テスラが日本で受け入れられない理由

クルマ・バイク

100台以上のクルマを乗り比べ、実際にEVを借りての長距離ドライブも複数回経験している私が「日本でテスラは受け入れられないだろう」と思っている理由を述べていきます。

私にとってテスラのモデル3は、3本指に入るほど好きなクルマです。

完璧なるニュートラルステアとモータートルクがもたらす速さ。高い次元で両立された快適性、肌触りの良さは実物を体験した者にしか分かりません。

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そもそも使い方がワカラン

100台を超えるクルマを乗り比べている私でさえ、初見でテスラを借りると混乱します。

操作系に関する動画を一本作ってしまうレベル。

初見じゃ理解不能!スティックが4本あるテスラのモデルXの乗り方

慣れれば問題ないのですが、YouTubeで解説動画を見ている程度では「よし買おう」とはなりません。

イメージが悪い

EVのイメージも、イーロンマスクのイメージも現状悪いです。

インターネットの論調とEV批判の相性が良いだけなのかもしれませんが、ネットの評判を見て「テスラに乗りたい」と思う人は居ません。

信頼性とアフターサービスの懸念+感覚に合わない

テスラにはディーラーネットワークがありますが、必要最小限でありアテになりません。

元々の品質に対する懸念もあり、何かあった際の心配がのしかかります。

サービスセンターの対応が〇〇(規制ワード)という話も聞きます。

そもそもEVがムズい

出先の充電について

テスラにはスーパーチャージャーネットワークがあり、たどり着けない距離をカーナビにセットすると「このスーパーチャジャーに〇〇分寄って〇〇%まで充電してください」「目的地には〇〇%の電池残量で到着する見込みです」などと教えてくれる機能があります。

しかしスーパーチャージャーネットワーク自体が少なく、チャデモアダプタでの充電や出先での普通充電を使いながら補っていく形となります。

このようにEVで充電が必要なドライブを行う際は電費計算が必要ですが、これが初心者にはたいへん難しいのです。

やっていることは小学生レベルの計算なのですが、考えるべき変数が多すぎます。

また充電ステーションが埋まっていたり故障していたりして予定通り充電できないことも多いため、計画通り行かない前提の計画を立てる必要があるのです。

一日何時間もスマホで無駄にしている現代人が、読書や休憩,散策などで有意義に使えるドライブ中の充電時間の消費を過剰に嫌う理由は理解に苦しみますが…

自宅の充電について

自宅で充電できる環境がないとEVの所有は現実的ではありません。

ネットでは「自宅で充電できなくても何とかなる」という声を聞きますが、こんなもの真に受けないでください。

私のように、数日に一回、1~2時間ほど川沿いの公園にクルマを停めて車内で読書するような暇人か、車内で仕事できるタイプの人間でないとやっていけません。

本体が高いクセに見栄にならない

そもそもテスラは高いです。

モデル3のベースモデルでさえ新車価格は500万円を超えます。

買おうと思っていても、資金的な都合でそもそも買えない人が少なからずいるでしょう。

カーセンサーで中古車を監視していますが、安いものでは230万円ほどで拾えます。

しかしバッテリー容量の少ないスタンダードか、保証が切れた8万kmオーバーの個体ばかり。

レガシーモデルを中古で狙うなら300~350万円ほどの予算が欲しいところです。

リセールバリューが下落しやすい

テスラ モデル3の購入を検討している方に、ぜひ知っておいていただきたいのがリセールバリュー、つまり「中古で売るときの価値」です。

モデル3は新車価格が500〜700万円と、メルセデス・ベンツCクラスやBMW 3シリーズと同等の価格帯に見えますが、リセール面ではやや苦戦しているのが現実です。

以下は、モデル3とライバル車種の2年後・3年後の残価率(新車価格に対する中古車価格の割合)をまとめた表です。

車種2年後残価率3年後残価率備考
テスラ モデル3約70%約60%新車値下げが中古価格にも影響
メルセデス・ベンツ Cクラス約58%約45%ブランド力が安定した需要を維持
BMW 3シリーズ約67%約42%人気の高さからリセールは堅調
アウディ A4約52%約42%モデル末期の影響でやや下落傾向

表だけを見ると、モデル3の残価率は比較的良いようにも思えますが、テスラは頻繁に新車価格を値下げするため、実際の売却価格は想像以上に落ち込む場合があります

たとえば、自分が600万円で購入したモデル3が、1年後には550万円で新車として販売されている…というようなケースも珍しくありません。このような値動きは、中古市場においても価格の下落を早めてしまいます。

また、電気自動車特有の要素として、「バッテリーの劣化」もリセールバリューに影響を与えます。バッテリーはEVの“心臓部”であり、使用状況や年数によって航続距離が短くなるため、中古車購入者にとってはリスクとして認識されがちです。

実はテスラのバッテリー劣化率は25万km走っても10%程度であることが確認されているのですが、世間の認知が追い付いていない現状が中古価格の下落を早めています。

モデル3は走行性能やデザイン面では高く評価されていますが、長期的に見たときの資産価値という点では、まだ課題が残っていると感じます。

まとめ

ここまでいろいろと書いてきましたが、私はテスラのモデル3が好きです。

現時点で106台のクルマを乗り比べてきましたが、その中でも上から2番目のクルマでした。

(1番目はトヨタ・スープラのマイチェン前の直6です。)

あの圧倒的な速さとニュートラルステア、快適な乗り味とEVならではの車中泊適正は、私にとっては人生最高の相棒に思えます。

特にヒートポンプ式が採用された2021年モデルのロングレンジかパフォーマンスの中古を本気で検討中。

動画撮影のために車中泊しながら移動することが多いため、社用車として経費で買おうか悩んでいます。

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