【インプレッション】テスラ・モデル3 RWD 熱狂的な人気と現実

試乗インプレッション

私が人生で乗ってきた中で、特に良いと思ったクルマは3台ある。

その中でも特に、性能やイメージなどの総合点が高かったのが、テスラのモデル3だ。

ちなみに、今回はとあるレンタカー屋で借りたが、テスラのモデル3は、Anycaというカーシェアサービスで借りることが可能だ。

【Anyca】新規登録時に招待コード「BMW318」を入力して1,000円割引ポイントが貰える!
【Anyca】新規登録時に招待コード「BMW318」を入力して1,000円割引ポイントが貰える!
スポンサーリンク

実走インプレッション

私は自分の役割を「目に見えない、実際に運転しないと分からない、ステアフィールや乗り心地のレポート」だと思っているので、今回からは、走行フィールから先に紹介していく。

自動運転の操作感について

まず、シフトポジションは右のウインカースティックで変更する。

下に倒すとDレンジ、上に上げるとリバース、先端のボタンを押し込むとP。

単純明快だ。

走り出した後、右のスティックは自動運転のコントロールになる。

一回下げるとクルーズコントロールで、二連続で下げると、実質自動運転のオートパイロットだ。また、自動走行中にリバース側に操作すると、その瞬間に解除が可能だ。

ブレーキを踏んだり、ハンドルを切るのは、周囲に余計なアクションを与えることになるため、スティックで任意に解除するのが良いだろう。

また自動運転機能の作動中は、当たり前のことではあるのだが、自分が走りたい車線内の走行位置と、機械が選択する走行位置が、左右方向にズレることが多々ある。

イレギュラーの無い有料道路上であっても、「なんか左に寄ってるんじゃないか」「この先の左カーブ、ちょっと急だが曲がれるんだろうか」と、いちいち気がかりで、操作されている感にも慣れず、私はストレスが溜まった。

ロングホイールベースであることが効いてか、車両自体の直進安定性もかなり高い。

画面を操作するときや、飲み食いするとき、渋滞中以外は、クルーズコントロールのみの使用に留めて、自分でハンドルを操作するのが良いと感じた。

乗り心地について

硬めではあるが、そこそこ良い。

安定性重視で、コツコツとした足の動きだ。

短いストロークで揺れを吸収し、フレームにあまり衝撃が入ってこない。

そんな、高剛性高級車にありがちな動きだ。

空気圧を少し下げるか、18インチモデルを選んだうえで、クッションでも敷いておくとと、長距離も快適にこなせる乗り心地になるだろう。

なお私の場合は、自動運転システムの不安感が気疲れに直結してしまった。

自動運転に頼るのではなく、基本的にハンドルは、ぜんぶ自分が操作する。

それくらいの気持ちでいるのが良いのかもしれない。

ハンドリングについて

意外だと思うが、トヨタのGR系のスポーツマシンと、同じくトヨタのクラウンを、かけ合わせたような、素性の良い動きをする。

動き出しからロール収束まで、一瞬の間があってから、ピシっと姿勢が安定する。

前後重量配分と重心に優れるEVだから、スポーツセダンとして楽しめるのだ。

かなり激しく攻め込んでいった先で、自然とフロント側がアウトへ逃げていくような動きだ。

加速性能について

テスラらしく、かなりの加速力を誇る。

視界が開けた、見通しの良いワインディングなら、ウエット路面であろうと、80~90km/hで巡航していける。

加速力もかなりあるので、白点線追い越しも余裕だ。

ただベタ踏みすると、どうしても遅く感じる。

上にロングレンジ・パフォーマンスとある中での最廉価グレードだから、これは仕方ない。

グレード・スペックについて

私が乗ったのは、マイナーチェンジを挟んだ2021年製の、スタンダードレンジプラスだった。

時期によってかなり激しく価格が変動するため、新車がいくらだったか定かではないが、現在は約530万円で売っているグレードだ。

いつもの通り、主要なスペックを箇条書きでまとめる。

  • 全長4690mm,全幅1850mm,全高1440mm
  • 車重は1.6~1.7トン
  • 最小旋回半径5.4~5.7だと予想
  • 0-100加速は5.6秒
  • バッテリー容量は54kWh
  • EPA航続距離は423km

実は、モータートルクや最小旋回半径など、未公開の情報が多く、年式によっても数値にかなりバラつきがあるため、厳密さを欠いた数値であることはご了承を。

外観について

個人的には実物は、かなりカッコいいと感じた。

特にフロント周りの膨らみや、ヘッドライトの内部形状がかっこいい。

個人的にはホイールは、黒いウーバータービンが好きだ。

また、モデルYが出てきたそうだが、個人的にはモデル3でも、充分すぎるくらい背は高いように思う。

デザインの理想的には、もう少しヘッドルームを削りたいだろう。

リアエンドも特徴的だ。スポイラーを付けて引き締めたいところ。

UIと自動運転システムについて

テスラの最大の特徴とも言えるのが、この大きなタッチスクリーンだ。

正直、普通に使いづらい

なんで物理ボタンにしないんだ?

