2023年のベスト?値段・燃費・性能・デザインすべてが超次元的な一緒の相棒。「天使のフィット」現る【フィットRS e:HEV】【インプレッション】

試乗インプレッション

わたしにとっての「フィット」というクルマは、とあるおふざけ系レースゲーム実況YouTubeチャンネルで、魔改造で300km/h出しては横転している印象が強くあった。

こんな先入観しか持ち合わせておらず面目ないが、なにはともあれ今日の主役はフィットだ。

ホンダのEveryGoというサービスで、日本で唯一、現行型フィットのRSを貸し出しているステーションが東京近郊にあるのだ。

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試乗車のスペックについて

例によって、グーネットの諸元ページより紹介する。

フィット(HONDA)RS(2022年11月)|カタログから中古車を探すなら【グーネット】
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新車価格234万円の 「e:HEV RSだ。

なお、最廉価グレードを選べば、159万円から新車が買えてしまうらしい。と~ってもリーズナブルだ。

ちなみに、e:HEVの最上位グレードである「リュクス」は新車価格266万円と、RSよりも高いのだ。

また、純ガソリンなら、RSグレードは195万円で新車が買えてしまうが、後述する燃費や静粛性の観点から、今の時代に買うなら断然e:HEVをオススメする。

  • サイズは4080×1695×1540mm
  • 車両重量は1210kg
  • エンジンは1.5リッター直4自然吸気
  • エンジンの最大出力は6000~6400回転で106馬力
  • エンジンの最大トルクは4500~5000回転で127Nm
  • モーターの最大出力は123馬力
  • モーターの最大トルクは263Nm
  • タイヤサイズは前後とも「185/55R16」
  • 最小旋回半径は5.2m
  • FFのCVT
  • 燃料はレギュラー。
  • 燃費は実走行で30km/Lオーバーを確認(WLTCは27.2km/L)

新車価格が234万円と、走りに拘ったスポーツグレード中では比較的安価であることと、私がエコドライブに徹したところ、リッター30を超える燃費が出たことは、ぜひ頭に入れておいて頂きたい。

追記:e:HEVの動作について

追記:YouTube用に動画を作った際にe:HEVの動作に関する疑問が生じたため、個人的にリサーチを行った。

「e:HEVのエンジンは発電専用だ」という旨のコメントを頂いておりますが、これは状況によります。

高速クルーズ時はエンジンとタイヤを直結し、ガソリンエンジンのみで駆動することがあるようです。

ただ、「加速時はエンジンは発電専用モーターにのみ接続され、駆動はバッテリーのみで行う」とも記載されております。

つまりベタ踏み時の加速は、車両重量1210kgに対して、最大出力123馬力馬力&最大トルク263Nmのモーターのみで行われているはずです。

CVTハイブリッドと加速感が似ていたため、私自身もよく分かっておりませんでした。

外観について

やけにカワイイ系の顔つきになってしまった気がして、どことなく敬遠していたのだが、実車を見るとカッコ良い。

細部の意匠や塗装が上質で、今の時代なら400万円に達してもおかしくなさそうな上質感を持つ。

「フィットも洗練されたなぁ」と、しみじみと感じる。

ヘッドライトのおめめが大きく、全高も高いため、シビックのようなスタイリッシュさは薄れるが、それでも良いデザインだ。

リア側も上品にまとめられている。白色がよく似合っている。

ホイールをツライチいにして、真っ黒にして、もう1インチほどアップさせれば、もっと外観を引き締められるかもしれない。

ちなみに燃料はレギュラーだ。お財布にも優しい。

内装について

新車価格を忘れさせるほどの上質感にあふれている。

内装の質感といえばマツダ車に定評があるが、この価格帯においては、ホンダ車だって負けてはいない。外装と同じくシンプルかつスタイリッシュだ。

本皮のステアリングと、光沢を抑えた液晶メーターが特徴的だ。

ちなみに、左側のバーはバッテリー残量計になっている。

ステアリングスイッチの右側にはクルーズコントロールの操作系が集約される。

左側はオーディオと、メーター内インフォディスプレイのコントロールだ。

中央段をぐるぐる回したり押し込むことで操作する。

左奥にはドライブモードセレクタがある。エコとノーマルとスポーツ。

なお、パドルシフトが付いたCVTであるが、パドルは回生ブレーキの調整のために用いる。

右側の奥が電源ボタンだ。

センターコンソール部もシンプル。ブレーキホールド付き電動パーキングブレーキがありがたい。

なお、存在するのはDレンジとBレンジのみで、パドルも回生ブレーキ力の調整のみ。マニュアルシフトは無いのが残念だ。

エアコン操作パネルもありがたいことに物理だ。

シビックやZR-Vと同じく、ダイヤルを回したときの操作感が安っぽいのが難点。

ナビはZR-Vと同じものが入っているようだ。見やすく使いやすい。

ドアの内張りはこんな感じ。

新車価格200万円台前半で、これだけの質感がある車種なんて他にあるだろうか?

