【シビックタイプR ユーロ】国宝級のエンジンと乗りやすさの同居【試乗インプレッション】#97台目

試乗インプレッション

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冒頭のまとめ

坂道発進で使う800回転前後の領域こそ細いが、3000回転台でも少し踏むだけでグイグイと押し出され、高回転域は201馬力という最大出力を疑うほどの暴力的な加速を魅せる。

なによりもエンジンが格別。これはスポーツバイクと同等の刺激を持つ。

高回転域に行くにつれて爆発しそうなほどの振動と音で吹っ飛んでいく感覚はそこら辺の直4とは完全に別世界。究極のエンジンである。

ハンドリングはCR-Zと似通った、安定した動きで四輪を使って曲がっていくもの。

アンダー傾向ではあるものの安定性が高く乗りやすい。

乗り心地は硬いが、ダンパーのストローク自体はある程度確保されており普段乗りも一応こなせる。

赤色のフロアマットやドアの赤色が魅せる車内空間は感動の世界。

外観・デザイン

ガンダムのような戦闘的なスタイリング。

武将の兜のようで、シンプルな造形ながらイカツさが出ており私は好きだ。

古くはあるが、衰えがあるわけではないことを主張している。

ヘッドライトやバンパー端のフォグランプなどが三角形で統一されているのもポイント。

横から見ると全長が非常に短い。

この短さで車重を抑えて身軽な走りに繋げた。

タマゴのように丸められたリアエンド。

独特な位置にスポイラーが装着される。

メルセデスのEQシリーズのような丸っこい形状。一周まわって今っぽさもあるような…?

左右方向に伸びるライトと三角形で踏ん張る下部という構成は前後とも同じ。

テールランプの光り方が美しい。

どこか手裏剣っぽい形状のドアハンドル。

世代の古く車重も軽いクルマだが、ドアを閉めた際のガッチリ感はかなりのものだ。

内装

むちゃくちゃカッコイイ車内空間だ。これぞ文句なしのタイプRである。

座面が鮮やかな赤色のシート、最高だ。

ドアを開けるとTypeRの文字がライトアップされる。最高だ。

赤色のカーペットやシート、ドアの内張りがバッチリ決まって内装は特別感であふれる。

高揚感がドライバーを包み込んでくる。所有者の管理の良さの賜物でもあるが、全く衰えを感じない。

特徴的な二階建てのメーター。

タコメーターの脇にはレッドゾーン付近で光るインディケーターも装備される。

運転手の周囲に広がっていくような形状。

レッドゾーンまで果てしなくブン回っていくエンジンをフルで味わえるタコメーターを持っている。

始動はバイクと同じ流れ。

まずキーを回してイグニションをONにしてから、始動ボタンでセルを回す。

このスタートボタン、長押しが必要だ。一度押せば勝手に始動してくれるクルマが多い中では珍しい。

左側には空調の操作系が配置される。この上なくシンプルで迷うことがない。

ナビパネルは時代を感じるシンプルさ。

全体的にプラスチック樹脂まみれではあるが、安っぽさは特に感じない。

むしろタイプRならではの車内空間が気分を最高に盛り上げてくれる。

エンジンと共に、クルマ好きなら生きている間に一回は味わいたい世界だ。

夏は肉が焼けるほど熱くて冬は凍るほど冷たいチタンのシフトノブ。

シガーソケットにはタバコに火をつける機能が備わっているようだ。

実走行インプレッション

マニュアルトランスミッション関連

半クラッチやシフトフィールには変なクセがないため非常に乗りやすい。

しかしクラッチのみで発進しようとするとエンジンの低回転域の粘りが不足気味でエンストしやすい。

発進時は意識してアクセルを20%ほど踏むようにすると安定しそうだ。

エンジン

乗ってきた中でも最高峰のエンジンだった。

1000回転以下の発進時のトルク感こそ弱めだが、低回転域からEVのように滑らかにトルクが出てターボでも付いているかのようにグイグイと加速していく。

3000回転程度の中回転域もトルクフルで、少し踏むだけでグイグイと車体を前に押し出していく。

どの領域でもムラなく速い良いエンジンだ。

5600回転あたりからは凄まじい音に変貌し、300馬力あるんじゃないのか!?という圧倒的な加速力でおぞましいサウンドを喚き散らしながら駆け上がり続ける。

レッドゾーンまでが総合の何倍も遠く、「速すぎて怖いからとっととシフトアップしたいのに、まだレッドゾーンまで3000回転以上もある」

「どうせなら踏んで楽しみたいけど上が遠すぎて加速も速すぎて迂闊に踏めない」

といった感想となる。

なおヒールアウドトゥーで軽くアクセルを煽っただけでも2000回転くらい一瞬で上がる。

上があれだけ恐ろしいのに、低回転域からやけにトルクがあり2Lの自然吸気だとは思えない化け物スペック。

あのエンジンだけで300~400万円くらい掛かってもおかしくないように感じるほどだ。

ホンダのタイプRの底力を突き付けられた。思っていた何倍も上をいくエンジンだった。

ハンドリング

CR-Zと方向性は似ている。

小柄でコンパクトな車体とFFを活かし、落ち着いた姿勢で曲がっていく。

曲がり始めから四輪をしっかり接地させる動きだ。

トップギアの動画で「アンダーステアがひどい」と紹介されていたが、深夜の首都高を走る程度では全くそんな動きは感じなかった。

乗り心地

クルマの方向性を考えると良好だが硬派な乗り味。

ダンパーがきちんとストロークして揺れを吸収してくれる。

しかし段差を超えた後の衝撃自体はゴトンゴトンと入ってくる。

減衰も締められていてゴツゴツとした硬い感触があり、体は揺さぶられてしまう。

しかしタイプRを街乗りや日常的なアシとして運用することを考えると何も問題ない。

日常的に誰かを乗せたり、デートに使ったりするような用途は想定するべきではなさそうだ。

(車好きの同志なら問題ないけど。)

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