ノンターボのGRヤリスでも充分すぎる件

試乗インプレッション

今回もdカーシェアに加盟している「トヨタシェア」にて、GRヤリスを借りて乗ってきた。

なお、今回も「トヨタシェア」というサービスで借りた。

GRヤリスがスマホの遠隔解錠で借りられるステーションは、全国に7箇所しかないようだ。

トヨタのカーシェアサービス
アプリひとつでスマートに!トヨタのカーシェア

ちなみに、dカーシェアであれば、トヨタシェアに加え、カレコ、オリックスカーシェア、日産eシェアモビ、カリテコの、合計5つのカーシェアサービスを一括管理できる。

アプリ内のステーション検索機能も使いやすいので、トヨタシェア単体で登録するのではなく、dカーシェアに登録して使うのがオススメだ。

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試乗メモ

とりあえず、試乗後に書き残したスマホメモを貼っておく。

低回転域からドロドロいう。
吸気音も、音のばらつきもかっこいい。
あまりうるさくないのが高評価。
マニュアルで乗りたくなる、手足のように扱えるサイズ感。
とにかく軽い。

むっちゃエコだし、モーターでアシストされてるかのようにスイスイ進む。


足回りは硬いし身体が揺さぶられまくるんだが、短いストロークでショックはしなやかに動いている。
乗り心地が良いわけではないが、不快でもない。
軽いのに動きがおさまってくれる。

ハンドルは軽い。
初期からクイックで、アンダーも出さずオーバーにもならず、軽さと小ささのおかげで、遠心力が無いかのように、ヒラヒラと舞っていけそうだ。
曲がり始め初期からロールは皆無で、フラットなまま曲がってゆく。
ターンイン時にうまく荷重移動できると、なんとも言えぬ回頭性を見せる。
軽さゆえのコーナリング限界と、どこまで追い込んでも踏ん張ってくれるシャシーで、公道を、他車では考えられないような世界で吹っ飛んでいける。
公道では限界に到達できないレベル。

ブレーキは軽さ優先で抑えてありそうだが、軽い分制動力も余裕あり。

このメモと私の記憶を参考に、今回も書き進めていこう。

見た目について

改めて見ると、ワイドアンドローで、派手過ぎず、それでも速そうで、とてもカッコいい。

「GRでGRを借りに行く」という至福の夜間ドライブ。ドコモショップ加古川店にお邪魔した。

私自身、GRヤリスには大して興味が無かったのだが、ほんの一瞬だけでも自分のクルマとして乗り回す機会を得て、改めて眺めてみると、良いなあと思わされる。

自分の愛車であるプリウスPHVGRと、暫定的に撮った2ショットであるが、GRファミリーのクルマたちの見た目は基本的に派手過ぎず、それでいて個性とスポーツ性をしっかり主張する。

そんな控えめながら野心を隠さないような、大人で遊び心くすぐる見かけが、個人的にはとても好きだ。

まぁこれは個人の主観なので、賛同して頂く必要も、あなたに押し付ける気持ちもない。

軽く受け流してほしい。

グレードについて

ひとつ留意点だ。

残念ながら、このGRヤリスのグレードはRC。ノンターボのFFだ。

RC”Light Package”というグレードも存在するらしいが、ルーフの柄や価格的に、それはないと思う。

ヤリス系統と同じエンジンのM15A-FKSという、1.5リッターの直3だ。

ターボであれば272馬力あるところ、このエンジンはたったの120馬力。

トランスミッションについては、10速の多段式ATとして擬似的に動作可能な、CVTのみの対応となる。

小ネタであるが、このCVT、発進には物理のギアを使うとか…?

まあ気にしないでくれ、ウィキペディアを読み込むのが好きなものでね。

…到着寸前までグレードについてよく調べていなかったので正直がっかりした。

ターボならではの、ブースト圧関連の制御が気になっていたから、なおさらだ。

…だが、ただのヴィッツだかヤリスには見えないだろう?

中身もまるっきり別物だ。

さあ見ていくとしよう…

運転フィール

エンジン

エンジンを始動すると、低回転域では、只者ではないようなドロドロ音が出る。

しかも、うるさくない!!

