個人的に色々なクルマに乗ってきたが、利用しているカーシェアサービスの中で、dカーシェアの次に活躍しているのが「Anyca」である。
これは、主に個人間での貸し借りを仲介するサービスなのだが、その中に「Anyca officialシェアカー」というものがある。
スープラRZや86、ベンツにIONIQ 5など、一生に一度は試したいクルマが、免許証をかざすだけで、15分から非対面で解錠して利用可能だ。
今回は、そんなAnycaのオフィシャルレンタカーの中で、私が個人的にオススメであったり、良いと思った車種を、dカーシェアの記事のときのように、スポーツカー・高級車・珍車の順番で紹介していこうと思う。
なお、この記事で紹介する大半の車種を、実際に私は運転したことがある。
乗ったことがない車種は、素直に「乗ったことがない」と明記させて頂く。
スポーツカー編
トヨタ・スープラ RZ(ホライズンブルーエディション &前期)
個人的には、Anyca オフィシャルではスープラがいちばんの目玉だと思っている。
なんと、視覚的にもとても鮮やかで美しい色合いの、マイナーチェジ後の限定生産グレードである、「ホライズンブルーエディション」がラインナップされているのだ。
美しい内外装に、直6エンジンの官能性に、R35以上に強い加速感、狂気的なタイヤグリップと安定性。マイナーチェンジによって向上した馬力は、スープラをスーパーカーの分類に飛び込ませてしまった。
これだけ良いクルマが1時間1500円で乗れるなんて、このために近隣に引っ越したいくらいだ。
実は、Anyca内にスープラは、私が確認した限り、3~4台ほど存在する。
マイナーチェンジ前であるが、実は前期型と比べて、乗り心地が良い。
アシのしっとりとした動きや、手の内に収まる直6の官能は最高だ。
ただスープラというクルマ、まるっこいボディーのせいで、運転がしづらい。
馬力だけでしかクルマを語れない人から、いい加減卒業しよう。
トヨタ・86(前期)
MFゴーストで伝説となるであろう、前期型の、赤いハチロクが存在するのだが、私が執筆時に確認してみると「クルマが削除されました」と表示されいた。なにかの間違いか?
実はAnyca内に、コレを含めてハチロクは2台おり、もう一台のシルバーのほうは乗れるはずだ。
しかも嬉しいことに、最廉価グレードではなく、上位の「GT」グレードだ。エアコン操作盤やパドルシフトが付き、ホイールやスポイラーで、外観もドレスアップされる。「ベース」としてのスポーツカーのパッケージングを手軽に楽しもう。
ホンダ・S660(MUGEN RA & ノーマル)
Anycaオフィシャルカーには、何台もS660が存在する。
その中の一台は、無限RAというスペシャルグレードなのだ。
ただ、車高調の乗り心地がハードであることに加え、左後ろのアッパーマウントにガタが出てるのか、段差を超えるたびに、左後ろから異音が出る。MUGE RAバージョンは、あまりオススメできない…
選べるなら、ノーマルバージョンを予約することを進めたい。
日産・フェアレディZ (Z34 50th アニバーサリー)
非常に嬉しいことに、Z34もあるのだ。
見かけとは裏腹に、非常に乗りやすく、静かで快適なGTカー。
実はGT-RとZ34を比べると、快適性でも走る楽しさでも、速さ以外の全てにおいてZ34が勝っているのだ。負けていると言っても相手がGT-Rだったというだけで、適当に全開にしてたら誰だって事故るレベルの速さがある。
エンジン音が静かすぎて、かなり回しても全く音が聞こえてこないことと、古すぎる内装のナビまわりは不満だが、歴史に名を残しているスポーツカーは味わう価値アリだ。
トヨタ・コペン GRスポーツ
