**で、前後モーターにより高い走破性と加速性能を誇る。
- 加速性能は非常に高く、上位グレードでは0-100km/hを3秒台で到達する。
- 巨大なフロントウィンドウにより、天井まで広がるガラスルーフが開放感を演出する。
- **オートパイロット(自動運転支援)**にも対応しており、先進的なドライブ体験が可能だ。
未来的なデザインと高性能を兼ね備えつつ、実用性にも優れる、テスラならではの“攻めたSUV”と言える。
私が乗った個体は走行距離15.6万kmの過走行車だが、その運転フィールをしっかり確かめていく。
テスラ車のバッテリーは20万km近く走っても容量が最大10%程度しか劣化しないとされているが、私が乗った個体は電費が異様に悪い。

冒頭のまとめ
大柄な車体と2.5トンに迫る重量に反して動きがむちゃくちゃ軽い。
加速は中間グレードながら置いていかれそうなほど鋭く軽やか。
旋回は完璧なるニュートラルステア。どこまで追い込んでもフラットな姿勢を維持する。
クーペスタイルなリアエンドのおかげか空力特性にも優れており、高速道路でスピードを出してもほとんどブレない。
この圧倒的なドライバビリティの高さは実際に運転した者にしかわからない次元にある。
乗り心地もエアサスを採用しているおかげで良好だが、段差を越えて衝撃を受けた際のボディのいなしや車体の跳ね方には世代の古さも残る。
外観・デザイン
物理的にデカい曲面主体のボディは圧倒的な存在感を誇る。

このボディラインと鷹の目のようなヘッドライトのおかげで大柄ながらスポーティーで低重心に見えるデザインをしている。
サイズ自体はデカいが、リアエンドはかなり寝ている。

モデルXのcd値は0.24らしい。しかし投影面積の大きさや2.5トンに迫る車重により電費性能は劣悪。
ファルコンウイングドアを開いてみる。

黒+夜なのでよく見えないが、孔雀が羽を広げたときのような存在感だ。


路駐しながら開けていると後続車からの衝突が怖い。悪目立ちするし後続車に迷惑を掛ける。

フロントタイヤは265/35R22。

リアタイヤに至っては「285/35R22」である。あのR35 GT-Rよりも太いサイズなのだ。

タイヤ交換だけで何十万円吹っ飛んでいくのだろうか…
もちろんこれだけ大柄で太いタイヤを履けば電費も悪い。
そのぶんモータートルクにも車重にも負けない強靭な走りが手に入るが…
内装

外側がデカいだけのことはある。
車内空間も夜景に大きく、ガラスと相まって宇宙船のような雰囲気が出ている。


ベンツのスイッチ類を取り入れており、入り口でグニャッとする感じなどの操作感は時代を感じさせる。

経年劣化もあるだろうが、微妙に操作感が悪い。というか接触不良が起きている。途中で一回窓が閉まらなくなった。

センターコンソールの収納スペースは結構あるが、この年式はピアノブラックパネルなので一面が傷だらけになる。

スマホやタブレットなどを入れて置けるスペースがある。



シートの操作ボタンは接触不良気味。
四本のレバーについて
このモデルXはステアリングから合計4本のスティックが生えている。
右上に付いているのはギアセレクター。慣れるまでウインカーと間違えそうだ。

左上のスティックはウインカーとワイパーとハイビームを兼ねる。
先端のボタンを押すとウォッシャー液。ツマミを回すとワイパーを作動させられる。

ウインカースティックを手前に引くとパッシング、奥に倒すとハイビームであるが、初期状態ではオートハイビームとなる。
倒した瞬間にハイビームを光らせるには、起動するたびにディスプレイの右上のオートハイビーム機能を切らないといけない。田舎道をよく夜に走る身には微妙に不自由だ。

右下のスティックがクルーズコントロールだ。
下に一回倒すとクルコン。二回引くとオートパイロット。自動走行中は上下で車速を切り替えられる。

一旦キャンセルする際はレバーを奥に倒す。トヨタのクルコンは手前に引くとキャンセルであるため逆方向の操作となる。
先端のツマミを回すと車間距離を調整できる。
最後の1つがハンドルの位置調整だ。

かなり奥まった位置にあるため誤操作の心配は無し。電動だと走行中でもポジション調整ができる。
オーディオ・静粛性
図体がデカい割にはやけに車内が静か。
風切り音もほとんど聞こえてこない。
オーディオも高級車の純正スピーカーとして必要十分。
ドンドンと来る低音や問題ない音量と鮮明さを持つ。
新車価格1000万円のEVとしては褒めるところが無いというか、音自体はモデル3ロングレンジのほうが圧倒的に良い。
二列目・三列目の居住性
二列目も三列目も車体サイズの割には微妙に窮屈である。
二列目はファルコンウイングドアと浮いたようなデザインのシート、一面の視界の広さで宇宙船に乗るようなワクワク感がある。


