琵琶湖周辺で「夜景が綺麗なスポット」として紹介されていたのが、猪子山である。
山道を少しだけ登った先にある「北向岩屋十一面観音駐車場」にクルマを停めて、少し歩くとたどり着けると思ったのだが、実際は地獄だった。
このちょっと急なだけに見える180°ターン。
ここで身動きが取れなくなったのだ。
登ろうとしたところ唐突にトラクションコントロールが作動し、タイヤが空転して登れなくなった。
おそらくクルマの前後長が長いせいで、バンパーの先端が引っかかってしまってフロントタイヤが空転したのだろう。
ノーマルから僅かにローダウンされた程度のプリウスPHVGRで、まさか亀るところがあるとは思わなかった。
坂道発進アシストがあっても、サイドブレーキで停めてもズルズルクルマが動き出しそうな恐怖感のなか、なんとか通行を妨害しない位置に停めて、徒歩で向かうことにした。
その場所から頂上まで、GoogleMapでは「16分かかるよ」と言っている。
私はテンポよく歩いて行ったため、撮影時刻ベースで13分で頂上までたどり着いた。
しかしこの登り坂だ。ヤリスクロス・ジムニーのようなコンパクトSUVでないと、まずたどり着けないだろう。
GoogleMapの写真にはベンツのセダンで登った人の画像があったが、どうやったんだ・・・
さて駐車スペースに到着。24時間封鎖されることなく開いていて、初日の出やイベントでもなければ駐車で困ることは無さそうな収容台数がある。
ここから、想像の何倍も何倍も過酷な山登りが始まる。
まず下から見上げただけでも、天空まで無限に続いているように見えるほどだ。
かなり勾配がキツく、一歩一歩が非常に重たく感じる。
数十段で足に乳酸が貯まる疲労感でしんどくなり、秋の深夜の寒さに合わせた防寒着が暑く感じてくる。
登り始めた時に見えた中で、いちばん遠くまでなんとか登ってきても、そこからに上を見ると、また永遠に続くように見える。
何回「引き返して出直そう」と思ったことか・・・
吐きそうになりながら、蜘蛛の巣に何度か引っかかりながら、なんとか頂上に来た。
琵琶湖周辺の平野部の夜景が、そこそこ遠くまで広がる。
方向感覚が狂ってしまいそうだが、こっち側が琵琶湖。
なお夜間の琵琶湖はただ真っ暗なだけで、水面の真横をクルマで走っていてもなにも見えない。
スマホで見ると結構綺麗だが、実はこのレベルの夜景、クルマで走りながらでも見られる場所は多い。
苦労に見合っていないと感じてしまった・・・