mazda3にも勝っていると感じた。

トランクも開けてみたが、トランクの部分も意外と広い。

特に、コンパクトカーだと考えると上出来だろう。

実走行インプレッション

美しい内外装に見とれつつ、システムを始動する。

エンジンは静かに回り、夜間のアイドリングでもうるさくないのが好印象だ。

エンジンの暖気はすぐに終了し、無音で滑らかに動き出す。

車体が小さく乗りやすく、すぐに慣れることが出来る。

最高の視界について

なによりもありがたく感じたものとして、左折時に左前方が見やすいことが挙げられる。

ピラーが細いことと、ガラスの下端が下の方まで来ていることが効いている。

60台近いクルマたちをレビューしてきたが、その中でもトップと言えるほどの視認性の良さだ。

ドライビングポジションが乗用車なので、なんなら軽自動車以上に自然に運転できるかもしれない。

乗り心地について

スポーツグレードということもあって、そこそこ硬めだ。

小さいストロークでコツコツと動く。新車価格400~600万円級のSUVと、同じ感覚の乗り心地だ。

少なくとも、200万円台前半のクルマだとは到底思えないアシだ。

「快適」と呼ぶには少しゴツゴツしているが、重厚感を感じながら移動することが出来る。

もちろん、スピードを出していってもしっかり安定するぞ。

30.5km/Lを記録した燃費について

帰り道がダラダラと流れる一本道の国道だったため、燃費走行を行ったところ、リッター30.5kmを記録した

エコモードに入れて、ゆっくりアクセルを踏んでいく。

バッテリーの残量計が残り3本になるあたりまで、基本的にエンジンは使用せず、モーターだけで伸びていく。

残量が減るか、中くらい以上のアクセル開度を与えた際にエンジンは始動するが、ある程度の速度域まで上げてからアクセルを抜くと、またすぐ切れる。

減速中も停止中も、低速巡航中もエンジンは使わないため、燃費がどんどん伸びるわけだ。

約1.2トンの車重に対して、263Nmの最大トルクを誇るモーターが、余裕の燃費を実現する。

伊達にハイブリッドを作っていない。トヨタ車に匹敵するほどの燃費性能だ。

パワートレインについて

可能な限りエンジンを使わず、モーターだけで転がしていたエコモードとは異なり、スポーツモードに入れるとエンジンが常時回ってスタンバイする。

タコメーターは存在しないが、踏み込んでいけば行くほどエンジン音は元気になり、加速も鋭さを増していく。

「フィットってこんなに過激なクルマだったのか」と衝撃を受けてしまうほどの鋭い加速。逮捕されそうな速度域まで、本当に気持ちよく伸びていく。

加速を行った部分だけ切り抜いた動画を投稿したので、再生してみて欲しい。

もう少し速かったら、人間の感覚が置いていかれそうだ。

「フィットは遅いクルマ」だと思っているそこの貴方、違うんだ。

むしろこの軽さ・小ささに、これだけの加速性能。実用上は最速級だろう。

これだけのポテンシャルを秘めたクルマが、なんでこんな値段で買えてしまうのか…

340万円くらいの値付けで、もう少し内装の素材をアップグレードするだけで、そのまま通用するレベル。

ステアフィールについて

とても安定した一体感のある動きだ。シャキシャキしていて心地よい。

揺さぶってみて意外だったのは、そこそこのロールは許容してから、その先で抑え込んで安定させる挙動だ。

基本的にはフラットな姿勢でドシっと安定するが、スポーツグレードだと考えると、ロール量は大きめ。

総じて一体感を伴って、気持ちよく走っていくことが出来る。

ギリギリ危なく無い領域に抑えて、エンジンの痛快な加速と、シッカリとした走りを味わうのが良いだろう。

その他

オートハイビームが高性能だ。対向車を目潰しすることは一切無く、的確に明瞭な視野を提供してくれた。

まとめ

最後に思ったことがある。

「もし免許を取って最初に手にしたクルマがコレだったら、乗り換え先はなににすれば良いのだろうか…」

価格、燃費、実用性、走行性能。なにもかもが高次元的過ぎて、これを上回るクルマが思い当たらない。

シビックか、スープラか。

だがそのランクのクルマを手にした後であっても、燃費や扱い易さ、見劣りせぬカッコよさが、普段乗りのアシ車としての、強い存在価値を残す

どれだけ良いクルマが買えるようになろうとも、手放しはしない。

私にとってのプリウスPHVGRのように、驚異的な燃費性能と実用性に加わる、強靭な走行性能の高さ。

このクルマは人生のどのステージにおいても、最高の相棒としてオーナーの人生を支えることだろう。

「2023年のベストカー」として、このフィットRSのe:HEV を挙げながら、私の試乗記は終わりとする。

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