富山駅から車で30分、昔ながらの帆船である海王丸が展示されているのが海王丸パーク。
冒頭のまとめ
海王丸は船乗りを育てるための教習船として建造されたエンジン付きの帆船で、生涯で1万人以上を育て上げたらしい。
40メートルを超える高さのマスト。
昭和のブラック企業感あふれる、根性が問われそうな職場環境。
船員たちの生活環境などが実際に体験できる船だ。
乗船してみた
海王丸の入場料は400円。おそらく現金オンリーだ。
急な階段を登って真っ先にブリッジに入る。
レーダーや舵、コンパスなどの各種計器類が置かれているので
個人的に気になったのがこれ。廃棄物について書かれた表だ。
プラスチックごみの廃棄は一切禁じられている一方、金属片は捨てて良いことになっている。
領海から一定距離以上離れると規制が緩くなるようだ。例えば食べ終わったバナナの皮は全て自然に還るものだが、領海の近くならサイコロサイズにまで切り刻まないと捨てられない。
錨を巻き取る設備。チェーンのコマを持ち上げることができるが、一個だけで腰が壊れそうな重量だった。
さきほども載せた写真。船員たちの力仕事っぷりが白黒ながらに見て取れる。
船員たちの部屋。プライベート空間なんでものはない。二段ベッドの上が唯一の個人スペース。
機関室にも通して貰える。パイピングや機械がゴチャゴチャしており何が何だかヨクワカラン。
バルブが並んだ空間がある。どれが何をするバルブなのか知らないといけないと考えると骨が折れそうである。
船内の診療所。盲腸の手術をしたこともあるようだ。
一応は営業時間が定められているが、ただし急患はこの限りにあらずと書かれている。プライベートなんて無いのだ。
恋人の聖地ルームがあり、名前を書いた南京錠が括り付けられている。私が確認した中で最も古いものは2005年だった。足元が非常に険しくあちこち窮屈で、周辺にも大したものはないので海王丸が良いデートスポットだとはあまり思わないのだが…
炊事場。
約10人で200人分の食事を作っていたらしい。夜食があるので1日4食。それが航海ある限り永遠に続く。なお余りにも揺れが酷いと仕事にならなかったようで、そういう場合は非常食・缶詰やおにぎりを作っていたとか。
図書館、食堂、講義室、パーティールームなどを兼ねていた部屋。
奥の棚の蔵書は図書館感覚で閲覧することが出来る。お堅い古典的な本から専門書まで揃っている。
ここが船長室。眠っている最中にも叩き起こされることが結構ある仕事だ。
船長室の隣に浴室がある。
事務仕事をする人たちもいる。ただ港に出入りするだけでなく国境もまたぐため、書類仕事は本当に大変であったようだ。
50分くらい滞在した。
ボランティアについて
船内の随所でボランティアの募集や展示が行われている。
なぜ入場料を取っているのに給料を払わないんだ..
ここでは参加者の名前が掲示されている。
一室を貸し切ってまるまる募集ルームにしている。
ビデオも流れていたが、最近の若いモンは時給2000円でもあんまりやりたくないような重労働。命綱無しでマストに登っているシーンもあった。
これだけの施設で入館料をたったの400円しか取らず、運営は無賃労働のボランティアに頼る。
日本人の給料が上がらない原因ってこういう意識にもあるだろ。
海王丸パークのその他施設
その他と言うほどではないが海側には展望台がある。
放置気味な自販機があり、真夏にしか売って無いようなトロピカルジュースが買えた。
焼き芋の自販機。