今回乗って行く軽トラだ。
スポーツカー好きからは無縁と思われがちな車種ではある。
しかしショートホイールベースのライトウエイトミッドシップという特性や日本経済を支えてきた歴史から私はずーっと気になり続けていたし、実際マニアからの支持も厚い。
家からクルマで2~3時間の距離に「dカーシェア」にて借りられるクルマを発見したので行ってみることにした。
厳密にはトヨタシェアなのだが、5つのカーシェアサービスに一括登録出来るという点で、どうせならdカーシェアに登録しておくのが良い。
基本的に15分単位の精算なので、私のようなチョイ乗りなら、保証込みでも1000円前後で借りることが可能だ。
試乗車のスペック・グレード・価格について
ラインナップが幅広すぎる。車検証の記録をしていなかったので正確には特定できなかった。
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/truck/pdf/spec.pdfグレードを特定するための情報を、とりあえず列挙する。「初年度登録が2022年であること」「4WDであること」「S510-Pであること」「トランスファーはない」「CVTであること」「ハイルーフでもジャンボでもないこと」「自動ブレーキの解除ボタンがあるため、スマートアシストは付いていること」。
グレードダイハツ公式サイトの諸元表ページを基に探してみた結果、新車価格96万8000円の「スタンダード」であると予想させていただく。
とりあえず諸元からいくつかピックアップして書き出していく。
- サイズは3395x1475x1780mm
- 車両重量は850kg(5MTは820kg)
- 最大積載量は350kg
- 最小旋回半径は3.6m
- エンジンは658ccの直3自然吸気
- 最大出力はは5700回転で46馬力
- 最大トルクは60Nm
- CVTのパートタイム4WD
- 燃料はレギュラー
- タイヤサイズは前後とも「145/80R12」(実車確認済み)
ハイゼットトラックのグレードやバリエーションについて
私自身が気になっていたことなのでサクッと書いていく。画像は全てダイハツ公式サイトのグレードページからの引用だ。
まずノーマル版に比べて頭上の空間にゆとりがある「ハイルーフ」というものがある。
そこにリクライニングできるスペースが追加された「ジャンボ」というものもある。
またメッキでの装飾が特徴的な、色々な豪華装備を追加した「エキストラ」というグレードがある。
またHi-Loの切り替えやデフロック、荷台灯や強化リーフスプリングを搭載した「農用スペシャル」というグレードもあるらしい。
ここに「スマートアシスト非搭載車」やオートマ・マニュアル・4WDなどの選択が加わる。
「たけちよ倶楽部」というYouTubeチャンネルについて
ちょっとした小話なのだが、私にとっての軽トラは、「たけちよ倶楽部」という旅系YouTubeチャンネルのイメージがとても強い。
このチャンネルの方はハイゼットトラックにて、1日何時間も何時間も何時間も走り続けて旅をしているのだ。
外観について
やっと実車の紹介に入る。
なんの変哲もない昔ながらの軽トラだ。温かみのあるライトが美しい。
私が田舎暮らしをしているが、私が入っている町内会での軽トラ所持率は7割を超えていると思う。
個人的にはテールランプのレトロ感ある光り方が好きだ。
