【アウトランダーPHEV】これぞ三菱のフラッグシップ。最高峰のハイブリッドシステムで優雅に気持ちよく走る【試乗記 インプレッション】

試乗インプレッション

今回乗って行くのはマイナーチェンジ前の三菱アウトランダーPHEVだ。

三菱のフラッグシップSUVである。

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冒頭のまとめ

車体サイズこそ少々大きすぎるものの、パワフルなモーターをグイグイ活かして250~300馬力級の鋭い加速を魅せる。

旋回においてもS-AWCシステムが四輪を個別に制御してくれるおかげか、重量を感じさせずにスイスいと曲がっていく。

内外装の質感も高く、運転アシスト装備も充実。

三菱のフラッグシップSUVとして、見かけも走りもハイブリッドシステムにも素晴らしいものを持っている。

外観

車間距離を後ろから詰めてくる人が多いせいで威圧感を感じていたが、基本的に上品なデザインをしている。

メッキも使い過ぎておらず、高級感が漂っている。

充電口は右後ろ。

2.4リッターが入っているとは思えないエンジンルーム。

全体的に低いところに重量物がガチっと配置されている印象を受けた。

内装

フラッグシップSUVにふさわしい豪華で高級感のある内装だ。

ドアパネルのもっちり感も素晴らしい。

シートの質感も非常に良い。

レザーのダイヤステッチが一列目のシートとドアに加えて二列目にも入る。

スイッチ類はプラスチックでローコスト感があるが、全体の雰囲気が非常に上質で驚かされる。

ドッシリと踏ん張っているような安心感と頼もしさのある形状のステアリング。

よく見るとボタン配置は日産と似通っている。

インフォディスプレイの表示も日産車と似通っている。

ちなみにカーナビの操作性はすこぶる悪い

拡大縮小に対するラグもひどく、すぐに角度が回転してしまうため今どこを見ているのか理解不能。

使いづらさの塊である。

水平基調のセンターコンソール。ソフトパッド素材が貼られており質感は非常に高い。

エアコン操作系は物理ボタンとなっており非常に扱いやすい。

ダイヤルの銀メッキは見るからにプラスチックだが、全体での統一感があるため悪い印象は無い。

シフトまわりは何もないピアノブラックのパネルや大判のシフトが鎮座。

Pがボタン、上下でDとRを指定する定番の電子シフトが入っている。

このシフトノブ、かなり凝った形状をしている。これ1個で歴史的建造物みたいな風格を持っている。

アラウンドビューモニター付き。走行中にも表示してくれればいいのに…

その下にはモードを切り替えるダイヤルと電動パーキングの操作系。

走行モードは再起動を挟む度にNORMALに戻ってしまう。ここはメモリーして欲しかった。

基本的にエコとターマックの2つで走れば充分だ。

バッテリーの残量計は25%を4つに区切るという意味不明な形式となっており、いま残量が何%なのか正確に把握できないという欠陥設計となっている。

メモリ1個が6.25%なので、この画像における残量は25+(6.25×2)=37.5%。こんなの走行中に分かるわけない。

どうしてこうなった・・・?

セルの数に合わせたのか・・・?

一応、メモリ1個あたり6.25%である。

小ネタになるが、システム始動ができないという不具合に連続で遭遇した。

ブレーキを踏みながらスタートボタンを押しても、なぜかACCやイグニッションで引っかかって動き出せないのだ。カギの電池が弱ってたのかなぁ…

クリーム色のルームランプは完全に日産製のもの。

音響について

このBOSEのサウンドシステムは素晴らしい。

外の空間のことを忘れて音楽を楽しむことが出来るし、オーディオブックの声も鮮明に聞き取れる。

よっぽどのマニアでない限り、オーディオのアップグレードは不要だろう。

遮音性も高く、エンジン音はほぼ聞こえてこない。

特に低回転域は、「なんかウイーンって言ってるなぁ…」程度である。

車中泊適正

広大な車内空間と20kwhのバッテリーとヒートポンプ式エアコンにより車中泊適正はかなり高い。

寝袋を1つだけ持ち込んだが、空調を付けたまま非常に快適な車中泊・仮眠を行うことが出来た。

個人的には車体サイズが過剰だと思うんだけどね。

ここまで大きいと取り回しの悪さが勝ってしまうので、テスラのモデル3あたりが一番バランスが良いだろう…

なお二列目と三列目の間に段差というか穴が開くが、なにも敷かずに寝そべっても全く気にならなかった。

シートの使いづらさについて

3列目の倒し方が分からないという問題が発生して10~30分ほどロスした。

紐を引っ張って手前に動かしても、三列目の上部が干渉する。なんだこれ…

最終的にオーナーズマニュアルまで開くハメになる。

2列目の倒し方

リクライニングのみならず前後にも移動可能な、SUVというよりミニバン級の二列目。しかし倒しても前傾するのみでパタンと行かない。

実は二列目をフラットにするには側面の紐を引っ張る必要がある

試乗車の価格・スペック・グレード

新車価格600万円のPグレードである。

  • 車体サイズは4720x1860x1750mm
  • 車両重量は2110kg
  • エンジンは2.4リッターの直4NA
  • 最大出力は133馬力(98kw)/195Nm
  • フロントモーターの出力は113馬力/195Nm
  • リアモーターの出力は116馬力/255Nm
  • バッテリー容量は20kwh
  • 最小旋回半径は5.5m
  • レギュラーガソリン

MC前後の比較

MC前MC後
価格約490~602万円約523~668万円
バッテリー容量20.0kwh22.7kwh
車両重量2110kg2160kg
フロントモーター113馬力/195Nm約115馬力(85kw)/255Nm
リアモーター116馬力/255Nm約135馬力(100kw)/195Nm
アウトランダーPHEVのMC前後比較(両車ともPグレード)

グーネットの諸元表ページや三菱車の公式サイトを参照した。

バッテリー容量が約10%増加し、モーターの出力も全体的に向上している。

実走行インプレッション

取り回し

私の感覚だと正直言ってデカすぎる。

慣れれば普通に乗れてしまうが、背が高いせいで足元はよく見えないし、横幅が1860mmあるため狭いところでのすれ違いにも難儀する。

こういう道でのすれ違いには余裕が無い。

強いて言うなら最小旋回半径が5.5メートルに収まっているため、小回り自体はそこまで問題にならない。

これ入れなくね?と思った窮屈な立体駐車場のカーブ。慎重に行けば割となんとかなる。

アラウンドビューモニターやソナーなどのアシストシステムも微妙に役に立たない。

車内スペースこそ大人が複数人乗ったり車中泊ベースとして充分なものを持っているが、狭い日本で乗るには不便だ。

運転支援

おそらく日産のプロパイロットと同等の支援システムが入っている。

ただの前車追従式クルコンではなく、ハンドル操作も行ってくれる

ほぼ自動運転として走行することが可能であり、アシも手もかなりラクが出来る。

渋滞中は何もしなくていいくらいだ。

渋滞中やゆったり走行中はもはや操作不要の自動運転だ。

新東名を120km/hで走っていても問題なく使える。

2日ほど走り続けた後に本車を借りて合計16時間ほど運転したが、ペダルもハンドル操作もあまり要求されないためほぼ疲れが無かった

足回り

ストロークをさせつつも車体をあまり揺らさない。

乗り心地が良いというより、走行中に乗り心地を気にするような事態にほとんどならないような足回り。

しかし荒れた路面のアナボコに落ちるとガタガタと揺さぶられる。

普段走るエリアの路面が荒れているなら気にかけたいポイントだ。

ハンドリング

背や重心の高さ、車重の重さ自体はあるのだが、それを感じさせない。

旋回中に踏んでもアンダーを出さずにスイスイと曲がる。

急旋回を行なっても遠心力に流されるような動きを感じないのは、S-Awcが常時アシストしてくれているからなのだろう。

全く不安感が無い不思議なコーナリング特性であり、四輪に搭載されたパワフルなモーターと容量たっぷりのバッテリー、緻密に制御されるS-AWCシステムによって実現している走りだ。

ウトランダーPHEVの唯一無二の魅力であろう。

私は試せなかったが、これは雪道・凍結路・どしゃぶりの雨の中のガタガタ路面でも頼もしいものである。

それと引き換えに電費は悪いが、バッテリーが大きく急速充電ポートも搭載しているため気になることはない。

パワートレイン

モーターだけでも充分すぎる力を持っており、日常走行どころか鬼畜合流や追い越しもこなせるレベル。

急旋回からの急加速が要求される場面でも電気だけで楽勝の安定した速い加速。

ハイブリッドシステムの動作は独特で、基本的にevとして走り、ある程度減ってきた段階でエンジンを回して発電するタイプ。

高速道路をガソリンモードで走っていても滅多にエンジンが掛かってこない点が珍しい。

エンジンがタイヤを回すトヨタ系ハイブリッドとも、常にエンジンが回り続ける日産のハイブリッドとも一味異なる。

基本的にEVとして走るんだけど、ある程度減ってきたらエンジンを静かに回して貯めるという動作。

アクセル開度や勾配ではなく、バッテリーの減り方によってエンジンの動かし方を決めている

チャージモードでもモッサリしないのは嬉しい。

なおかなり鋭い加速力を持っており、250~300馬力級の伸びを見せる。

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