ライフワークであるカーシェア自動車評論シリーズ、今回はずっと気になっていた、あおり運転でも悪名高いBMWのSUVである、X1だ。
なお今回のクルマは、「カリテコ」というサービスにて、名古屋エリアで唯一取り扱いがある、大曽根駅付近のステーションにて借りた。
dカーシェアなら、「カリテコ」を含む、5つのカーシェアサービスを1回の登録作業のみで利用できるため、お勧めする。
試乗メモ
定番の試乗後メモの時間だ。
今回はあまり多くを書いていない。
エンジンは静かに回り、組み付け精度の高さを予感させる。
バネ下が精一杯動き、あまり衝撃がフレームに入ってこないので快適。
ロール自体は大きいし、旋回中盤は前が重たいような旋回フィール。
高重心である割には頑張っているが、それゆえの怖さが残る。
背が高いのに強引に曲げようとしても、物理的に無理があることはどうにもならない。
ハンドルは軽くクイックだが、ダイレクト感はあまりなく不安定な感じ。
トルクでガンガン伸びていく。パワーは特に無い。
内装の安っぽさがひどい。特に、スイッチやダイヤ類の質感の低さ。ライティングで誤魔化しているが、ソフトパットも使われていない。
このメモの長さと、試乗体験に対する印象の深さには、関係があるかもしれない・・・
グレード・スペックについて
今回のX1は、F48型という、2015年以降の2世代目となるらしい。
グレードは、wikipediaでリサーチした限りでは、新車価格が約400万円である「sDrive18i」だ。
概要を箇条書きでメモさせて頂く。
- 1.5Lの直3ガソリンターボで、136馬力の、約224Nm
- 前輪駆動
- トランスミッションは6速AT
- 前後長は4455mm、横幅は1820mm、全高は1610ミリ
- 車重は1520kg
- 最小旋回半径は5.4m
外観のデザインについて
写真を1枚しか撮っていなかったので再掲となるが、「スタイリッシュでかっこいい」と思う。
特にヘッドライト内部のBMWらしいイカリングが、精悍な顔つきを実限している。
400万円の新車価格は、高くもなく安くもなく。
手の届きやすいBMWとして、非常に良いところを突いてきたと思う。
内装のショボさについて
ひどい。安っぽすぎる。
パッと見は美しいのだ。
ドアにまでライティングが入り、感動の車内空間であるようにも感じる。
だが、車内に座り込んで、各部の素材や造り込みに目を向けるとひどい。
特にスイッチ類の感触が安っぽすぎる。
素材がプラスチックであるだけでなく、操作感もグニャグニャというか、アマゾンの中華製品レベルで造りがちゃちい。
エアコンの操作ダイヤルだって、回していっても重さやカチカチ感は無い。
新車価格100万円台の、最廉価グレードのエアコン操作ダイヤルよりひどい。
ライティングは粉飾に一役買っているが、新車価格で400万円も取っているクセに、ソフトパッド素材も使われていない。
いくらパラメータを走りに振っていると言っても、コレは酷すぎる。
こんなのに乗ってる人が「国産車は内装が安っぽい」とか「軽自動車とかwwww」とかネットに書いてると思うと、笑えて来るのを通り越して、みすぼらしくなって泣けてくる。
見栄張りがひどすぎる。
トヨタがクラウンを400万円で出していると考えると、個人的にはこのBMWのX1が、クラウンに勝っている要素を見つけることができなかった。
100万円くらいブランド量がてら利益を取ってから、残ったカネで目に見えるところだけ貧乏人向けに適当に粉飾して、見た目だけBMWファミリーに紛れ込ませた。
そのレベルでひどい。
そもそもBMWのSUVとか、存在価値が分からないものだ。
BMWが出すSUVは、比較的スポーティー要素に優れると、海外のユーチューバーは言うが、果たしてどうだろうか、これから確かめるとしよう。
実走インプレッション
実は、あんまり印象が無かったのだが、頑張って思い出して、なんとか書き記していく。
エンジン
ここは最低限、高級車している。
始動した瞬間から静かで、組付け精度が高い回り方をする。
だが、レクサスほどでは無く、マツダレベルだ。
別に世間で思われているBMWのイメージほど、劇的に良いわけではない。
おそらくこのクルマだかこのエンジンだかこのグレード、BMW的には「エコカー」として作ってあるんだろう。
トルク型になっているようで、低回転域からグイグイと引っ張ってくれるため、街乗りしている限りでは、トルク不足を感じる場面はない。
だが、強く踏んで言っても、全然速くない。だが、最廉価グレードなんてそんなモノだろう。
BMWを名乗る割には性能が少々ショボい気はするが、経済的にSUVに乗りたいなら、普通に良いと思う。エンジンの制御としても、エコを強く意識しているようだ。
この記事では省くが、アイドリングストップに留まらず、燃料や駆動力をカットしたまま転がす時間を取ったり、オルタネーターを回生ブレーキに用いたりして、燃費の最大化を図っている様子。
エコプロモード、コンフォートモード、スポーツモードが選べるが、コンフォートモード以下では、トルクを使ってダラダラ引き伸ばすことを優先しているようで、ぜんぜん加速していかない。
踏んでいきたいときはスポーツモード一択だ。
乗り心地について
ほどほどに良い。長距離もこなせるレベルだ。
ステーションの縁石からガツンと降りたとき、レクサスのNX同様、ショックアブソーバーが、しなやかに大きく動くのを感じ取れた。
大きめの容量をダンパーに与え、バネ下をしっかりと動かすことで、ボディーに衝撃を入れないようにしている。また、フレームに入ってきた衝撃も、僅かに車体を持ち上げさせることで、クッションをもう一層挟んでいるかのような乗り心地だ。
だが、私のプリウスPHVGRのほうが、むしろ快適だった…
ステアフィールについて
正直、「駆け抜ける喜び」のBMWとして見ると、イマイチだった。
「クルマに疎い、BMWの名前に釣られてきた一般人を騙してるだけ」といった感じ。
ハンドルは軽く、クイックさがあるが、ロールも抑えておらず、大きく傾いてしまうため、スポーティーな感触は全く無い。
これなら普通の、GR系ではないトヨタ車のほうが、まだスポーツしている。
旋回中の動きとしては、個人的にはアルファードに近いと感じた。
高重心感があり、その割には踏ん張っているんだが、旋回の中盤以降に、前が重たいような曲がり方をする。また、急に段差を越えたり、遠心力がタイヤの限界スレスレに漸近していくと、一気に怖くなる。
こんな動きでBMWを名乗らないで欲しい。自分で自己ブランド毀損をしているレベルだ。
その他
言っちゃ悪いが、わざわざブログで描きたいと思うほどのことがない。
動画化したら、その場その場でなにか語っていくことにする。
まとめ
ちょくちょく書いてきたが、
コストダウンが酷すぎる、「BMW」という名前だけ欲しい人に適当に売りつけるためのボッタクリ商品
といった完成度だった。
この価格帯の高級外車ブランドは、ひどいものが多すぎる。
正直、ふつうに国産車に負けている。
人間の意地悪な見栄張り虚栄心だけで、ぼったくって生き残っているだけだし、なんなら低価格帯商品のほうが、内外装の見かけの粉飾だけで車両開発が完了するぶん、自動車メーカーは儲けているんじゃないかと思うほど。
良い評価ができなかったが、動画はBMWのシステムを活かして、面白いものにできると思っている。
…まともなSUVを作っているのは、トヨタ社だけなのか
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