特に要注意なのが三列目。小柄な人や子供オンリーだと考えておいた方がよさそうだ。

二列目を一番前まで動かしても微妙に足が収まらず、横に足を投げ出してスペースを確保するような状態となる。

三列目の人間も快適に走りたいなら普通にアルファードを買った方が良い。
試乗車のスペック・年式・グレード・価格
モデルX 75Dである。
バッテリー容量は75kwhと一般的にはミドルサイズ級だが、大柄な車体と重量により電費が伸び悩んでいる。
0-100km/h加速は大柄なSUVとしてはかなり速い4.9秒。
合流レーンで踏み込めば一瞬で本線のクルマに並べるぞ。
項目 | 内容 |
---|---|
モデル名 | テスラ モデルX 75D |
発売時期 | 2016年~2019年 |
新車価格(日本) | 約1,040万円前後 |
駆動方式 | デュアルモーターAWD(4WD) |
バッテリー容量 | 75kWh |
航続距離(EPA) | 約381km(237マイル) |
最高出力 | 約328馬力(推定) |
0-100km/h加速 | 約4.9秒 |
最高速度 | 約210km/h |
全長 | 5,037mm |
全幅 | 1,999mm(ミラー除く) |
全高 | 1,684mm |
ホイールベース | 2,965mm |
車両重量 | 約2,450kg |
乗車定員 | 5~7名(シート構成により異なる) |
サスペンション | エアサスペンション(車高調整可能) |
トランク容量 | 約357L(最大2,487L) |
充電ポート | テスラスーパーチャージャー対応 |
なお最小旋回半径については年式や媒体により書いてあることが異なるが、体感的には5.6~5.9m程度であった。
デカい割にはそこそこ回れるが、窮屈なところの転回ではつっかえる印象だ。
サイズを踏まえると小回り性能は並といったところだ。
実走行インプレッション
近づくだけで勝手に開錠されてドアが開き、乗り込んでブレーキペダルを踏むと自動でドアが閉まる。
あとはシートベルトを付けてギアをDに入れれば走り出せる。シームレスで非常に快適だ。
取り回し
車体サイズがバカデカいわけだが、視点が高く視界も全体的に広いため意外と苦労することはない。

小回りも並み。サイズを考えると効く方であるともいえる。
しかし立体駐車場や狭い道路などの窮屈な条件下では明らかに取り回しがしんどい。

パワートレイン
ミドルクラスのグレードだが、踏み込むとかなりの加速力を見せる。

何より動きが軽い。軽いのだ。
ホイールスピンの心配なくズドンとアクセルを開けていくことが可能で、市街地や料金所通過後の加速では驚くほどの伸びを魅せる。
瞬間的にドンとワープしていくような加速力にはテスラらしさが光る。
100km/hから上でも充分に速いが、50km/h程度の加速感と比べると速度の伸びは薄れる。
100km/hから上の速度域でも速い加速を味わいたいならより大出力なモデルを選ぶのがオススメだが、75Dの加速力でも不足する場面はないだろう。
どちらかといえば、電費の悪さによる異様なほどのバッテリー消耗のほうが気になるはずだ。
注意点として、急加速中に路面の段差を越えると挙動が荒ぶりがちになる。
巨体と重量を忘れさせるほどの運動性能だが基本に忠実に、あくまで丁寧に扱おう。
ハンドリング・ドライバビリティ・高速安定性

これだけのサイズと重量のSUVなのに完璧なニュートラルステアだ。
切れば切ったぶんだけスムーズに曲がっていき、タイヤグリップが負けたりアンダーステアになったりすることもない。
それがロール収束後のタイヤグリップの限界値まで続く。完成されているレベルのハンドリングである。
段差の超え方次第ではジャンプするような動きが出ることもあるためあくまで油断は禁物。
高速道路で飛ばしていても風に振られず安定感が高い。大柄さと重量、空力に優れるボディが効いているためか異様なほど安定性が高いのだ。
(投影面積や重量、タイヤの幅とホイールサイズの影響か電費は異様に悪いため、この空力ボディーは主に高速安定性=風への振られにくさに寄与する)
乗り心地

エアサスを採用してあるだけのことはある。全体的に良い。
走行中に段差を超えた際もタイヤホイールをしっかりと上下に動かして揺れを打ち消してくれている。
ボディの剛性感や基本設計の古さが隠し切れないが、十分に良い乗り味だ。
たまにギシギシ揺れるが基本的に快適に走れる。
電費の悪さについて
空力的には優秀でも投影面積がデカいのだろう。
これに加えて十両も足を引っ張り、異様なほど電費が悪い。
その証拠に名古屋の中心街を80%で出発し、深夜帯の高速道路を飛ばしながら70km先のダムまで走ったが、到着時にはバッテリーが30%程度しか残っていなかった。