定番の荷台。そんなに汚れていない。
なんとなく下回りを覗いてみる。
燃料は安心と信頼のレギュラーだが、燃費自体は良くはない。
内装について
この時代に新車価格が100万円も越えないような奇跡。
高級感は無くてもその値段だけで感動を覚える。
オプションなのだろうが、シートにはカバーが掛けられている。
良い質感だ。
簡素ではあるが良い世界観を持つ運転席。
右奥のカップホルダーが便利だ。
マニュアルも選べるがタコメーターは無し。
かなり簡素なメーターだが困ることは無いだろう。
ダッシュボード上にはなにかを置けそうなスペースがある。
車外品の滑り止めマットを見つけてきて敷けば、滑り落ちずに使えそうに見える。
センターコンソールには彩速ナビが付属する。たいへん使いやすい。
懐かしのマニュアルエアコン。曇り取り機能を使いたい場合はいちばん右まで動かさなくてはいけない。
風量調整ノブが小さく、微調整が面倒に感じる。
運転アシスト系のコントロールと4WDの切り替え、プッシュスタートが集約されている。
助手席側の足元にはなにもない。
CVTのシフトノブ。高度が低すぎて手が届かなさそうなカップホルダー。
サイドブレーキ。ちょくちょく小物入れっぽいものが見えるが、あんまり役に立たなさそう…
ETCユニットが貼り付けられている。
助手席側ダッシュボード。ゴテゴテしているのは商用車らしくて良い。
助手席側ドアパネルは簡素の極み。パワーウィンドウはグレードによっては付いてこない。
足元も本当に簡素だ。こういう努力のお陰で100万円で新車が買えるわけだ。
足元の拡大図。シンプルすぎるペダル周り。配線が映り込んでいて面白い。
ここを掴めばシートの前後移動が可能なようだが、近づけるとヘッドレストが届かなくなる。
またリクライニングについては、探してもなんの機構も見つからなかった。
実走行インプレッション
やっとだ。まずドアを閉めるのだが、あまりもペラペラですぐ半ドアになる。
「2022年にこの軽い質感なんだ」と、ちょっとしたカルチャーショックを受けた。
事故ったらどうなるんだよ…
ちなみに、バック駐車を行う際は後ろを見るとこの視界が手に入る。
慣れればぶつけようがない。
視点の高さと前のめりについて
運転席に座って驚くこととして、とても視点が高いのだ。
また微妙に前のめりになっている気がする。
マイケル・ジャクソンのアレの角度で常時走行している気分。
パワートレインについて
…というわけで走り出して行くのだが、発進が過剰にギクシャクする。
エンジンがやかましく唸った後、ガツンと繋がっていく荒い動き出しだ。
ノンターボの660ccということで加速性能は終わっていると思っていたのだが、850kgの軽さとCVTの制御が効いているのか.
かなり元気の良い加速をしていく。
時速60km/h程度ならグイグイにクルマが加速していくのを感じられる。
ただ、ドカンとアクセルを開けてもぜんぜん加速していかない。
60km/hから80km/hまでの到達時間が長すぎる。いつまで経っても100km/hに到達出来ないような気持ちになる。
ベタ踏みにしてもエンジンばかりけたたましく喚いて、これっぽっちも車速が付いてこない。
高速道路の合流はみんなどうやってるんだろう…
乗り心地について
荷物も積んでいない軽トラの乗り心地なんて終わっているだろうと予想していた。
リアのサスペンションなんてリーフスプリングなんだぞ?