コペンのGRもある。私も乗ろう乗ろうと思い続けていたが、他の車種を優先してしまい、結局乗れずじまいだ。実用性や安定性などで、エスロクと比べると、より万人向けに振ってきていると予想される。せっかくだし試してみたいものだ。
アウディ・TT
これは公道最速級に速いぞ。
軽くてコンパクトなボディーに組み合わされるターボは、速すぎて身体がついていけないほど強烈な加速感で襲いかかる。
また、私は「アウディフィルター」と称したが、ショックアブソーバーの容量が大きく、遮音も入念に行われており、乗り心地も充分に良い。
アウディーが送り出す、R8すらカモれるレベルで速い、コンパクトハイパースポーツクーペ。アウディの良さと、凄さが光るだろう。
ただ、「機械的に速いだけ」感があったので、操る楽しみではスープラやGR系のトヨタ車に軍配が上がるだろう。
高級車系
ヒュンダイ・IONIQ 5
かなりの変わり種であるし、個人的にも衝撃を受けた一台だったので、あえて最初に紹介する。
なにを隠そう、韓国のヒュンダイが日本に上陸させた、クロスオーバーEVだ。
写真以上にイカつくてカッコいい顔つきに、癒やしの車内空間、EVの特性を活かした静かな走り。世界水準の上質さを持つ。今の時代に「スポーツカーだけ好き」ではなく「クルマ好き」を名乗りたいなら、試さなければならないだろう。
東京・名古屋・大阪で確認しており、かなり台数も多い。グレードやカラーも豊富で、選ぶ楽しみもある。京都に行けば、タクシーとして普通に走っている。
…大阪で借りた際に、返却後の充電設備が使えなかったのは内緒。
レクサス・NX
「高級車の手本」とも言うべき高級SUVだ。
見かけもそうだが、目に見えないシャシーにカネが掛けられており、いわゆる高級車は、具体的にどこが大衆車と違うのか、明確に感じ取ることができる。
誰でも高級車とやらに興味があるだろう。レンタル代だってたかがしれているし、実物を試せば良い・
ボルボ・C40 リチャージ
最近しれっと台数が爆増した、ボルボのEVだ。
XC40もあるようだが、私にはあまり違いが分からない。
コペンと同じく、乗ろう乗ろうと思っているものの、乗るチャンスを逃してしまっている。
「良い」と言われるボルボの世界がEVでどう展開されるか、気になるところだ。
トヨタ・アルファード
みんな大好き?良いイメージ無い?
まあなんであれ、アルファードだ。
個人的には、世間のイメージと実態の乖離が、最も大きいクルマだと思っている。
イカついだけだと思いきや、乗り心地はセンチュリー級に良いし、住宅の一部として欲しくなるほど車内空間は広い。
特に驚くのが乗り心地だ。入ってくる衝撃に対して、波の位相をずらすかのようないなし方をする。優雅にふわっと持ち上がり、ボディーの箱を、そらとぶ絨毯のように滑らかに走らせる。
エンジンだって、レクサス級に良いというか、なんならレクサスのものを使っている。
メルセデス・ベンツ GLAクラス
個人的にちょっと迷ったが世間的にはベンツは高級車なので、ここで挙げる。
コンパクトSUVとして、おおよそイメージされる通りの一台だ。
車体の小ささが効いて運転しやすく、車高の高さが効いて快適性があり、ドイツ車らしい走行安定性は損なわれていない。カッチリ感ある内装やレンタルベンツエンブレムで、ちょっと優雅な気分を味わえるだろう。
…ただ、もう古くなっているようで、「このクルマ、ヤバイんじゃないの…?」という感覚がある。具体的には、「もうそろそろ、放置カーシェアは引退したほうが…」と思ってしまうような、古い車特有の、なんか壊れそう感が漂ってきている。
私だったら、乗り物の信頼性が求められるような用途にはオススメできない…
ベンツ・Gクラス(削除済み…?)