瑞浪インターを降りる瞬間の記録がこれ。
高速道路をフルペースで62.4km走行し、電費は288Wh/km=3.47km/kwhである。

最後の山登りの最中に、302Wh/km=3.31km/kwhまで電費が低下した。

これはガソリン車で言うところのリッター3km以下である。
標高差が400mほどあったことや、中央道の上り坂をガンガンに踏み続けたことは悪さしているだろうが、さすがに電費が悪すぎる。
意味が分からない。
たまに踏みながら下り主体の峠道を走っても4.5km/kwh程度しか出ない。
こんな電費のクルマで高速道路を長距離走行したり、新東名の120km/h制限区間を元気よく走ったりしたら次のスーパーチャージャーまで辿り着けないレベルである。
有志の検証結果を見ていく
あまりにも悲惨な結果なので個人的に調べていく。

今回からAIサービスも取り入れていく。まずGeminに電費情報を調べてもらった。
走行状況 | 電費 (Wh/km) | 電費 (km/kWh) | 航続距離 (km) | 備考 |
---|---|---|---|---|
市街地走行 | 200~250 | 4.0~5.0 | 400~500 | 信号や渋滞が多く、電費が悪化しやすい |
高速道路走行 | 250~300 | 3.3~4.0 | 350~450 | 高速走行は空気抵抗が大きく、電費が悪化しやすい |
郊外路走行 | 180~220 | 4.5~5.6 | 450~550 | スムーズな走行が可能で、比較的電費が良い |
冬季走行 | 上記+20~30% | 上記から20~30%減少 | 上記より20~30%減少 | 暖房使用やバッテリー効率低下により、電費が悪化しやすい |
スポーツ走行 | 300以上 | 3.3未満 | 300以下 | 急加速や高速走行を繰り返すと、電費が大幅に悪化する |
補足
- 上記の値はあくまで目安であり、実際の電費と航続距離は大きく異なる場合があります。
- テスラは、航続距離を「推定値」として表示しており、実際の走行可能距離とは異なる場合があります。
- 電費は、Wh/km(キロメートルあたりのワット時)とkm/kWh(キロワット時あたりの走行距離)で表されます。数値が小さいほどWh/kmは電費が良い事を意味し、km/kWhは数値が大きいほど電費が良いことを意味します。
- 航続距離は、バッテリー残量と電費に基づいて計算されます。
電費に影響を与える要因
- 気温:低温時はバッテリー効率が低下し、電費が悪化します。
- 運転方法:急加速や急ブレーキは電費を悪化させます。
- エアコンの使用:暖房や冷房の使用は電力を消費し、電費を悪化させます。
- 積載量:積載量が多いほど、電費が悪化します。
- タイヤ:タイヤの種類や空気圧も電費に影響を与えます。
航続距離を伸ばすためのヒント
- エコモードで走行する。
- 回生ブレーキを積極的に活用する。
- エアコンの使用を控える。
- タイヤの空気圧を適切に保つ。
- 不要な荷物を積まない。
より正確な情報や、最新のモデルXの電費、航続距離を知りたい場合は、テスラの公式サイトや、専門のレビューサイトなどを参照することをおすすめします。
chatGPTのレポートがこちら。
テスラ モデルX 75Dの電費について
🇺🇸 EPA基準(米国)
- 航続距離:237マイル(約381km)
- バッテリー容量:75kWh
- 電費(効率):
- 約5.08km/kWh
- または 約19.7kWh/100km
🇯🇵 日本国内での実質電費(参考値)
状況 おおよその電費(実走行) 高速道路(110km/h) 約3.5〜4.0 km/kWh 市街地・郊外混合 約4.5〜5.5 km/kWh 冬場(暖房使用) 約3.0〜4.5 km/kWh ※上記はあくまで参考値であり、使用環境や気温、走行スタイルによって電費は大きく変動します。
自分でも調べてみたが、高速道路を平均100km/h~110km/h程度で走ると電費は4km/kwh程度まで低下するようだ。
私はベタ踏み&超高速走行&上り坂のトリプルパンチにより、光の速さで電池をすり減らしてしまったようだ。
※以下は動画化用のメモだ
不満なところ一覧
電費
組み付け
アラウンドビューカメラなし
フロントガラスについて
ディスプレイ
ルームランプ
ヘッドライトのオンオフ
ハイビームがオートになり任意で使えない
カーナビ
専用の車載品には及ばない
通信も遅い
ドアが閉まるのが乱暴すぎる。快適だが怖い
モバイルバッテリーの動画
2.5トンが軽い理由
- モーターの加速特性
- 空力ボディによる安定性
- ハイグリップタイヤ
- 低重心
- 重量バランス
4本のスティック→乗り方
どこを押して開けるか
ブレーキを踏んでドア閉め
ギアシフト
クルコン