でも裏切られた。
確かに段差を越えた直後の突き上げはある。跳ね飛ばされる。
だが、その直後にアシがしっかりストロークしつつ、不安感のある揺れを抑え込んでいっているので、快適性がキチンとあるのだ。
別に快適な乗り物としては作られていないのだが、意外なほどに担保されていた乗り心地に驚いた。
ステアフィールについて
初期の応答がかなりダルい。
半回転くらい回さないと動き出してくれない。
また、大抵の車種が1.5回転でロックするのに対して、この車種は2.5回転くらい回る。
Uの字カーブが連続する場面ではハンドル操作が忙しい。
たくさん回さないといけないため、速いペースで走ろうと思ったら回す時間の確保まで考えて走行する必要がある。
ただロールはかなり小さい。
さっき言った通り、回し始めの追従はゆったりとしている。
だがいざ旋回を始めると、早い段階から姿勢変化を抑え込んでくれる。
しっかりとタイヤを路面に押し付け、タイヤグリップをヨコ方向に使うための荷重を掛け込んでいくことができる。
しっかり感のある走りに驚かされた。
急ブレーキ時の危険性について
いつも通り安全が確認された直線で急加速→急ブレーキテストを行った。
この軽トラはエンジン音がかなり大きいので今回はブン回す場所の選定もしっかりしてある。
加速力自体はエンジン音が怖いほど大きい割にショボい。
ここで問題になるのはその後だ。フルブレーキングの際の動きだ。
フロント二輪の制動にリアがついて行けていないというかリアがフロントを追い越そうとするような動きが出る。
端的に言うと、フルブレーキングをしただけで乗り物がスピンしていくのだ。
どのくらいのレベルかというと
「凍結路でプリウスPHVでフルブレーキングしたとき並み」だ。
冷静に考えてみて欲しい。フラットなドライ路面でのブレーキングが、スタッドレスを履いた状態での凍結路並みに不安定なのだ。
これは本当に危ない。もし凍結路を走ったらちょっとブレーキを踏んだだけでスピンするリスクを伴う。車重自体は軽くても、安定して制動力を立ち上げられないのだ。
これこそがショートホイールベースミッドシップ的な特性を持つ軽トラの最大の弱点となっていくだろう。
高速域での直進安定性について
このクルマの実用上の最高速度は時速80km/hだ。
それ以上はそもそもエンジンパワー的に到達が困難であるし、接地感や安定性、制動時の危険性から、80km/h以上で走るのはまず無理と思っておくのが良いだろう。
最小旋回半径は驚愕の3.6メートルなんだ。
新車価格はグレードによっては100万円を超えないのだ。
これがどういうクルマであるかよく考えよう。
まとめ
日本の軽トラは偉大だと感じた。
コミコミでも150万円程度で新車が買えてしまうのに、これだけ便利に使っていくことが出来る。
私も整備や雪道・林道走行用に、なにか買おうかと真剣に悩むキッカケとなった。
追記:とある軽トラ乗りの方からの詳細レビュー
この記事のコメント欄にて、実際に乗ってらっしゃる方からのレビューを頂きました。
とても良い内容であったため、本文内でも紹介させて頂きます。
ありがとうございましたm(_ _)m
2022年のマイナーチェンジ前のスバルサンバートラック(OEM二代目)に乗る機会が多いので、コメントさせて頂きます。
リクライニング機能が無いのはキツイです。スバルが自社生産していた頃は標準でリクライニング付きの椅子が採用されていたので不満に思います。ただ、キャビンの大きいジャンボではリクライニング椅子が搭載されているので長距離移動にはもってこいかと。
運転姿勢に関しては、「身長140㎝のおばあさんから180㎝の兄ちゃんまで運転できるように設計した」と、どこかの本に書いてあった気がします。
私の場合だと身長が低いのであまり高い位置に居る感覚がしないので、座高の高さがモロに出るものと思います。変速はMT車なのであまり参考にならないと思いますが、結構ギクシャクするのは共通です。クラッチを離すと一気に抜けてガックンとしますし、2速以降をいきなり繋ぐとやっぱりガックンと加速します。クラッチを一気に踏みつつ直ぐに変速しつつ、3速まで半クラを意識すると大分、ギクシャクは緩和されるのでMT車を運転する際は参考にしてみてください。
