良くも悪くも「トヨタらしい」高コスパなオシャレ&エコ&高機動SUV『C-HR』の伝説【インプレッション】

試乗インプレッション

実はこの日この時間、Anycaエスティマを借りようとしていた。

しかし、免許証の認証ユニットが反応しない

…結局乗れなかったcrz

コペンの予約まで1時間以上あり、大半の車種は乗ったことがある中で、どうしようか。

ヒュンダイ車がずらり。カッコ良いし乗り味も内装も上質だぞ。

悩んだ結果、タイムズの専用フロアにて、大量のC-HRが並んでいるのを発見。

ちょうどいい機会だということで、急遽乗ってみることにしたのだ。

スポンサーリンク

試乗車のスペックについて

2020年式あたりの、新車価格275万円の「S」であると予想される。

C−HR(TOYOTA)S−T(2019年10月)|カタログから中古車を探すなら【グーネット】
C−HR S−T FF CVT(無段変速車) の中古車を物件詳細で見る。カタログ(2019年10月)・(10126143)から最新のトヨタ情報もチェック!中古車・中古車情報のことなら【グーネット中古車(Goo-net)】!中古車登録台数が豊...
  • サイズは4385×1795×1550mm
  • 車両重量は1440kg
  • エンジンは1.8Lの直4自然吸気
  • エンジンの最大出力は98馬力
  • エンジンの最大トルクは142Nm
  • モーターの最大出力は72馬力
  • モーターの最大トルクは163Nm
  • タイヤサイズは前後とも「215/60R17」
  • 最小旋回半径は5.2m
  • FFのCVT
  • リチウムイオンバッテリー容量は3.6Ah

ちなみにC-HRには、大きく分けるとハイブリッドとガソリンの2つがある。

それぞれに、ベースグレードの「S」と上位グレードの「G」があり、「GRスポーツ」も選択可能となる。

純ガソリンバージョンにのみ、6MTとフルタイム4WDの選択肢もあるようだ。

最廉価なのはS-T(純ガソリン6MT)の約236万円であり、最も高いグレードは、S(ハイブリッド)のGRスポーツだ。上位グレードのGじゃなくて、ベースグレードのSのほうにGRが設定されているのはなぜだ…

なお、モータートルクについては、公式サイトの諸元表を参照した。

https://toyota.jp/pages/contents/c-hr/001_p_006/4.0/pdf/spec/c-hr_spec_202208.pdf

外観について

解錠されたのは青い個体だった。至って普通のC-HRである。

ヘッドライトやバンパーまわりの造形が新しいように見えるのは、Wikipediaによると「2019年10月改良版」であるためらしい。

かなり明るい系の青色が象徴的だ。

青色との対比で、タイムズの黄色いステッカーが目立ってしまっている。

コンパクトSUVらしいボリューム感に溢れたフロントと、有機的&空力的なデザインを持つリアビュー。

2016年に発売されたらしいが、空力のために寝かされたリアエンドや中央で仕切られた穴あきスポイラーなど、空力を意識したかなり先進的な取り組みが感じられる。

ちなみに、時間が余ったのでボンネットを開けてみたところ、プリウスと比較して異様に重かった。鉄製なのだ。

逆説的に、自分のクルマのボンネットはアルミ製で間違い無かったのだと気付かされた。

エンジンルーム内はトヨタらしさに溢れる。部品共有を進めることで、リーズナブルな本体価格と低燃費を実現しているんだろう。

二列目のドアノブは、上の方に付く。新鮮ではあるが正直使いやすくはない。

トランクを開けてみた。この手のコンパクトSUVは、前後長と最低地上高ゆえ、見た目の割に荷室が不自由なことが多いが、これだけあれば充分だろう?

ぜったい邪魔なだけのトノカバーと、どの程度使われているのか不明なチャイルドシートはご愛嬌。

内装について

新車価格200万円台前半ということで、高級感こそ感じづらいが、かなりデザインにこだわって設計されているのを感じる

本体価格が高いわけではないのに「良くできてるクルマ感」があるのだ。

別に高いという訳では無いのだが、新車で欲しくなる内装だ。

マットな質感ではありつつも、プラスチック感が強いセンターコンソール。電動パーキングブレーキ+ブレーキホールドが付いているのが羨ましい。銀色のシフトノブの裏側にはボタンがあり、そこを押しながらシフトする。

エアコン操作盤は全て物理だ。温度と風量、風光を横並びのバーで操作可能で、小さいながら操作性は良好だ。デザインのためにナナメに配置されているボタン類には慣れが必要だろう。

