【リーフnismo】本格仕立てだがまだ過激さが足りない【試乗インプレッション】【2020年のマイチェン後モデル】#102台目

試乗インプレッション
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リーフnismoは2020年モデル以降、ステアリングレシオやショックアブソーバーの減衰設定が改められた。

日産の傑作コンパクトEVのnismoモデルがどの程度の実力を発揮してくれるのか期待して乗っていくが、これは裏切られることとなる。

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冒頭のまとめ

通常モデルよりクイックになったステアリングレシオや多すぎた上下動を抑え込んだショックアブソーバー、強化されたボディ剛性や本格派のシートによりスポーツモデルらしさは充分。

足回りのストロークのみ揺れを吸収してフレームを揺らさないスタイルは硬派のスポーツモデルそのものだが、しんどい衝撃が入ってくるため段差を超えた際の乗り心地は悪い。

ハンドリングについては切り始めから前を沈めた安定した姿勢のままクイックに曲がっていく。

EVセダンには及ばないがスムーズかつニュートラルな気持ちの良い旋回フィールで、身軽さが活きて俊敏に旋回できる。

また加速力についてもベースモデルから強化されておらず、ただアクセル開度に対する加速力の出方をクイックに振ったのみ。

300馬力オーバーのハイパワーEVを知っている身には物足りなかった

シャシー性能自体は高速道路を気持ちよく飛ばすのに最適なのに、モーターパワーもバッテリー容量も電池の冷却性能も足りないのである。

外観

ホイールがスタッドレスタイヤに変更されていることもあり、思っていたよりは質素な外観である。

外観の過激さが欲しいなら、純正ホイールと黒いボンネットステッカーは貼りたいものだ。

新しい型のリーフは日産エンブレムが光るが、nismoは採用しているパーツの都合か違うらしい。

デイライト上部のバンパーの張り出したがカッコ良い。

実物を斜め後ろから見ると、思っていたよりシンプルだ。

純正ホイールの恩恵って大きかったんだなぁ…

塗装はキラキラ感がある上質なもの。

個人的には車体下部に赤いラインを入れるのは好きでないが、実物は赤いラインの中にもラメが入っているため輝いて見える。

ドアを開けるとブルーのLEDマーカーが表示される。これは約3万円のオプションだ。

内装

新車価格は約460万円と安くないが、悪くない質感と高揚感が感じ入られる車内空間に仕立てられている。以前乗った下位グレードとは大きな違いだ。

スカッフプレートのnismoの文字が光る点もうれしい。

フロアマットもnismo専用。

ステアリングも赤いステッチやセンターマーカーが入って一気にスポーティーになる。カッチリ感もある上に

ヒーター付きだ。

内装は各部に専用の装飾が加わるが、パッと変えられるところを色だけ変えた感が否めない。

このパネルも変えてくれたらよかったのにと思うところが多い。

ちなみにクルーズコントロールにレーンキープ機能はない。

技術の日産という売り文句で10年前のEVを未だに売っているクセに、460万円も出して標準装備じゃないのか…

シートについて

私が借りたカーシェアの個体には、なぜかオプションの「NISMO専用チューニングRECARO製スポーツシート」が付いていた。

37万円という高額オプションである。

しかしこのシート、リクライニングが面倒すぎホールド性のメリットよりリクライニングのダルさが勝る

見た目としては良いが、使い勝手が劣悪となるため個人的にはこのオプションシートは勧めない。

純正シートは手動だがリクライニングはワンタッチだ。

出典:https://kakakumag.com/car/?id=12704s

試乗車のスペック・価格など

2021年式のnismoだ。2020年のタイミングで年次改良が入ったためその後のモデルである。

新車価格は420~460万円ほど。

私の乗った個体には多くのオプションが装着されていたため、支払総額は500万円を超えている可能性がある。シートだけで+37万円だ。

バッテリー容量は40kwh.

リーフには60kwhモデルのe+があるが、nismoでは60kwhが選べない

nismoで60kwhのモデルがあったら買ってたかもしれないんだけどなぁ…

公式サイトの諸元表を貼り付けておく。

https://www-asia.nissan-cdn.net/content/dam/Nissan/jp/vehicles/leaf/2409/pdf/leaf_nismo_specsheet.pdf?adobe_mc=MCMID%3D09712715808297327123904281987943709936%7CMCORGID%3D0BCEE1CE543D41F50A4C98A5%2540AdobeOrg%7CTS%3D1741236086

実走行インプレッション

取り回し

通常モデルのリーフと何も変わらないコンパクトサイズと小回りで良好な取り回しを誇る。

これに加えてアラウンドビューモニターやクリアランスソナーまで装備される。

(アラウンドビューモニターは闇夜の中では暗すぎてなんの役にも立たないが、元のサイズ感が良好なためこの手のアシスト装備は要らないかな…)

乗り心地

ちょっと上下に動きすぎていた通常型とはことなり、しっかり引き締められている。

ボディ剛性にも強化が入っているのを感じるが、元が足りないところを強引に強化した感がある。

左側だけマンホールに落ちた場面では、上下への動きはショックアブソーバーの部分だけで消している。

しかし揺れ自体が消えても、ゴツンとという叩きつけるような衝撃は残って身体に入ってくるためその手の段差を越えるたびにしんどい衝撃を受けることとなる。

ある程度のアシのストロークを残すが、このせいで乗り心地には難ありという評価となる。

ハンドリング

ステアリングラジオの変更はゆったり流していても感じ取れる。

少し動かすだけでクルマの姿勢がクイックに変わる。ロードスターほど過激でないのもいい。

アウト側のフロントをしっかりと押し潰して、前下がりの安定した姿勢を持続させながら曲がっていく。

クセのないニュートラルな旋回フィールだが、残念ながらセダンタイプには及んでいない。

ロールの傾きはそこそこあるが、一旦ピシッと安定させればコンパクトな車体が活きてコーナリング限界はかなり高い。

パワートレイン

所詮は150馬力に320Nmである。

爆速EVに乗り慣れている私には過激さが足りないと感じた。

踏み始めからの出足はコンピュータ制御で強化してあるが、7割もアクセルを踏めばあんまりベタ踏みと変化がない。

しかしタイヤから常に悲鳴が聞こえる乗り味は独特だ。

スタッドレスタイヤの特性にもよるだろうが、ゴーという悲鳴が聞こえてくる。

洞窟の中で聞こえたら暗闇に連れ去られて生還できなさそうな音だ。

旋回中にベタ踏みすると前輪駆動ながらクルマ全体が滑り出しそうな錯覚を覚える。

そんな動きやタイヤの轟音を前に瞳孔がガン開きになる。

高速安定性

タイヤハウスの付近から大きな風切り音こそ聞こえてくるが、高速性能は高い。

下道ではゴツかった足回りもいい具合にストロークしてくれるようになり、段差を越えた際の入力もダンパーだけで消してくれるほど。

風に煽られる感じもほとんどない。

スピードを出していても安全に気持ちよく走れるというか、高速道路を気持ちよく飛ばすためのクルマであることを感じられる。

電費は相応に落ちるが、コンパクトさが効いているのか特段とは悪化しない。

加速力も気持ちよく伸び続けてくれる。

これだけ高速道路を気持ちよく走れるのに、バッテリー容量が40kwhしかない上に電池が空冷であるため長旅では熱ダレが起きてしまうという点が残念でならない。

加速力もバッテリー容量も電池の冷却性能も足りないのだ。

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