数ヶ月前は普通に借りられたのだが、執筆中に確認してみたところ、ラインナップから消えていた…
とりあえずクルマ紹介をすると、尋常じゃないほど視点が高い。
常時サファリパークで、そこらへんを走ってるだけでアトラクションだ。ちょっと古くなっているが、外観のゴツさも、車内から見晴らす世界の広さも、陸の王者(物理)を思わせる。
全高が高く、車高も上げられているが、走りには安定感があるため、高速道路でも安心だ。
だが、デカすぎて初見では絶望するというか、泣き出す人も居るんじゃなかろうか。物理的には大したことないのだが、普通車の感覚では運転できない。
また、ステアリングのレシオの問題なのか、普通にハンドルを切っていても、舵角が足りない。いつもよりたくさん、ハンドルを回さないといけないのだ。
BMW X1
フルモデルチェンジがなされた、2世代目のBMWのX1だ。
乗ったことがあるのだが、内装の質感がショボすぎるし、走行安定性にも微妙なところが残る。
「原価170万円で作って、400万円のプライスタグを付けて、見た目だけ粉飾してBMWファミリーに紛れ込まれた」感が強い。
身軽さがあってエコで、乗りやすいというのはその通りなのだが、私としては、これを高級車に分類していいのか、未だに迷っている。
というか「世間的にBMWは高級車」だから、中身は高級車してないけどここに入れた。
珍車系
ヒュンダイ・ネッソ
このクルマ知ってる人、いる???
水素で走る、ヒュンダイのSUVだ。
しかも、この見た目で新車価格が約700万円なのだ。
あまりにも珍しかったので乗ってみたが、感動した。
車内空間はIONIQ5同様、癒やしのラウンジと言うべき豪華さだし、走り出しから水素の良さが出る。
この高級感と、乗りやすいサイズ感の組み合わせは新感覚だ。
でも誰が買うんだろう…
ホンダ・Honda e
mazda 2を「2」と表記したら、「mazda2だぞ」というク○リプを頂いたので、それがどれだけくだらないことか晒し上げるために、某構文感覚で表記してやった。
さて、ホンダ社は売る気が無い、未来感あふれるコンパクトEVだ。
この車格・サイズ感と、非常に限られた航続距離で、新車価格500万円。
そりゃ売れないよ…
ちなみに、内外装共に近未来感に溢れているが、その期待感に胸を膨らませて実物に乗ると、思っていた以上に現実的に実限されているので、ガッカリするというか、現実的に引き戻されるというか、パッケージングの上手さを評価することになる。
ちなみに、加速は相当鋭い。うっかりベタ踏みしたら、隣の国まで飛んでいきそうなレベル。
ちなみにHonda のeveryGoで、名古屋市内のホンダディーラーから借りたときは、「駐車マスに充電設備もない中で、この航続距離のEVを、バッテリー残量60%で貸し出してくる」という暴挙に見舞われた。
あのディーラー、EV売る気あんの??
どことは言わないが、EveryGoでEVを借りても、店舗の担当者がEVについてこれっぽっちも理解していない系ガチャを引かされる可能性があるということだ。
それなら「貸し出し後は充電しといてくださいね」が整っているAnycaで、普通に借りたいよね。
トヨタ・エスティマ
なかなかにレアなクルマということで、ここで挙げさせて頂いた。
乗ったことは無いが、長い期間に渡って伝統を築いてきたミニバンブランド。
いつか試してみたい。
スズキ・ジムニーシエラ
なにかと人気のジムニー。排気量がアップされて、軽自動車から「分類上は(コレ重要)」解き放たれた、シエラバージョンだ。
私も乗ってみたが、みんなが思っている以上に、本気を極めて突き抜けたオフローダーだ。
こう言えば聞こえは良いが、古典的なトランスミッション、絶望的にトルク不足なエンジン、ストロークするどころか跳ねるだけのサスペンション。快適とは到底言えなかった…
本格派のオフロードカーに乗りたいならアリだろう。
購入検討者の方も、日々のドライブが厳しいクルマであるため、ぜったい試しておいた方がいい。
まとめ
前回はdカーシェアを紹介したが、今回はAnycaの、その中でもオフィシャルのレンタカーだった。
この2つのサービスに登録していれば、世にカーシェアとして出ている、大半の車種をコンプリートできることだろう。
コレ以外のサービスは、「欲しいクルマを見つけ次第登録する」というスタイルで問題ないはずだ。
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