加速は実は3速辺りまでは結構早く加速します。ジャパンタクシーと競争してもメーター読み35㎞辺りまではアクセル8分踏みでも先に加速出来ます。ただ、40㎞を越えると加速が鈍くなります。具体的には4速に変速すると加速が緩やかになります。5速は加速出来ません。5分踏みで50㎞から60㎞に平地で加速するのに6秒程。
踏み込んでも加速しないので速度を上げる場合はギアを落として一気にペダルを踏み込んで加速します。それでも加速は遅いままです。60㎞から80㎞まで4速だと15秒程で加速しますが、フィアットのツインエアやデミオと比較すると論外です。乗用車は目いっぱい踏み込まなくても加速してくれるので。
高速道路の合流はギアを落として無理やり加速。CVT車は乗った事が無いのでよく分かりません。
実は1速がよく効きます。クラッチを繋げたまま5㎞を下回ってもエンストしないので下り坂で結構役に立ちます。まあ、あぜ道を超低速で走る車なので当然ですが。2速もエンジンブレーキがよく効き、20㎞制限の道でよくお世話になっています。
軽トラは高速域での話ばかり出ますが、低速域では極めて良好な性能を発揮します。
あと大声では言えないのですが……2速でも発進できます。私は3速で発進させてしまった事があります。乗り心地に関しては、私の運転しているモデルだと車重1tに迫るので単純に比較は出来ませんが、意外と良好なのは変わりありません。乗用車には劣りますが、300㎞ぐらいなら運転できる程度の居住性と乗り心地です。ただ、荷物を300㎏程載せると段差をやたらと拾ったりと悪化します。なので標準モデルで積載350㎏までは乗り心地は担保されているものかと。
車内は思っているよりは広いです。特に天井が。ハイルーフモデルだと車高が1.8mを越えるので頭上の圧迫感は少ないです。収納はサイズの割には多いのが特徴です。ドリンクホルダーに1Lの紙パックだって入ります。ただ、シフト上のドリンクホルダーに物を入れると、微妙に変速しにくくなります。
ただ、キャビンが絶望的に狭いのでリュックサックを助手席に人が乗ると置くのに苦労します。ジャンボなら座席裏に比較的広い収納スペースがあるのですが、標準キャブだと座席裏の空間は停止表示機材を置くだけで一杯になってしまいます。ハンドルは狭い路地や山道でスピードを出して曲がる場合を除けば、自然と流すだけで思い通りに走ってくれます。ハンドルは2周半まで切れますが、慣れれば自然に回すようになります。慣れです。コツはゆっくりを進みながら一気にハンドルを回す事。
ただし、後退時を除く。後退時は前進時ほど曲がりませんので、前進時の感覚でハンドルを切ると痛い目に遭います。それでも乗用車よりはよく曲がります。
急ブレーキを掛けて身の危険を感じた事はありません。ただ、やっぱり後輪が滑ります。
具体的には滑る後輪を無理やり重量で押し付けている感覚するので、車重が重い方が急ブレーキ時の安定性が増すものかと思います。不安定である事に変わりはありませんが。
そもそも速度を出す車ではないので割り切っているのでしょう。制動距離は空積時の方が短いのは言わずもがな。
高速直進性は悪いですが許容範囲内です。しっかりとハンドルを握れば問題はありません。
ただし横風が吹いていなければ。
横風が吹いていれば途端に直進性が悪化します。風に煽られてハンドルを小刻みに動かさないと直進は不可能です。
強い横風なら50㎞を越えるとハンドルを取られるような感覚がします。80㎞ではハンドルを抑えつかないと横転しかねません。それほど風に弱い車と言えます。
首都高湾岸線やゲートブリッジ、伊勢湾岸自動車道のような海沿いの道を走る場合は覚悟が必要です。
ショートホイルベースのデメリットがモロに出てしまいます。燃費はカタログで15㎞ぐらい。実測だと平均12~14㎞。市街地走行や急加速が多いと10㎞を下回ります。加速は鈍いですが、60㎞までは難なく到達できるので速度維持を心がければ燃費は稼げます。ただしアクセルから足を離すと途端に速度が下がり始めるので、ふんわりとアクセルを踏み続けなければいけません。