こういうラリーコースみたいな道を偶然見つけ、走り回ることが出来た。

ヴィッツだかヤリスとは、何もかもが違う。

エンジンだって、一昔前のレーシングカーみたいに、ただドロドロ言うだけでなく、アイドリングの音に、バラつきがあるようにも感じる。

紳士的に静かであり、組み上げとしても緻密であるのに、音と回り方自体は荒い。

静かなアイドリングでも、車内に座っていれば、いまにも暴れだしそうなエンジンの鼓動が伝わってくる。

またアイドリングでアクセルを踏んでいったときの、空ぶかしの音も、聞こえてくる吸気音もカッコいいのだ。

テスラのモデル3を本気で買おうとしている身にも、本能に響いてくる。

そして、瞬間燃費計を見ていると、ハイブリッドかと見間違うレベルで燃費も良い。

アイドリングストップもついていないのに、赤信号を挟んでの街乗りなのに、リッター20を超えるような燃費が出てしまう。

エコなぶん、水温計の温度が中央に来るまでの時間が、暖気の早さに定評のあるトヨタのハイブリッドとしては、やけに長かった。

幸いにも軽さが効いて、動き出しからスイスイと進んでいく。

暖気はじっくり行おう。

紛らわしくてすまない。プリウスPHVGRからヤリスGRを眺める。どちらも感性に響く、最高に良いクルマだ。

さて、いくら車重が1130Kgとはいえ、ノンターボの120馬力では、いちばん気になるのは加速性能であろう。

普通にバカ速いぞ。

そうなのだ、中回転域で、中くらいの開度で回していっただけで、

「こんな加速力では人間のほうが追いつかない」

と思ってしまうレベルで速すぎた。それだけの加速していても、まだ4000回転くらいしか回っていない。

レッドゾーンは6500回転までなのだが、加速が速すぎて、R35を一瞬だけ所有していた私でも、そんなところまでブン回すのは無理だ。

世間的には高回転型エンジンではないのだろうが、レッドゾーンまで伸びていく僅かな時間が、永遠にも感じられる。

低回転域はエコで静かに回るのに、中回転域から、一気に獰猛になって、ついていけないレベルで加速する。

公道でベタ踏みして解き放ってしまったら、どうなるかわからない。

…だが、それだけの加速をしているのに、不思議と危ないとは感じない。

速すぎるのだが、乗り物の動きとして、制御できない領域に行ってしまいそうな不安感は一切ないんだ。

驚異的な軽さと、強すぎる加速力の刺激の中で、その性能を使い切って楽しめるだけの余地も残っているようだ。

ただエコでもなく、ただ元気に回るでもなく、排気量の割にとても高性能で、ノンターボの下位グレードであることを忘れてしまう。

「これがGRヤリスで良いだろ」

そう思ってしまった。

トランスミッション

さっき言った通り、これはCVTだ。

撮影時はブログ化を想定していなかった。夜間撮影による暗さ&ブレは、どうか許して頂きたい。

ただ、変速の動作を工夫することで、擬似的に10速ATとしても動作することができる。

もちろん、ステアリングに搭載したパドルシフトでも操作可能だ。 

ブレブレで申し訳ないが、GRの上質さとワイドさを感じる車内は、「これはいいクルマだ」と座っただけで思わされる。ナビとエアコンがメーカー内流用となっているのはご愛嬌。

変なタイミングでエコ優先の制御をして回転数を下げていってしまうので、ある程度楽しみたいときは、基本的にマニュアルモード固定で走ることになる。

変速は電光石火で、体感的にはDCT並みに速い。

というか、速すぎるせいで、加速だろうが減速だろうが、変速時に前後に揺さぶられる。

もう少し変速は遅くていいから、滑らかに繋ぐ制御をしてくれても良かったのにと思う一方で、トヨタが自動車開発において、どういうコスト管理をしているか考えれば、そんな制御をいちいち詰めないのは、まあ当然なのかもしれない。

