BYD シールの2WDとAWDの違い・リアルな航続距離や充電性能をまとめてみた

クルマ・バイク

BYDのシールの試乗を予約したので、その前に知識をインプットすることにした。

(追記:実際に試乗を終えたので以下のレポートを作成。)

基礎的なスペックを一通り知れるような記事を目指してまとめていく。

スポンサーリンク

諸元や価格について

BYD Japanの公式サイトに主要諸元表が貼られている。

RWDは528万円、AWDは600万円(補助金適応前)だ。

BYD SEALシール
RWD
BYD SEAL AWDシール AWD
駆動方式後輪駆動四輪駆動
寸法 全⾧/全幅/全高/ホイールベース (mm)4,800×1,875×1,460×2,920
⾞両重量(kg)2,1002,210
乗車定員(名)5
最小回転半径(m)5.9
一充電走行距離(km)※1640575
交流電力量消費率
WLTCモード
WLTCモード Wh/km※1※2※3148165
市街地モード(WLTC-L) Wh/km※1※2※3136159
郊外モード(WLTC-M) Wh/km※1※2※3138152
高速道路モード(WLTC-H) Wh/km※1※2※3155168
0~100km/hの加速時間(秒)5.93.8
電動機定格出力(kW)70145
フロントモータータイプかご形三相誘導モーター
フロントモーター最高出力(ネット値) kW(PS)160(217)
フロントモーター最大トルク(ネット値) N・m310
リアモータータイプ永久磁石同期モーター
リアモーター最高出力(ネット値) kW(PS)230(312)
リアモーター最大トルク(ネット値) N・m360
パワー
バッテリー
種類リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
総電力量(kWh)82.56
諸装置フロントサスペンションダブルウィッシュボーン式サスペンション
リアサスペンションマルチリンク式サスペンション
フロントディスクベントディスク/ドリルドディスク
リアディスクベントディスク
タイヤサイズ235/45 R19
メーカー希望小売価格(税込)¥5,280,000¥6,050,000

RWDと4WDのスペックの違いをまとめた

まず加速性能だ。

2WDは車重2100kgに対してモーターが312馬力の360Nm

AWDは車重kgに対してモーターが合計529馬力の670Nm

2WDの0-100加速は5.9秒。AWDの0-100加速は3.8秒と言われている。

AWDは突き抜けるような加速の速さを持っている。

テスラのモデル3・パフォーマンスの0-100加速は3.1秒。

諸元表から察するにフロントブレーキはドリルドディスクになっているらしい。

2WDとAWDの唯一の見分けポイントは背面のバッジ?

Weg CGのインプレッション記事の写真をじっくりと見ていると、AWDモデルは背面に「AWD」のバッチが付くようだ。

出典:Web CG

これに対してRWDモデルにはバッチが付かない。

出典:Web CG

BYDの公式カタログより両グレードの違いを詳細に調べてみたが、AWDにのみ可変ダンピングアブソーバーが付くこと以外の違いは見つからなかった。

リアルな航続距離を調べる

EVの航続距離なんて大抵はカタログ詐欺だ。WLTCモードの数値なんて何のアテにもならない。

バッテリー容量は82.56kWhと大きめだが、これも電費次第である。

航続距離について

まずEVネイティブ氏の1000kmチャレンジのデータを見てみよう。

【EV極限チャレンジ】日本よ、これが中国黒船EVの実力だ/「BYDシール RWD」1000kmチャレンジ・熱ダレ、電池残量急減問題解決!〜チャデモ最速級のタイム達成

電費は168Wh/km = 5.9km/kWh であった。

これにバッテリー容量の82.56kWhを掛けた際の見込み航続距離は491kmである。

しかしこの数値には注意点が1つある。

私が合計タイムから充電時間を引いた平均走行スピードを計算してみたところ、112.3km/hだった。

追い越し車線を塞ぐトラックや一般車に詰まったり、充電ステーションに行ったり高速インターに乗り降りするためのロスを考えると直線区間で140km/h近く出さないと達成できない数値だ。

常識的な速度で走行した際の電費記録も、以下のテスト動画で表示されていた。

【中国製EV徹底検証】やはり黒船EVの実力は本物だった/テスラモデル3ハイランドと同等の航続距離! 「BYDシール RWD」航続距離テスト

これによると平均時速100km/hで走った際の電費は7.12km/kWhだ。

これにバッテリー容量の82.56を掛けると587.82kmである。

バッテリー保護のために80%からスタートしても、470kmは走れるらしい。

色々な電費をまとめる

自分で検証するために電費をまとめていく

走行スタイル電費(km/kWh)
平均80km/hで巡行8.18
平均100km/hで巡行7.12
WLTCモード電費6.75
様々なスタイルで走行(私が乗った際の数値)6.41
平均119km/hで巡行5.32
BYDシール(RWD)における走行状況ごとの電費比較 by某黒紳士の未来研究室

全体的に電費性能はテスラ並みに優秀であると言えそうだ。

もう1つの参考の数値として、EV smart氏のとある記事の検証結果も引用する。

各巡航速度
の電費
km/kWh
航続可能距離
km
一充電走行距離
との比率
80km/h8.18675.3106%
100km/h6.92571.789%
120km/h5.63464.973%
総合6.77558.587%
出典:EV Smart

充電性能を調べる

まだ実車を借りられていないため、とりあえずEVネイティブ氏の実験結果から推察する。

【中国製EV徹底検証】熱ダレ問題解決の真相、まさかの充電性能判明〜モデル3とも徹底比較/「BYDシール RWD」真夏の150kW急速充電テスト

この動画内で、90kw級と150kw級を用いた充電性能についての実験結果が示されている。

これによると、残量50%時点で150Kw級は100kw、90kw級は80kwの充電出力を許容しているのが見て取れる。

急速充電における充電残量ごとの許容電力量を調べる

10%台では150Kw級は100Kw、90Kw級は84Kwが出ている。

30%台でも変わらぬ高出力。

150Kw級においては65%を越えたところから80Kw台まで一段下がるという挙動が判明した。

60%を超える頃には90Kw級では84Kw、100Kw級では75%を越えても80kw以上が出ている。驚異の性能だ。

80%を越えても90Kw級は84Kの出力を出し続けている。

150Kw級は90%近くに達してもなお、48Kwを出し続けているようだ。

90Kw級のその後の動向を見ていたが、85%に達した時点で40Kw級まで受電量が半減することが判明。つまり90Kw級なら85%まで一定の出力で入れ続けられるのだ。

EVネイティブ氏の検証から150Kw級は65%まで約100Kwが出続け、それからは85%まで80Kw級の充電が持続する

90Kw級は約84Kwが85%まで持続し続けるということが判明した。

90kw級は繋ぎ続ける限り84kwの出力が出るという想定の元、とりあえず6分で8.4kw、10分で14kw入ることにする。

何分の充電で何kmぶん貯まるの?

10%~80%まで150KWは40分・90Kwは47分掛かったようだ。

詳細な検証は本試乗の記事にて行っている。

150kw級における充電については、EPAと航続距離テストの平均値である。274.5kmを採用。

これを30分回復距離とし、10分は÷3の91.5kmとする。この際の電費は7.12km/kWhだ。

38.55kwが充電されていた計算となる。

30分の充電での回復距離について

さっき申し上げた通り、150Kw級は65%まで約100Kwが出続け、それからは85%まで80Kw級の充電が持続する

90Kw級は最初から約84Kwが80%を越えても持続し続ける。

この数値に電費を掛ければ良い。詳細な距離は自分の走行結果から後日求める。

この結果を元に緻密な旅計画を立てる

タイトルとURLをコピーしました