5速でもエンジンブレーキは健在です。余談
実は軽トラでも100㎞は出ます。しかし、とにかく不安定ですし何より燃費が悪化します。メーター読みで85㎞ぐらいまでが限度でしょう。ただ、メーター読み80㎞を越えると燃費が悪化するので実際の経済速度は75~8㎞程度と思われます。
それと東京大阪程度なら問題なく走行できます。1日で往復も可能(らしい)。ただ、これは個人の体力と相性の話になります。
それと10万㎞に達していない軽トラックでも状態は悪いものが多いです。理由は農家が過積載して収穫物を運んでいるから。メーカーは1トン積んでも壊れないように作っているそうですが、無理させている事には変わりありません。中古車を買う場合は田舎よりも都会の個体を買うのが無難かと。
ただ、普通の軽トラだと新車から30万㎞程度は走行できるそうです。
自社生産時代のサンバーなら50万km越えの個体もザラです。エンジンは載せ替えているそうですが。以上の点から、もしも仮に軽トラックを購入されるのであればキャビンの広いジャンボをお勧めいたします。車重が重いので若干、安定性が増しますし何よりキャビンが広く椅子がリクライニングする。荷台が狭くなるのがデメリットですが、軽トラ一杯に荷物を積む機会はあまり無いので快適性と使い勝手を取るべきかと思います。
コメント
2022年のマイナーチェンジ前のスバルサンバートラック(OEM二代目)に乗る機会が多いので、コメントさせて頂きます。
リクライニング機能が無いのはキツイです。スバルが自社生産していた頃は標準でリクライニング付きの椅子が採用されていたので不満に思います。ただ、キャビンの大きいジャンボではリクライニング椅子が搭載されているので長距離移動にはもってこいかと。
運転姿勢に関しては、「身長140㎝のおばあさんから180㎝の兄ちゃんまで運転できるように設計した」と、どこかの本に書いてあった気がします。
私の場合だと身長が低いのであまり高い位置に居る感覚がしないので、座高の高さがモロに出るものと思います。
変速はMT車なのであまり参考にならないと思いますが、結構ギクシャクするのは共通です。クラッチを離すと一気に抜けてガックンとしますし、2速以降をいきなり繋ぐとやっぱりガックンと加速します。クラッチを一気に踏みつつ直ぐに変速しつつ、3速まで半クラを意識すると大分、ギクシャクは緩和されるのでMT車を運転する際は参考にしてみてください。
加速は実は3速辺りまでは結構早く加速します。ジャパンタクシーと競争してもメーター読み35㎞辺りまではアクセル8分踏みでも先に加速出来ます。ただ、40㎞を越えると加速が鈍くなります。具体的には4速に変速すると加速が緩やかになります。5速は加速出来ません。5分踏みで50㎞から60㎞に平地で加速するのに6秒程。
踏み込んでも加速しないので速度を上げる場合はギアを落として一気にペダルを踏み込んで加速します。それでも加速は遅いままです。60㎞から80㎞まで4速だと15秒程で加速しますが、フィアットのツインエアやデミオと比較すると論外です。乗用車は目いっぱい踏み込まなくても加速してくれるので。
高速道路の合流はギアを落として無理やり加速。CVT車は乗った事が無いのでよく分かりません。
実は1速がよく効きます。クラッチを繋げたまま5㎞を下回ってもエンストしないので下り坂で結構役に立ちます。まあ、あぜ道を超低速で走る車なので当然ですが。2速もエンジンブレーキがよく効き、20㎞制限の道でよくお世話になっています。
軽トラは高速域での話ばかり出ますが、低速域では極めて良好な性能を発揮します。
あと大声では言えないのですが……2速でも発進できます。私は3速で発進させてしまった事があります。
乗り心地に関しては、私の運転しているモデルだと車重1tに迫るので単純に比較は出来ませんが、意外と良好なのは変わりありません。乗用車には劣りますが、300㎞ぐらいなら運転できる程度の居住性と乗り心地です。ただ、荷物を300㎏程載せると段差をやたらと拾ったりと悪化します。なので標準モデルで積載350㎏までは乗り心地は担保されているものかと。
