今回紹介していくのは、伊吹山を「グランスノー奥伊吹」まで登っていくルートだ。
諏訪湖と関ケ原の合間に位置する立地で、基本的には登って降りるだけだが景色と道が最高なのだ。
さっそく始めていこう。
ちなみに、この道から数分で行けるところに、こんな写真が撮れるスポットがある。
パンクのリスクはあるが、ついでに寄るのもアリだろう。
スタート地点は「道の駅 伊吹の里 旬彩の森」だ。
個人的にオススメなのが、施設の二階に入ると奥の方にある、このちょっとめずらしい自販機だ。
その隣では、この伊吹山の絶景が味わえる。
名古屋からは1時間と掛からずに来られるはずだが、軽井沢のようなグンマー帝国的大自然。
ここをこれから登っていくのだ。天気も良く、曇りのお陰で暑くもない、最高のオープンカー日和である。
しかし今回はロードスターではなく、あえてプリウスPHV GRで来た。
長旅に乗っていくには窮屈さや不自由感が目立つロードスターに対し、GRのプリウスはツアラー的な要素すらも持つGTカーだ。
持ち前のハンドリングのお陰で、ワインディングも適切な荷重移動でしっかり楽しめる。
普段は避けている甘いドリンクを調達し、さあ出発していこうではないか。
出発してすぐは、左手に川が広がる。
ちょうど良い色のmazda3とすれ違った。
左手には川のせせらぎ、右奥には崇高なる伊吹山。
道は軽快な白点線で、気分と共に高度を上げていくのだ。
なお、住宅地を続々と抜けていくようなルートなので、スピードも排気音も、常識的な範囲で楽しんで欲しい。この道は最高の走り心地だが、人間の文明から離れたものではないのだ。
次々と表情を変える景色は素晴らしいものだ。
そのまま左カーブになっていく。昼間に来ると一面の緑を味わえて、たいへん良い気分である。
ちょっと進むと長い直線区間。速度の乗り過ぎに注意。地元民もかなりのスピードで走っていそうだが、知多半島や渥美半島とは違って、深夜帯でもそういう人とは遭遇していない。
ちょっと気持ちの良い直線が続いたと思ったら、いきなりそこそこの急カーブが来るので油断はできない。荷重移動と丁寧なドライビングの練習に、これがまた良いのだ。
右へ左へ。車線幅もコーナーの形状も、見通しも道路脇の環境も、全てがドライビングの練習にうってつけだ。
奥に広がる山も素晴らしいものだ。ゲームのマップみたいな景色である。
もちろん窓を開けているだけで、気温にはよるが最高に涼しい風が吹き込んでくる。
もしかして花粉飛んでる・・・?
鼻がむずむずしたのだが、松の木が生えているのか?
気のせいだろうか、木のせいだろうか。
この道の頂上にあるのはスキー場だ。チェーン脱着広場も存在する。
なにもないのは分かっているのだが寄りたくなる。
向かいの車屋さんの、積載車置き場となっているようだ。
郊外をドライブしているとよく見る、そこそこ高いけど廃墟っぽい、何に使われていたのか良くわからない建物。
そしてまた一気に開けた。
ここは北海道では無いぞ。琵琶湖から車で30分掛からず来られるところだ。
ハイジの日本版があるなら、ここらへんの集落が聖地になっていてもおかしくない。
スピードが乗りやすいので、この左カーブも丁寧に入る。
ここで橋を渡る。コーナー出口まで丁寧に抜けていきたいものだ。
ちょっと進むと道路脇がとつぜん住宅になる。
人も住んでいるようで、恐怖心を感じながら慎重に抜けることになるだろ。
そこを過ぎると一気に景色が変わる。
左には工事された崖。このクネクネを高速で抜けていくのだ。
今度は右手に川を見ながら、ターンしつつ標高を上げていく。
そこそこ登ってきたはずなのだが、まだ集落がある。上下水道はどうなっているのだろうか。
さすがに井戸水かな?
また長い長い直線だ。
奥の方で右手前にカーブしながら登って行ってるのが見えるだろうか?
ここからさらに、道は表情を変えていく。
奥のワンボックスが膨らんできてビビった。
下り坂+奥に行くに連れて急になるカーブは、途中でタイヤグリップを前後に使って減速する場面を設けると、丁寧にクリアできるので覚えておこう。
バイクなら車体を起こすイメージ。
ここから先は、トンネルを駆使して一気に標高を上げる。
トンネル出口をノーウイカー右折。さすがの度胸である。
このあたりは姉川ダムやら曲谷ダムやら、展望台が入り乱れている。
そこを抜けるとこの道の中でもっとっも幻想的なエリアに入る。
森の間の平原に、奥へと伸びていく直線。
天国へと登っていくような気分になる。少なくとも、琵琶湖色がたいへん強い滋賀県の景色とは思えない。
群馬のどこ? 軽井沢の北の方? 榛名山の北西???
そう思ってしまう。
こんな写真も撮れるぞ。しかも路肩のスペースに入れるので、他人に迷惑をかけない。
もう少し道は続いていく。
もうすぐ頂上なのに、驚くことにまだ集落があるのだ。
「甲津原交流センター」という施設の脇を通る。
そのとなりには「奥伊吹ふるさと伝承館」があり、蕎麦やスイーツが楽しめるらしい。
いつか来てみたいものだ。本当に来てみたい。
諏訪湖のクルーズ船と知多半島の旅館と共に、本当に本当に来てみたいスポットなのだ。
もう少し進むと幅員減少の標識が出て、センターラインは消える。
最後のセクションに入った。
対向車への警戒こそ必要だが、道幅充分で見通しも良く、軽快なウネウネ道としてヒルクライムを味わえる。路面状態は悪いが、そこまで含めて楽しめるぞ。
対向車や歩行者への思いやりとの両立が求められる。
さて、ついに到着、グランスノー奥伊吹の看板だ。
近くで。
ちょっとだけ登ると見えてきた。古びたゲートだ。
ここを越えるとグランスノー奥伊吹に入れる。
どうやら駐車場を、ドリフトやイベントの会場としてレンタルできるらしいぞ。
ここでD1グランプリも開催されたらしい。
私は理由なく立ち入ることはせず、ここで引き返そうと思う。
目的地への到着だ。たしか現役のスキー場であるが、ゲートには良い趣がある。
程よく錆びている。
なんか蜂の巣があるんだが、見なかったことにしておこう…
なお、地図を拡大すると、どこかしらへと繋がっている印象を受ける。
しかし、特にオンロードカーで来たなら、帰りも同じ道を下っていくことになるだろう。
ぜひ来て欲しい道であった。