この価格帯のトヨタ車では定番のカーナビだ。左右に大量にボタンがついているのが特徴である。

ボリュームダイヤルの操作フィールに、意外にも重厚感があった。

さて、いちばんの問題点となるであろう、歪められた形状をしたステアリング内のボタン。

変にナナメになっていてクソ使いづらいのだ。

特に、夜間の運転時、車内は暗闇になる。どこを押せば良いのか、慣れるまでは分からない。

いちおう右側は、メーター内のインフォディスプレイと、クルーズコントロール設定時の車間や車線逸脱の管理が付く。

左側はオーディオ系のコントロールだ。

上手に撮れなかったが、センターコンソール奥側にはUSBポートと、謎の隙間が存在する。

カーシェア車両なので相変わらず汚れているが、センターコンソールボックスの中にシガーソケットがある。

カップホルダーの底が取り外し可能になっていた。Lサイズのドリンクでも入り切らないのでは?と思うレベルで深い。

表面に書いてある文字だかイラストもよくわからないが、世界戦略SUVらしさを感じられた。

右奥部分はこんな感じ。

面白い要素が多かったため長くなったが、最後にグローブボックスの開け方について。

レバーではなく、この部分を押し込むことで開けるタイプだ。

暗闇の中では、どうやって開ければ良いのか分からないのが難点だろう。

「二列目が狭い」問題

「二列目が窮屈すぎて買ってから数ヶ月で売った」というコメントをネットで見かけたため、座ってみることにした。

車内空間自体は別に悪くなく、むしろSUVらしい居住性の良さを感じたのだが、外を見ようとするとコレだ。

すぐ壁。真横がプラスチック。牢獄の中の窓。

よりにもよって、いちばん人の顔に近いところが塞がれる。

ずーっと下を向いてスマホをしてるだけなら良いだろうが、景色を楽しみたい人には辛いかもしれない。

実走行インプレッション

トヨタのハイブリッドの例に漏れず、始動時から静かだ。

暖気のためのアイドリングはすぐに終わり、163Nmのモーターが、約1.5トンのボディーを軽やかにEV走行させる。

アクセル開度と速度をかなり抑えれば、EVモードのみで走行することも不可能ではないレベル。

ガソリンを浪費せず、静かに走行できるのは嬉しいものだ。

なお、上記画像の通りタコメーターは無い。あるのはエコアクセルゲージ&回生ブレーキモニターだ。

取り回しについて

「コンパクトSUVだから、ヤリスクロスのように運転がラク」かと思いきや、両者の間には違いがある。

誰でもスッと乗りこなせる優しさがあったヤリスクロスに対し、狭いところでは数値以上に車体が大きく感じてしまう。

前後に4385ミリ、横幅は1795ミリ、最小旋回半径は5.2mというコンパクトサイズだが、もっこりしたボディー形状が乗りづらい印象を与えてしまっているようだ。

ただ、この手の「物理的なサイズ的にはそこまで大きくないクルマ」というのは、慣れればサイズなりに乗れるものだ。「慣れの問題であること」は頭に入れておいて頂きたい。

深夜のガラ空きの立体駐車場だからといって、雑に飛ばしていると盛大に行くリスクがあるぞ。

乗り心地の良さについて

この手のSUVというのは、動きを抑えて安定性を向上させるためにアシがゴツゴツと硬いことが多い。

だがC-HRは、たいへん乗り心地が良いのだ。

SUV化されて車高が上がっているぶん、しっかりとタイヤを上下に動かして揺れを吸収してくれるので、段差を越えてもたいへん快適だ。

それでいて飛ばしていってもしっかり安定する。

快適性のためのストロークと、走行安定性のための抑え込みのバランスが絶妙なのだ。

パワートレインについて

基本的には「The・トヨタハイブリッド」といった感じだ。

ゆっくりと加速していけば、モーターがグイグイ引っ張っていく。

PHVモデルほどのモーターパワーは無いようで、発進からしばらく経つとエンジンが始動し、車体を引っ張っていく。

「EVモードの速度制限を超過したので、EVモードが自動解除された」と書いてある

おそらくコンポーネントをメーカー内流用しているだろうし、特筆するべきことは無かったが、コストと燃費・加速力のバランスの良い、たいへん優秀なパワートレインだ。

深夜の首都高に安全に合流するためにベタ踏み加速も試してみたが、なかなかに元気の良い加速をしてくれる。

エンジン単体では98馬力しか無いはずだが、白点線追い越しも普通にこなせるレベルの加速力を有している。

「特段と速くはない」と一蹴してしまえばそれまでだが、ベタ踏みしても「制御出来ないところに飛び込んでいく系の不安感」は一切ないため、たいへん乗りやすく安全だ。

これならヤリスクロスに並んで、免許取り立ての初心者さんにもオススメできる。

ステアフィールについて

カローラクロス並みに良い

というか、動きがカローラクロスと同じだ。

腰高なSUVであるはずなのに、素直に荷重移動を作れるだけのロールをした後にスパっと収束。

その後は切ったら切ったぶんだけ、安定した姿勢のまま吸い込まれるように曲がっていくのだ。

「C-HRとカローラクロスって、同じ開発チームが手掛けたのでは?」と思ってしまった。

ヤリスクロスもそうだったが、トヨタのSUVというのは本当に軽快に走る車種が多い。

その他

試乗を終えてからコペンが貸し出し可能になるまで時間が余ったため、車内で仮眠を取ることにした。

その際に気づいたのだが、シートが異様に深く倒せる。

高速バスのプレミアム個室以上にフラットなレベル。その際の視点はこんな感じだ。

もともとの乗り心地の良さと相まって、長距離ドライブ中の休憩も捗りそうだ。

また、アラウンドビューモニターが付属する。

このサイズなら正直要らない気はするが、あってくれるに越したことはない。狭いところでも安心だろう。

まとめ

スタイリング・利便性・燃費・価格・走行性能。どれを取っても非常によく出来ている。

だが、本体価格ゆえ仕方のないことであるが、各部の「費用抑えました感」が気になる人には気になってしまうだろう。

良くも悪くも、トヨタ車らしさが詰まった一台だ。

もし購入しようか迷っている読者さんが居たら、「内装の質感に特に不満を感じなかったら買い」だと言わせて頂く。

コメント

タイトルとURLをコピーしました