【N-van e】とある特性のせいで壁にぶつかりかけるが軽バンの中ではベスト#101台目

冒頭のまとめ

まず高速道路を85km/h以上で走りたい人は購入非推奨。(新東名なら少し条件は変わるかも)

また1日あたり200km以上の走行する人にも勧めない。120km以上走る予定なら充電が必要になる場合を想定しよう。

モーターによる余裕の加速力や近代装備に恵まれた内装、ダンパーがしっかりと可動してくれる乗り心地は軽バンから安っぽいイメージを払拭することに成功している。

しかしハンドルを切り増しても抵抗感が大きいためカーブを曲がりづらく、ぼーっとしていたら壁に激突しそうだ。

ロードノイズも大きく高速巡航には向かない。

街乗り重視のクルマなのにブレーキホールド・電動パーキングブレーキが装備されない点も不満だ。

自宅充電だけで賄える範囲内での運用で軽バンを選ぶならばベストな一台になり得る。

外観・デザイン

通常のNバンと大きな違いはない。

ホンダディーラーの前を通るたびに試乗車にデカデカと「EV」と書いてあるのも納得。

ちなみに今回のクルマはホンダのEveryGOという公式カーシェアサービスで借りた。

N-van eが借りられるのは東京都・板橋市役所前のこのステーションのみだ。

EveryShareというEV特化のカーシェアサービスと同じステーションだったが、後から調べたところココは国内で唯一BYDのAtto3が借りられるカーシェアステーションでもある。また数週間後に借りに来るかも…?

内装

プラスチックの質感にあまり安っぽさが無かったり、メーターやナビ、エアコン操作パネルやステアリングスイッチが現代的なデザインとなっていたりするため、乗用車らしさが感じられる。

軽バンに対して忌避感を抱いている人にも選ばれやすそうだ。

電動パーキングブレーキ・ブレーキホールドがないのは惜しい。

左側の開口部はかなり大きい。

ドアの内装はスペース最大化のためにえぐられているが、それでもシートの調整レバーには手が届きづらい。

サイドガラスの映り込みについて

サイドガラスが垂直に立っているせいなのか、左側に居るクルマが右側のサイドウィンドウに移り込むという地味な弱点がある。

少し混乱してしまう。

静粛性とオーディオ

遮音材は省いているんだろうなというロードノイズの大きさ。

スピーカーは音量が大きく出るため高速道路でも音楽をしっかりと聞けるが、音質的にBGM程度にしかならない。

必要充分であるとは感じる。

スペック・価格など

最上位グレードにあたる291万円のe:Funだ。

https://www.goo-net.com/catalog/HONDA/NVAN_e/

公式サイトの諸元表を貼り付けておく。

ちなみに本車のトルクは64馬力/162Nmもあるが、660ccターボのNバンが64馬力/104Nm、自然吸気モデルだと53馬力/64Nmである。圧倒的な出力を誇るのだ。

ちなみにサクラは195Nm出している。

https://www.honda.co.jp/N-VAN-e/common/pdf/nvan-e_spec_list.pdf

120~150万円程度で新車が買えてしまうダイハツのハイゼットカーゴ。やはり価格は高い。

相応に付加価値も得られるが…

新車で買うなら補助金適応を狙うべきだし、EVゆえの値下がりの激しさを見込んで2~3年後に中古で割安に拾うことを狙うのもアリ。

ちなみにバッテリー容量は29.6kWhである。

その割に車重が1060~1140kg程度に収まっているのは見事であるが、遮音性は間違いなく削られている。後から自分でデッドニングをしても良いだろう。

電費が5km/kwhでも出れば見込み航続距離は約150km.

7km/kwhなら約200km走れる。

サクラは20kwhであることを考えると、週末のレジャーを想定しても意外と余裕はありそうだ。

6kWでの普通充電に対応しているため、相応の充電器さえ自宅に用意すれば1時間で30~42km程度の航続距離を回復可能。

実走行インプレッション

取り回し

コンパクトサイズで視界も良好。小回りも効く。

一面がフロントガラスなので視界性能は抜群だが、視点、着座位置の高さと相まって今にも投げ出されそうな恐怖感の中で走ることになる。

すぐに慣れて気にならなくなるけど。

東京の大通りなら53km/hでも怖い。

しかし圧倒的な視界は楽しさも産む。

実質一人乗りのクルマなので、シェアする相手がいないという問題はあるが。

乗り心地

バンというより乗用車的。

この手の商用バンは段差を超えた際にダンッと飛び上がってしまうような乗り味のクルマも多い。

とある有名どころのバンはむしろ揺れを増幅するようなアシの動きをしていた。

しかし本車は普通に自家用車として運用しても良い乗り味だ。

段差を超えてもダンパーでしっかりと吸収してくれる

ハンドリング・走行安定性・高速道路

旋回していくと滑らかに曲がっていくような動きには少しだけEVらしさがある。

ステアリングレシオは遅めで、多めにハンドルを切ってやる必要はある。

旋回中にハンドル切り増そうとしても変な重さがあり、かなり意識してハンドルを切るようにしないと知らぬ間に舵角不足に陥っている。

ぼーっとしていたらカーブを曲がり切れずに外側にぶつかりそうだ。

乗り物のコーナリング限界自体は低いわけではないのに、この謎の味付けのせいで曲がりづらくて油断ができない状態となっている。

ちなみに背の高さは直進性においてマイナスに働きはするが、恐怖を感じるほどひどいものではない。

パワートレイン

軽バンだと考えるとかなりの加速力。

開発陣はあえて過激さを削ったと言っているが、それほどでもないよという気持ちのいい伸びが持続する。

合流も街乗りもラクラクだ。

だが安定性の懸念から85km/h以上出すことはないし、その必要も感じないだろう。

アクセルを離した際の減速感から常時Bレンジで運用してもよさそうだ。

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