車内は思っているよりは広いです。特に天井が。ハイルーフモデルだと車高が1.8mを越えるので頭上の圧迫感は少ないです。収納はサイズの割には多いのが特徴です。ドリンクホルダーに1Lの紙パックだって入ります。ただ、シフト上のドリンクホルダーに物を入れると、微妙に変速しにくくなります。
ただ、キャビンが絶望的に狭いのでリュックサックを助手席に人が乗ると置くのに苦労します。ジャンボなら座席裏に比較的広い収納スペースがあるのですが、標準キャブだと座席裏の空間は停止表示機材を置くだけで一杯になってしまいます。
ハンドルは狭い路地や山道でスピードを出して曲がる場合を除けば、自然と流すだけで思い通りに走ってくれます。ハンドルは2周半まで切れますが、慣れれば自然に回すようになります。慣れです。コツはゆっくりを進みながら一気にハンドルを回す事。
ただし、後退時を除く。後退時は前進時ほど曲がりませんので、前進時の感覚でハンドルを切ると痛い目に遭います。それでも乗用車よりはよく曲がります。
急ブレーキを掛けて身の危険を感じた事はありません。ただ、やっぱり後輪が滑ります。
具体的には滑る後輪を無理やり重量で押し付けている感覚するので、車重が重い方が急ブレーキ時の安定性が増すものかと思います。不安定である事に変わりはありませんが。
そもそも速度を出す車ではないので割り切っているのでしょう。制動距離は空積時の方が短いのは言わずもがな。
高速直進性は悪いですが許容範囲内です。しっかりとハンドルを握れば問題はありません。
ただし横風が吹いていなければ。
横風が吹いていれば途端に直進性が悪化します。風に煽られてハンドルを小刻みに動かさないと直進は不可能です。
強い横風なら50㎞を越えるとハンドルを取られるような感覚がします。80㎞ではハンドルを抑えつかないと横転しかねません。それほど風に弱い車と言えます。
首都高湾岸線やゲートブリッジ、伊勢湾岸自動車道のような海沿いの道を走る場合は覚悟が必要です。
ショートホイルベースのデメリットがモロに出てしまいます。
燃費はカタログで15㎞ぐらい。実測だと平均12~14㎞。市街地走行や急加速が多いと10㎞を下回ります。加速は鈍いですが、60㎞までは難なく到達できるので速度維持を心がければ燃費は稼げます。ただしアクセルから足を離すと途端に速度が下がり始めるので、ふんわりとアクセルを踏み続けなければいけません。
5速でもエンジンブレーキは健在です。
余談
実は軽トラでも100㎞は出ます。しかし、とにかく不安定ですし何より燃費が悪化します。メーター読みで85㎞ぐらいまでが限度でしょう。ただ、メーター読み80㎞を越えると燃費が悪化するので実際の経済速度は75~8㎞程度と思われます。
それと東京大阪程度なら問題なく走行できます。1日で往復も可能(らしい)。ただ、これは個人の体力と相性の話になります。
それと10万㎞に達していない軽トラックでも状態は悪いものが多いです。理由は農家が過積載して収穫物を運んでいるから。メーカーは1トン積んでも壊れないように作っているそうですが、無理させている事には変わりありません。中古車を買う場合は田舎よりも都会の個体を買うのが無難かと。
ただ、普通の軽トラだと新車から30万㎞程度は走行できるそうです。
自社生産時代のサンバーなら50万km越えの個体もザラです。エンジンは載せ替えているそうですが。
以上の点から、もしも仮に軽トラックを購入されるのであればキャビンの広いジャンボをお勧めいたします。車重が重いので若干、安定性が増しますし何よりキャビンが広く椅子がリクライニングする。荷台が狭くなるのがデメリットですが、軽トラ一杯に荷物を積む機会はあまり無いので快適性と使い勝手を取るべきかと思います。
長文失礼しました。
コメントありがとうございますm(_ _)m
理想的なレビュー無いように感銘を受けたため、記事内にて紹介させていただきました。
より良い記事へのご協力、心の奥底より感謝申し上げます。