と聞けば、「コストダウンのため」というのが答えだ。

物理ボタンを製造すると、設計コストや部品点数が増えるから、すべてをコンピューターに集約させて、効率的に制御しようという話。

特にひどいのが、ステアリングとミラーの調整だ。

メニュー内で2回ほどタップしてから、ステアリング内のぐりぐりボタンで調整する。

なぜステアリングコラムに、操作ボタンを付けないのだ??

とっても不便でストレスが溜まる。

ユーザー登録により、メモリー機能を使えるので大した問題にはならないだろうが、コストダウンを優先しすぎて普通に不便だ。

「一箇所に集約されていて、機能を見つけやすい」という、テスラオーナーだか信者のコメントをネットで見ることはあるが、普通に使いづらい。

エアコンの操作系統についても、当然ながら物理ボタンではない。

下側ツールバーから温度だけは変更可能なので、そこで制御しろということなのだろうが、私のようにこまめに風量を調整したいユーザーには、繰り返しになるが不便でしかない。

また、シートヒーターとの相性もよろしくなく、オート設定にしていると、車内の気温としては普通に寒いのに、シートヒーターだけ熱すぎるという事象が発生する。

どうせエアコンが航続距離に与える影響なんて数パーセントなんだから、その分の充電時間は、早めに出発する形で確保しておいて、ラフに使うのが良いだろう。

また、ワイパーについてもひどい。

オートワイパー付きだが微妙に反応が遅く、それが不満である場合、ナビ画面内から「1,2,3,4」の小さい数字を選んでタップする必要が生じる。

近年稀に見るイライラ仕様だ。いちおう、左スティックの先端を押し込むとワイパーが一回だけ作動するため、これをメインで使うことになるだろう。

スーパーチャージャーネットワーク・充電の弱点について

テスラの最大の魅力がスーパーチャージャーネットワークであることは言うまでもない。

15~20分も繋げば300km近い距離をチャージ可能で、一箇所に集中設置されているため、充電待ちのリスクがない。

….と言われているのだが、ここに穴がある。

詳細については上記の動画を参照して欲しいのだが、旧バージョンのスーパーチャージャーであった場合、同じ充電ストールを2台で使うと、出力が66kwに制限されてしまうのだ。

瞬間的に250kwを出せる車種もあるなかで、だ。

しかも、いちばん移動の需要が高い、新東名ルート沿いには、実質的には浜松スーパーチャージャーしか、使い物になる充電ステーションがない。

特に最近はテスラも増えたため、混雑する時期の移動がメインとなる場合、狙ったとおりに充電が出来ない可能性が高くなっている。

しかもだ、高速道路を一旦降りないと、スーパーチャージャーは利用できない。

いくら充電が安くても、高速道路代が割高にならざるを得ない。

また、インターの近くにあると言ったって、片道10分以上かかることもしばしば。

渋滞に巻き込まれるリスクも考えると、どこまでスーパーチャージャーのメリットが活かせているのか迷うところだ。

そこでこう考えるだろう。

「チャデモアダプタを使えばいいじゃん」と。

だめなのだ。チャデモアダプタにも弱点がある。

50kwしか出ないのだ。また、そもそも大半の充電器は、20kw程度の出力しかない

かりに40kw出たとしても、30分で回復できるのは、せいぜい150km程度。

1~2時間走っては30分休む。こういうことを繰り返さねばならない。

しかもチャデモアダプタ、地味に重く、いちいち持ち出して接続するのも面倒臭い。

当たり前ながら先客のリスクだってあるし、駐車マスに停めるのも場所によっては狭くて苦労するし…

とまあ、懸念事項はそこそこ多いが、そのぶん自動運転と車内空間を活かし、ゆったり行けば良いのだ。私はそう思う。

これだけの不便があることを承知で、私はテスラが欲しい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました