良い評価をしてあげられなかった車種を再評価するシリーズ、今度はマツダ社のNDロードスターだ。
私が買う予定なのは「NC」という一世代前の型になるが、なにを理由に購入へ踏み切ったのか。
なにが魅力なのか、なにが人生をプラスに変える付加価値なのか。厳しく検証していく。
内外装について
ひとまずクルマそのものを見ていこう。
目に見えない運転フィールまで一通り紹介してから、購入動機について語らせて頂くこととする。
外装について
現行型のGoProだから良い動画が撮れるだろうと思っていたら、どうしようもない画質だったので画像は少なくなる。
美しい局面で形成されたボディーラインだ。
990Sの廃止で話題には上がっているようだが、今更取り上げるほどのモノだろうか。
なおこの画像は、わざわざ貴重品が入ったリュックごと持ち出し、屋根を開けたたまま道の駅でトイレ休憩に入った際に撮ったものである。
「ネットで口を出しているかは不明だが、実際にカネを出した人」たちの尽力によって、フルオープンの姿も珍しいものではないだろう。
内装について
上質さや使いやすさを散りばめた良い内装だ。
このグレードには、オートエアコンが装備されている。
基本的にいちばん左を回すだけで良いので大変ラクだ。
フロントガラスの曇り取りだけがネックか。
シフトノブの下に、パワーモードの切り替えスイッチが来る。
ドアパネル上部が、ボディーカラーと同色で塗られるのはロードスターの内装の最大の特徴だと思っている。
私もマネしたいと、ずーっと思い続けているアイデアだ。
カーナビの操作と、オーディオの音量調整のボタン群。
2014年が新車発売ということで、黎明期らしさが残る。
後ろ側に、車検証くらいは入りそうなスペースがある。カギで閉めておくことも可能だ。
「careco(カレコ) の ロードスター の キーボックス が ない」と思ったら、ここにあるので覚えておこう。
走行フィールについて
基本的には「ダイレクト&クイック」だ。
元の軽さをフルに活かし、走る、曲がる、止まる。その全てにおいて「間」がない。
なお、私のとってのコレは、必ずしもメリットとして作用するものではなかった。
ステアフィールについて
最たるものがクイックすぎるステアフィールだ。
ほんの少しでもハンドルの角度に変化があれば、そのまま車の挙動に出る。
全く遊びがないのだ。
また、ステアリングレシオもシャープで、交差点の右折ひとつとっても少ない舵角で実現可能である。
理想的な重量配分と元の軽さが効いて、わずかにアクセルを緩める程度でも前荷重がかかる。
これによって、さらにクイックに切り込んでいけるのだ。
ただし、私のとってのこれは、「過剰にクイックすぎて落ち着かず、恐怖心すら感じる」ものであった。
直進安定性よりは、パラメータを軽さやコーナリングに振り分けた特性なのは分かっている。
ただし、それゆえフラフラ気味で、スピードを出していくと怖いのだ。
ただただ怖いのだ。100km/hも出せば命の危険を感じてしまうほど怖い。
乗り物の性能に余裕があっても、クイックすぎるステアフィールが、うっかりフラついて、とっ散らかってしまいそうなほど恐ろしい。
アシの動きについて
ロードスターは、ダイレクトな装甲フィールを実現するため足回りにもこだわっている。
知れば知るほど味わえる、開発者のこだわりと詳しさが詰まった下回りだ。
例えば、サスペンションメンバーとメインフレームは、ゴムブッシュを介さずに締結されているらしい。
なお、安く作られたハチロクのほうは、ゴムブッシュが挟まれている。
これだけ聞くと「最高やん」と思えるだろうが、実際に運転してみると、この過剰な「ダイレクトさ」が個人的には邪魔だと感じてしまった。
具体的には、コーナリング中盤にロールを収束させ、車体をどしっと安定させての旋回中に、一つのタイヤが段差をガタンと越えた状況。
ここで、ゴツンという衝撃がフレームにまで入って来てしまうため、荷重移動でせっかく作った旋回姿勢がブレてしまうのだ。
その点、ゴムブッシュを介していれば、いい具合にゴムが吸収してくれる。
世間ではゴムブッシュ締結は悪いことと言われているようだが、私が両者を乗り比べた限りでは、ゴムブッシュが良いと感じた。
サーキットならどうなるのか、これはわからない。
パワートレインについて
冷間の始動時はうるさいが、基本的には騒音にならない範囲で元気な声を聞かせてくれるエンジンだ。
控えめに見える最大出力だが、元々の軽さと相まって、公道では使い切れないだけのパワーを持つ。
また、オルタネーターを用いた簡易的なエネルギー回収システムが僅かに効いているのか、適当に走ってもリッター16kmの燃費を実現できる。
2000回転も回せば良い音が出て来て、4000回転にもなれば「もう充分だ」と思えるレベルの加速力になる。
レッドゾーンは7000回転くらいまであるようだが、そこまでアクセル全開で行こうとすると、たぶん事故る。
世間でのロードスターは「スピードが出ない、遅いクルマ」という認識になっているようだが、断じて違う。
迂闊に全開にしたら事故るレベルの速さは持ち合わせている。
風切り音のうるささについて
オープン状態でトンネルに入ると、「うるさすぎて鼓膜が破れ、失神しそうになる。」
また、閉じた状態で走っていても、高速道路に乗って100km/h近く出せば、主に左後ろから、風切り音が大きく吹き込んで来る。
長旅での快適性について
風切り音や、絶望的なシートリクライニング、軽さゆえの常に上下に動き続けるような乗り心地。
ここらへんが合わさって、正直長距離はラクではないと思う。
私が家から1時間かけてステーションまでクルマで来てから、3~4時間ぶっ続けで乗っても、なにも問題はなかった。
だが、「バイクより快適」程度の気持ちでいた方が良いだろう。
カーオーディオのミュートボタンについて
動画の冒頭で文句を述べたが、「なぜステアリング内にミュートボタンが無いのだ」。
これでは信号待ちのたびに、音楽をセンターコンソールのボタンで止める必要が生じる。一回でもミスれば公開処刑だ。
しかも、先代のNCロードスターにも、CX-5にはあったのだ。なのにこのNDは、音量調整ボタンに押し込み機能まで割り当てられているのに、そこにあるのは謎の音声コマンドボタンだ。
どうせ誰も使わない、たぶん正しく聞き取ってもらえないものだ。
カップホルダーについて
移動可能な脱着式カップホルダーは、ちょっとしたロードスター名物だろうか?
