Anycaというカーシェアサービスにて、主に東京エリアに配備されている幻のクルマが存在する。

ヒュンダイの「NEXO(ネッソ)」という一台だ。
今回は私が試乗した上で、その実態を確かめてきたのでレポートしていく。
なおこの記事はYouTube動画のまとめ直しとなる。
ちなみにこのネッソ、新車価格はまさかの776万円だ。
見かけに反して高いように思うが、その乗り味からは納得させられる。
外観について
日本刀のように精悍なラインと、どこか笑っているような顔つきに、まるっこい車体。

親しみやすいデザインをしているが、日本で見るヒュンダイというのは異様だ。
リアに回ると、丸っこくて可愛い姿をしている。私はこのデザイン、悪くないと思う。

まあ700万円級のクルマのデザインには見えないが。
内装について
新車価格に納得するほど良い。

世界水準レベルの最高なる癒やしの空間だ。
特徴的なのが、平面だけで構成されるセンターコンソールだろう。

運転手側にはシフトのボタン。

中段にはエアコンやシートヒーター類、その他、ナビやオーディオのコントロールなどが備わる。
どことなくレクサスのパクりっぽいのだが、見なかったことにしておこう。

試乗車のスペックについて
グレードについてよく分かっていないが、とりあえずヒュンダイ公式サイトから引用する。
- 車体サイズは4,670 × 1,860 × 1,640mm
- 車両重量は1870kg
- 最小旋回半径は5.68m
- 最高速度は179km/h
- モーターの最大出力は163馬力
- モーターの最大トルクは395Nm
- タイヤサイズは前後とも「245 / 45R19」
実走行インプレッション開始
運転してみて思うのだが、シフトボタンが使いづらい…
ボタン式になっているのだが、慣れるまではどこを押せば良いのか迷ってしまう。

もう1つ気になる点として、カーナビが存在しないのだ。
センター画面はパソコンのロック画面のような表示飲み。
右フロントに置いてある社外製カーナビをメインで使えということになっている。
地図が日本に対応していないのか?
IONIQ5の時は、カーナビもウインカースティックも、最適化されていたのに…
また、そもそもの車体サイズが大柄であるため、狭いところで窮屈だ。
SUVゆえの視点の高さや、たいへん親切なカメラシステムのお陰で、乗りやすいものではある。
ただ、物理的にデカいものはデカい点に留意だ。

パワートレインについて
さて、流石は水素だ。動き出しから虜になるレベルで滑らかに発進する。
さっき言った通り狭いところでは辛いが、そもそも視点が高いため、運転はしやすい。

格が違う高級車みたいに豪勢な車内空間をしているのに、買い物用軽自動車みたいな感覚で乗れてしまうのだ。
この高級感と乗りやすさのギャップは、NEXOというクルマをたいへん新鮮かつ好印象に感じさせるポイントであった。
なお、加速性能については、走り出しはモータートルクを活かして鋭さを感じさせるが、すぐ重量&出力相応なレベルに落ち着いてしまう。
テスラやタイカンのような爆速EVが多数出てきた中では、明らかに出力不足だ。
ハンドリングについて
乗りやすさを重視した車種だからだろう。ダイレクト感は特に無い。
軽いとば聞こえは良いというか実際そうなのだが、スカスカ感は拭えない。
乗り心地について
車高が上げられているぶんを適切に乗り心地に還元できている。
車内の広さ、視点の高さ、内装の高給さに豊富な空調系設備と合わせて、かなり快適に移動することが可能だ。
まとめ
パソコンがあまりにも重いので、強引だがまとめに入らせていただく。
親しみやすい外観に、高級を極めた内装。それでいて乗りやすい。
補助金適応前提の価格設定だろうが、運転フィーリングの良さと乗りやすさの前に、あまり割高だとは感じない一台だった。
まぁ日本にはMIRAIがあるので、水素インフラも貧弱ななか、買う理由を見出すのは難しいが。