MFゴーストの放映開始決定で、盛り上がっているトヨタのハチロクに乗っていく。
なお、トヨタのハチロクは、dカーシェア内の「careco」と、Anycaという2つのカーシェアサービスにてレンタル可能だ。
また、当記事はYouTubeに投稿した動画のリライトになるため、主に画像素材の豊富さや、投稿主の記憶の鮮明さに欠ける場面がある。私は現86オーナーなのだが、私生活が多忙ゆえ、乗れていなくてね…
試乗車のスペックについて
私が今回こだわったのは、「初期型であること」と、「ボディーカラーが赤」であることだ。
例により、グーネットの年式&グレード別スペック紹介ページより、主要諸元を抜粋して紹介する。なお、この86は、オートマのGTグレードだ。
- 新車価格は287万円
- 車重は1250kg
- 前後長4240mm,横幅1775mm,全高1300mm
- エンジンは水平対向四気筒の2リッター自然吸気
- 200馬力&205Nmの最大トルク
- 最小旋回半径は5.4m
- 6MTのFR
実走行インプレッション開始
スポーツカーらしく窮屈さが隠せないが、もともと控えめな車体サイズに収まっていることもあり、普通に運転できる。クリーピングで大きく前に出るのが注意点だ。
2ペダルMTとしての制御になっており、クリーピングの際の低音の唸りが気持ちいい。
乗り心地について
実は後期型のほうが、乗り心地は悪いのだが、普通に硬い。
軽い、低価格のクルマあるあるの、段差でバッタンバッタン跳ねて、アシを硬めさせて強引に安定させているようなアシだ。
だが、サーキット専用車みたいな硬さになっていた後期型とは異なり、ダルさがちょうどいい。
大半のユーザーが街乗りレベルでしか乗らず、ハード走行をするようなユーザーは車高調を買って入れる。そんなスポーツカーに、なぜここまで硬いアシを純正で放り込むのか、私には理解できない。
プリウスPHVやクラウン、アルファードのような、アシをしっかりとストロークさせて優雅に舞うような乗り心地も、やろうと思えば実限出来ただろうに。
エンジン・動力性能について
巷では遅いと言われているようだが、普通に速い。
元が軽いのと、車重が1.2トンしかない割に、高回転域で200馬力も出るだけに、ぶっ飛ぶようにも感じられる加速だ。
ただ個人的にはこの加速感というかトルク特性、危ないと思う。
高回転域になればなるほど、加速は鋭くなっていくし、公道でベタ踏みする上で、レッドゾーンに当たるまでの所要時間は果てしなく長く感じる。
MFゴーストや頭文字Dに憧れた未成熟男児がとりあえずベタ踏みするには、このクルマの加速力はぶっ飛びすぎている。
ステアフィールについて
しっかりスポーツカーとして作られており、タイヤの重さ(?)を感じられるステアフィールだ。
切っていくとすぐロールが収束する。
だが個人的にはこのロール収束、早すぎるように思う。後期型よりはマシになっているのだが、荷重移動を作るスキさえ与えてもらえないほど、ゼロロールで切り込んでいく。
軽さゆえ、果てしなくコーナリング限界が高いだけに、荷重移動で曲がっていけるようなスピードレンジには、公道では常識的に到達できない。
「ダルさ」について
この86、幾つか致命的な弱点が存在する。
個人的にいちばんだと思うのが、シャシーの造りの甘さだ。
段差を超えた際、タイヤが暴れるような動きをすることがある。
これはおそらく、メンバーとメインフレームが、量産性を意識したのか、ゴムブッシュを介して締結されているからだ。ほかにも、足回りのアームやゴムブッシュの配置が、動きをあえてダルくさせるように配置されているという話も聞いたことがある。
初心者向けに、また、素直な動きの実現のために、さらに言えば製造コスト削減のために、あえてダルくしているのだろうか。
「安さ」について
残念だが、ハチロクというのは「安いクルマ」だ。
これは主に、開発コスト、シャシーに掛かったカネという意味での安さだ。
クラウンと乗り比べてみると良い。組付けや剛性感、素性の良い動きの違いに絶望するだろう。
「若者が買える価格でスポーツカーを作る。しかも、MR-Sのような寄せ集めにはしない」という無理難題を乗り越え、よくぞこの値段で出してくれた。
「ハチロクは安っぽい」というのは間違った指摘なのだ。
「安い価格で、スポーツカーとして楽しめるようにパッケージングした」という、開発陣の努力を褒め称えつつ、不満が出るなら自分でカネを出して強化していく。そういうクルマなのだ。
車体の小ささや車重の軽さ、アフターパーツの豊富さ、なによりも本体価格ゆえの、手に入れ安さ。
みなさんもベースとして、いかがだろうか?
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