FFのBz4xは実はAWDより身軽!?安くて電費もハンドリングも良い穴場の選択肢【インプレッション】

試乗インプレッション

3回目となるbz4xの試乗では、富士スバルラインや富士五湖周辺をドライブしながら主に峠道や悪路での性能をテストしていく。

2回目の試乗。深夜の高速を飛ばしたり、20kw・90kw級の充電を試したりした。
【航続距離140km】峠の登りで電費悪化チャレンジを行った結果…FFのほうが峠では4WDより速い【bz4x】
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試乗車の諸元や価格

Xモードが無い点や助手席が電動シートであった点から、ZグレードのFWDモデルである。

新車価格600万円だ。

Gグレードは一般販売解禁時に価格を下げるために装備を削ったグレードであるため、安くて電費は良いけどモーター出力で劣るFFモデルといったところか。

例によって諸元を書いておこう。

  • 車体サイズは4690mmx1860mmx1650
  • 車両重量は1920kg(AWDは2010kg)
  • AWDモデルのモーター出力は218PSと338Nm
  • FFモデルの出力は203.9Psと266Nm
  • バッテリー容量は71.4kWh
  • 最小旋回半径は5.6メートル
  • ホイールベースは2850mm

FFモデルはAWDモデルより14.1馬力・72Nmだけ遅く90kg軽い。

今回の走行ルートや走行ペース

以下のルートを下道主体で走った。合計走行距離は約112kmである。借りたのは4時間

富士山の登りを攻め尽くして2.2km/Kwhという電費を出したり、空いているワインディングをとことん攻め込んだり、遅い車に引っかかって50km/h以下のスピードで流したり。

空いてるところは攻めつつ、住宅地や遅い車に詰まった際は流す」というペースで走った。

空調はたまに程々に冷やす程度で航続距離を10%以上減らすレベルでは使わなかった。

下道主体の長距離ドライブとして実用に即した走りが出来たはずだ。

全区間電費から求めた下道主体のドライブ時の見込み航続距離は約400kmである。

実はAWDよりも俊敏なワインディングでの走り

AWDモデルと比べると出力が控えめなイメージのあるFFモデルだが、実際に乗ってみると加速力の差は感じないレベルでこっちも速かった。

ただ加速が速いだけでなく安定性もコントロール性も高いため、山道での追い越しもバンバン行けてしまう。エコモードでも全く不足が無い。トルクがあるため軽く踏んでいるだけでスピードが乗って行く。

旋回能力も非常に高く、ニュートラルでフラットなコーナリングをハイグリップなタイヤが支えてくれる。こういうワインディングを流すのは非常に楽しい。

Xモードや凍結路の走破性向上以外でAWDモデルを選ぶ理由が無いレベルでFFモデルの走りも良い。

そこそこな急カーブを曲がっていく際も、まるでNDロードスターのように身軽に切れ込んでいく。

タイヤは20インチであり、車重が少し軽いこと以外の違いは見つからない。しかしヒラヒラと舞っていくような軽快な身のこなし。それでいて安定性も高くて加速が速いのだ。

1920kgもあるとは思えない走りである。

私の中でのBz4xのオススメグレードがFFに変化した。

下りは回生ブレーキのみで走行可能

このクルマにもワンペダルドライブのような回生強化機能が搭載されている。

下り坂でこれをオンにしてアクセルから足を離すと、おそらくモーターが出せる最大の力で回生ブレーキを掛けてくれる。

減速Gの滑らかなコントロールは難しいので、急カーブの前だけ回生ブレーキ強化モードをオンにすることになるだろう。

油圧ブレーキを一度も使うことなく山下りが出来る。

上りで2.2km/kWhまで低下した電費も、下りきる事には6.8km/kWhまで改善した。

精進湖の荒れた路面に入ってみる

湖の脇の砂利の斜面に降りられるのが精進湖だ。bz4xでも入ってみた。

まぁそこらじゅうで擦るプリウスPHV GRでも慎重に行けば擦らずに入れるような場所なので、わざわざSUVで行くほどではないんだけどね。

アラウンドビューカメラの助けも借りながら、擦る心配なく快適に走り回れた。

なお図体がデカいので入るときは普通に何も見えない。bz4xの取り回しの良さはアラウンドビューカメラありきである。

狭い林道では図体がデカくて不便

とある湖沿いの林道にも入ってみたが、流石に横幅がデカすぎてすれ違いが辛いだけだった。

面倒くさくなって途中でUターンして引き返してしまったが、これも軽自動車のようには行かない。

「SUVだから林道行くぜ」という考えはおかしいのだ。

日本の山道で必要なのは悪路走破性ではなく、すれ違いを容易にこなすための横幅の狭さである。

5合目付近の様子

周囲からは隔絶されたような場所なのに、多くの建物や人でたいへん賑わっていた。

残念ながら霧の中だったので眺望は皆無。

マイカー規制中もEVは入れて貰えるため、EQSやアリア、リーフ、サクラ、モデル3、eトロンGTなどのEVを普段よりも多く見かけた。

この通行証を提示すれば入れて貰える。

簡易的な物価の確認を兼ねて、食堂のメニューを撮って来た。昨今の物価高を踏まえると、思っていたほど高くないなというのが率直な感想である。

富士山を彷彿とさせるアイデアメニューやヴィーガン対応、英語の表記などが見られる。

ショップでは富士山関連グッズが多く売られており、万引き対策のためなのかやけに店員の数が多い。

マイカー規制期間中でもあれだけ人が来るので、普通の休日は酷いことになりそうである。

規制期間中にEVを借りてくるというのは案外最適なのかもしれない。

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