私はカップホルダーガチ勢を自称したいが、使い勝手は「悪くはない」程度だ。
特に助手席側に移設すれば、手が届かないわけではないし、貧弱な見かけに対して、そこそこ飲んでおけば溢れて来ない。
もうちょっとなんとかして欲しかった感はあるが、そこまで大きな不満は出ないだろう。
買う理由について
気分転換&アイデア出しのためのリフレッシュ時間になる
私は実は、主にこの用途のために購入した。
風を感じながら流すのは気持ちがいい。
心理学的にも「気分転換の散歩やシャワー中はアイデアが浮かびやすい」というデータが出ている。
良い景色の中をオープンで流し、適当なところに停めて、車載しておいたノートとペンでアイデアを書き留める。
家に着いたらそのページを破き、タスクとして実行する。
このプラスのループを期待する。
情報発信に使える
時は大インフルエンサー時代。
私はユーチューバー系の活動をしておきながら「やめておけ」と強く念を押したいのだが、ロードスターという人気車は、こういう活かし方もあるのだ。
大したことをしなくても、オーナー向けにオススメのパーツや洗車グッズをアフィリエイトしたり、ブログやユーチューブチャンネル用のネタにしたり。
今の時代ならではのメリットになるかもしれない。
値下がりリスクが皆無であるどころか、値上がりさえも見込める
元々ロードスターというクルマは、一定のニーズがあったはず。
ここにEVシフトの流れも加わり、生産終了の噂や一部グレードの撤廃が加わる。
資産としてスポーツカーを所有できる時代が来ている。
買った時からほぼ値下がりしないだけでなく、高い値段で売ることさえ期待できるため、買うことをあまり躊躇わなくて良い。
普段乗りのアシとして使える
私が買った理由ナンバーツーだ。
私は既に、プリウスPHVGRと、ハチロク(車検切れの整備専用)と、GSX-R125を所有している。
だが、普段の買い物に乗って行けるのは実質的にプリウスのみ。
しかし、そのアシ車のプリウスにも、本格的にバラしてデッドニングや内装張り替え、油温計類の装着や車中泊仕様への改装を行いたいのだ。
もう一台、乗れる用のクルマがあれば良いだろう?
カーシェアに貸し出せる
私はたぶんやらないが、1日5000~10000円でAnycaに貸し出すことが可能だ。
お互いに個人情報を握られるリスク、乗り逃げや事故のリスクには見合っていないと思うのだが…
「新しい世界」に気付くことが出来る
開けて走っていれば、普通に走るときと比べてまるっきり違う世界がそこにある。
実際に試さなくては絶対に分からないものだ。
ただのクルマでは味わえない世界である。
購入リスクについて
私は趣味専用に、デメリットも理解した上で買っているので気にしないが、コレを一台持ちをする場合はいろいろと気にする点がある。
オープンにしないなら、メカ的なデメリット・リスクが目立つ
オープンカーは、可動部のコストや、上側がスカスカなことによる剛性不足を下側の強化で補う特性上、なにをどうやっても割高になる。
当然ながら圧倒的な部品点数により可動部の故障リスクは爆増する。
幌屋根なら仕組みはシンプルだが、雨に日にバッタバッタ言って、ぜったいうるさい。
荷物の積載性・長旅性能が絶望的である
言うまでもない。
これでも良い人が買うのだ。
まとめ
価値観は人それぞれだ。
私はロードスターの走行フィールが肌に合わないし、SNSの「マツダ教」が大嫌いだ。
深夜帯メインで、一人で楽しもうと思う。
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