【インプレッション】「CR-Z」 グイグイと吸い込まれるように曲がる、ダウンヒルの突っ込み番長

試乗インプレッション

もう6年だろうか、高校生の頃からずーっと気になり続けていたCR-Zに、やっと乗ることができた。

なお、記事では書ききれなかったたくさんの事を、YouTube内で語り尽くしている。

時間のある方は、ぜひ動画で楽しんで欲しい。

このCR-Zは、100円レンタカーでレンタルさせて頂いたが、スポーツカー全般のレンタルなら、スマホ一台で24時間解錠が可能な、dカーシェアがオススメだ。

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試乗車のスペックについて

残念ながら6MTではなくCVTだ。走行距離は約7.5万キロ。まだまだ現役で、足回りへのヘタリも感じない。フォグランプが装着されていることから、上位グレードのαだと予想される。

  • 新車価格は249,8000円
  • 車両重量は1160kg
  • 全長4080mm,全幅1740mm,全高1395mm
  • 最小旋回半径5.0m
  • 1.5リッター直4自然吸気エンジン
  • エンジンは最大113馬力&114Nm
  • モーターは78Nm
  • バッテリー容量は4.7Ah~5.75Ah

乗り心地について

現代でも通用する、とてもカッコいいデザインだと思う。

ネットでは「硬めだ」と言われていたが、あながち間違いではなかった。あまりダンパーはストロークさせず、車体はダンダンと跳ねるような動きだ。

特に不快な感じは無く乗れるのだが、常に上下に、激しく動き続けているように感じる。車重の軽いスポーツ車は、全般的にこういう乗り心地になりがちだ。

長距離を走る際は、休憩をしっかり考えることをオススメする。

旋回性能については、かなり俊敏な動きで驚いた。コンパクトFFならではの挙動なのか、モーターで回生減速を入れているからなのか、吸い込まれるように曲がり始める。

ロールは一瞬で収束し、乗せられているかのようにスパッと旋回姿勢が定まる。その後は、切ったら切ったぶんだけ、グイグイと切れ込んでいくようなフィール。たいへん気持ちがいい。

ステアフィールについて

コーナリングが果てしなく速いぞ…

また、物理的な軽さが効いて、かなりコーナリング限界も高いようだ。

特に、カーブの途中から急になっていく場面。既にハイスピードでコーナリングしているのに、さらにそこからワンランク上の世界へ、そのまま入っていける。

普通なら、一旦はタイヤグリップを前後方向に使って減速する時間を作るような場面でも、そのまま切り増せばスパッと曲がれてしまう。

「遅い遅い」と言われ続け、どことなく持っていたかったるいイメージは、どこかへ消え去った。

また、ハンドルはセンターからクイックよりで、ダイレクト感やタイヤの接地感こそ控えめなものの、曲がり始めの鋭さを感じさせる。

比叡山ドライブウェイが今回の試乗コースだ

なお、おそらく私の慣れと、味付けの問題だろうが、クルマ全体の動きは、クイックすぎて、ワインディングを流す程度では、全ての動きに一体感を出しづらい。

トヨタのGR系統のような、全体で調律された一体感ある動きとは少し違うのだが、これはこれで最高に楽しいと思う。この値段でこれだけ楽しめるのなら、普通に買って良い。

おそらく、しっかりとしたウデのあるドライバーが、オールクリアなステージで、全ての入力を理想的なタイミングで与えて、タイヤグリップを使い切るような領域で飛び込ませた際に、真価を発揮するようなセッティングにしているのだろう。

また、ダウンヒルのブレーキング性能が異常に高く、カーブに入った後に、一瞬だけブレーキを蹴り込めば、それだけでクリア出来てしまう。

ダウンヒルで狂気的に速いワゴンRが後ろに来ても、前がひらけた瞬間、S字コーナー1つでミラーの遥か彼方に消える。

ドライブの合間に絶景が楽しめる。ETC非対応だがクレジットカードには対応する、不思議なドライブウェイだった。

パワートレインについて

モーターのアシストが、数値やイメージ以上に強い。

発進からグイグイと「これはエンジンのトルクそのものじゃない」と思わされるような力で押し出される。また、10km/h程度まで減速すると、自動でエンジンも切れる。

踏み込んでいくと、バイクのように元気で、軽く回るエンジンが唸りだす。小排気量ハイブリッドカーのイメージに反して、エンジン音はかなりしっかりと聞こえてくる。

山の上のほうでは、まだ桜が咲いていた

踏み込んでいくとかなり鋭い加速を感じさせるが、さらに踏んでベタ踏みをしてしばらくすると、やっぱり遅いというか、スペック相応な加速力に落ち着く。

だが、モーターのアシストがしっかり効くことと、元の軽さと、エンジンの元気の良さが相まって、かなりの走りを楽しめる。

加速がそこまで速くないというだけで、これは生粋のスポーツカーだ。

その他

内装については、S2000譲りの、ドライバーを主役として配置されるパネル類がたいへんカッコ良い。

直感的に操作できるエアコンダイヤルや、すぐ押せるモード切り替えボタンなど、とても好印象だ。市街地走行では、ECONモードにお世話になる。

軽自動車ベースの車内を、拡幅して作ったのだろうか、かなりボディーが膨らんでいるように感じるし、駐車券がとてもとても取りづらかった。

誰も使わないリアシートのせいで、ドアからの乗り降りがとても窮屈だ。

本革のシートだったが、表面だけは良いのだが、その奥が板のように硬い。

仮眠のとき、数分と経たずに頭が痛くなった。

元の車体サイズが小さいため、かなり小回り性能が高く、視認性こそイマイチだが、運転していて苦労する場面は無いだろう。

クリーピングでかなり前に出てしまうし、ブレーキも初期からドカンと効く。乗り始めは戸惑うかもしれない。

また、純正カーナビが付いていたのだが、いくらなんでもナビ画面が古すぎる。2000年レベルのクオリティだったのが残念だ。

まとめ

「2023年に買うクルマ」としても普通に通用してしまう最強のコスパと、軽さ&小ささ&独自の足回りが生み出す驚異的なコーナリング限界と、ホンダらしいVTECの刺激的なエンジン。

これら全てを併せ持った、最強の総合性能を誇るマシンだろう。

汎用性ならCVT、楽しみなら6MTだ。

普通に欲しい。私は既にハチロクを持っているのだが、買おうかと本気で思う。

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