C40リチャージはSUV版電動GT-Rのような安定した速さと操縦性の良さで度肝を抜く

試乗インプレッション

ただのクーペルクな電動SUVだと思いきや、GT-Rと同等の運動性能と走行安定性の中で公道でタイヤグリップを安心して使い切れる爆速モビルスーツだった..

600Nmものトルクで万人の度肝を抜きつつも、圧倒的な安定性とコントロール性でマニアを感心させる。そんな未来から来たようなハイテク戦闘機みたいな一台がC40リチャージだ。

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外観

ザ・コンパクトクロスオーバーという見かけだったXC40とは異なり、テールエンドが思いっきり寝ている。

こっちがXC40。こうしてみると一列目と二列目の間からテールラインは寝始めているため、両車は完全に別のフレームで組み上げられていることが分かる。

プラットフォームが共用であることは言うまでもないが、意外にコスト掛かってんじゃん!

実物を間近で見ると非常に凝った造りになっていることが見て取れる。芸術作品みたいだ。

LEDが並んで美しく光るテールランプや、二つに分かれたトランクスポイラーの形状、穴が開いたルーフエンドスポイラーや隠されたハイマウントストップランプなど、マツダ車のデザインチームに全く引けを取らないレベルの芸術性を発揮しており見とれてしまう。

フロントから伸びてきたルーフラインを綺麗に受け止め、横方向へのデザインで構成された背面と調和する。この旅行で美術館に寄って来た自分としては、感動した芸術性だった。

なお内装はXC40と大差ない。

大きく違うのはシフトノブだ。クリスタル形状になっている。XC40ではただのプラスチックだったのに。

このシフトノブ、おそらくXC40とも互換性があるのでセンターコンソールをバラせば交換可能だろう。

既にXC40に乗っていて羨ましいと思った方、後から付け替えられる可能性があるぞ。

もう1つの違いはC40ではガラスルーフが開かないこと。

埋め込まれたガラス。UVカットのためか断熱のためかスモークフィルムが貼られている。真夏の暑さは和らぎそうだが、せっかくのガラスルーフからの眺めが濁った色になってしまう。

なお運転席からガラスルーフの景色はほぼ見えない。

実走行インプレッション(XC40リチャージとの比較)

このクルマに乗る前日にXC40リチャージに乗った。

その際に書いた記事で一通りの運転フィーリングについてはレポートしているので、今回はC40との違いを書いていく。

乗り心地について

あかさまに足が硬い。路面の段差に応じて車体も揺れてしまう。

しかし、慣れてしまえば耐えられない硬さではない。

ハンドリング・操縦性

ハンドリングはより安定感が増した。

切った瞬間にロールが収束してフラットな姿勢のまま曲がっていく。

アンダー感の一切ないニュートラルステア。

無茶苦茶速いのだが、ただ速いだけではなくて非常に安定している。

急加速の最中にもコントロール感や抜群の安定性が維持されている。

強い負荷を掛けたコーナリング中に、四輪が別々のタイミングで段差をガタガタと超える際、一瞬だけバランスを崩すような動きが出る。

しかしそれ以外でSUVとしての走行安定性上のデメリットが出ない。

20インチの重たいタイヤや最低地上高の高さを持ちつつ、このレベルに収まっていることにはただ驚くしかない。

圧倒的なコントロール性の良さと安定性の中の速さ。

本物のトルクや高級車感を持つが、足の硬さで同乗者から不満が出そうだ。

なおフロントのタイヤグリップも優秀でダウンヒルも怖くない。

XC40よりもあからさまに減速時の頼もしさが増しているのだが、どうやら同じタイヤを履いているらしい。足回りだけであれだけの動きの違いが出るものなのだろうか…

個人的に追加で研究したいと思ったテーマだ。

XC40リチャージとの比較

簡単に言うとC40はクーペルックのSUV版電動GT-Rだ。

対してXC40は快適性や総合性能重視。XC40も充分すぎるほど速いが、快適性にパラメータを振っているぶん高負荷域での不安定感が僅かに出る場面がある。

どちらも良い車だ。「C40はアシが硬すぎる」だとか「サンルーフが開いて欲しいので自分はXC40に行く」だとか「同乗者に快適な乗り心地を提供したいのでXC40に行く」だとか、選ぶ楽しみがある。

試乗車の諸元・スペックやグレードについて

上位グレードのアルティメットツインモーターだ。新車価格は759万円

ツインモーターでは204馬力(330Nm)のトルクを発するモーターが前後に合計2個搭載されることで、400馬力オーバーの加速性能を実現している。公式サイトによれば0-100加速は4.7秒らしい。

  • サイズは4440×1875×1595mm
  • 車両重量は2150kg
  • 最大トルクは660Nm
  • 最大出力は408馬力
  • 最小旋回半径は5.7m
  • フロントタイヤは「235/45R20」
  • リアタイヤは「255/45R20」

上位グレードは20インチ、通常グレードは19インチとなる。

https://jp.volvocars.com/spec_price/model/c40/my23-bev-twin-motor.pdf
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