MTについてはペーパードライバー化しつつある私でも、「これはマニュアルで操りたい」と思った。

基本的にみんなも、MTを買おう。普通に乗りやすいと思う。

足回り

足回りについてだが、本気のスポーツモデルというだけあって、正直硬い。

特に、アシをしっかりストロークさせて、重さを快適性に変える、PHVGRに乗ってきたものだからなおさらだ。

だが、スポーツ全振りな車種だと考えると、良くできている。

それは、「ポルシェみたいなアシだな」と私が感じた理由にもなる。

また映像からのスクリーンショットだ。まともな素材を用意できず申し訳ない。

ストロークはとても短く、段差の度に体が揺さぶられる。

本格スポーツを感じるハードなアシだが、自然と不快な記憶はなかった。

短いストロークの中ではあるのだが、ショックアブソーバーがしなやかに動いているのを感じられる。

まぁ快適性の上では、軽く角を取る程度の働きしかしてくれないのだが、ダンパーが動くのを感じながら街乗り出来るので、悪いものではない。

ボディー剛性もしっかり高く、動きの収束性と、安定性は抜群だ。

アホみたいにかっ飛ばして行くと、安定性とのマッチングが素晴らしくなる。

深夜の山道を、静かに、それでいて爆速で、安定して駆け抜けることに特化したアシだ。

剛性感と、ストロークの取り方と、硬さの考え方は、ポルシェのボクスターに近いように感じた。

ステアフィール

このクルマは軽すぎる。

900kg台の軽自動車も居る中での1100kg台は、最軽量というわけではないのだが、「芯のある重さ」という言葉をご存知だろうか?

動きはとても低重心で、旋回していっても、ほとんどロールをしない。

最近忘れていた、クルマ好きとしての原点に立ち返らせてくれた一台だった。速すぎる。

フラットな姿勢を保ったまま、軽さ故に果てしなく高いコーナリング限界まで、なんの不安定感も出さず、ドッシリと安定して曲がり続ける。

「限界が無いんじゃないか」

そう感じたレベルで旋回性能は高い。

切ったら切ったぶんだけ曲がるし、どこまで追い込んでいってもシャシーが踏ん張るので、クルマとしての常識を越えているレベルの動きだ。

もはや手足。

そのレベルで意のままに動く。

アンダー傾向もなく、オーバーステアにもならず、ただ与えた操作の通りに、「さすがに無理があるだろ」というコーナリングスピードにも、一切の不安感も出さずにただ対応して来る。

「相当に速いクルマなんだろう」と思っていたが、体感的にはR35を運転していたときの、倍近い「このクルマは速いぞ」感を味わった。

こんなクルマで限界に挑んでたら、シカの飛び出しにはまず対応できない。

ついでにブレーキについてだが、車重が軽いぶんで止まれるが、劇的に制動力が強いわけではなかった。

軽さ優先で、控えめな構成になっているのかもしれない。

このクルマを買ったなら、最低限パッドくらいは変えておきたい。

「兄弟の対面」感が出た一枚。

その他

・ターンイン時に荷重移動がうまくいくと、まるっきり違う動きを見せる。もう一次元上で、スイスイと動いていく。藤原拓海だか、MFゴーストのカナタにでもなった気持ちで突っ込まないと、そのレベルの負荷は与えられないが…

・どういうわけかこのグレードには、ブレーキホールドが付く。普通にハンドブレーキを使えばで良かったと思うんだが…

・サイドに向かって広がっていく形状をしているのと、ドアが盛り上がったような造形をしているので、暗闇の中で、ドアノブがどこにあるのか分からなくなる。

・車線逸脱警報ボタンを押しても、完全オフにできず、ほんの一瞬はみ出しただけでビービー鳴ってうるさい。メーター内の設定を開いても、解除できずじまいだった

まとめ

圧倒的な軽さと、ポルシェのようなソリッド&しなやかな動きで、タイヤの性能をフルに使い切るだけで、リアルMFゴーストが出来るほどの限界性能を持ちつつも、不思議と「手の内に収まってくれる感」が残る。

そういうクルマだった。速いことと軽いことは散々言ったが、個人的に意識したいのが、最後に書いた「手の内に収まってくれる感」だ。

どれだけ速くでも、どこまで追い込んでも、このクルマは人間の制御下に居続ける。

「クルマというより手足」だ。

獰猛に唸るエンジンの音だけが、このクルマをクルマたらしめる。

そんな一台だった…

コメント

  1. キシモト より:

    いつも動画を見させていただいているファンの1人です。
    私も最近ポルシェディーラーに冷やかしにケイマンを見に行き相対的にGRヤリスの完成度の高さを痛感しました。
    2021年式のRCグレード(ボディカラー赤、フルノーマル)であれば私用車ですが用意できるため静岡近辺まで来ていただけるなら動画のネタとして乗っていただけないでしょうか。

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