読書感想文なんてくだらない。そう思っている人が絶対考えるのがchatGPTやネット、代行業者を用いたズルだろう。
しかし、バレないように仕上げるのは案外難しい。やはりある程度は自分の手で介入するのが良いだろう。
今回は労力を最小化しつつ、突き返されない程度のクオリティを担保した読書感想文を本を読まずにネットの情報だけで書き上げて行くぞ。
パターン1(発覚率が高いため非推奨):そのままコピペしてchatGPTに「言い換えて」
これは既に書こうとしている本の感想文が手元にある場合に機能する可能性がある。
chatGPTには「次の文章を違う言葉で言い換えて」という命令を与えることが出来る。
Q.次の文章を違う言葉で言い換えてください。
「私は愚者です。しかし、自らが愚者であることを把握している程度の知性と、この事実に自ら辿り着く程度の思考力はあります。」
A.「私は愚か者ですが、自分が愚かであることを理解している程度の賢さと、その事実に自覚を持つだけの思考力を持っています。」
このように微妙に言い回しが異なる文言が生成されるのだ。
しかし元の文章の感じが出てきてしまっている。原文が分からないほどに改編してしまいたい。
「類義語を用いて、なるべく原文と単語や言い回しが被らないように言い換えてください」「次の文章を要約してください→文字量を2倍に増やしてみてください」「ですます口調から、語尾を「だ。」「である。」という口調に変えてください」などなど試してみたが、正直言うとパクりがバレそうな臭いがムンムンするものである。
実際の長文を用いてどうなるか試してみる
ここで実際の読書感想文を用いて言い換えを試してみる。
Q.次の文章を言い換えてください。
私がこの本を読もうとしたきっかけは、友達に「ためになることがいっぱい書いてあるから読んでみて」と言われたからです。最初、本の題名を見た時はこの本の内容がぜんぜん浮かびませんでした。次に目次を見てみて、目に飛びこんできたのは、「24度殺された老婆」というものでした。目次だけでは、「24度も殺せないだろう。1度殺されたらそこで終わりなんじゃないかな?」と思い、話の内容がぜんぜん浮かびませんでした。次に文を読んでみて、このお話は、老母の子供や孫、ひ孫が24人亡くなり、そのたびに、「ここの婆さんとかわっておればよかったのに」と、婆さんがいない隣の部屋で言われていたのです。24度殺されたというのは、24度傷ついたという事なんだと分かりました。婆さんも、子供や孫、ひ孫が24人も亡くなり、悲しい思いをしたのに婆さんとかわっておればよかったなんてよく言えるなと思いました。しかも、婆さんには言わず、いない所でコソコソ言っている大人が許せません。 そして、私が印象に残った言葉があります。それは、最後に太字で書かれてある、「『口は禍の門』といわれるが、自覚のないところで我々は、どれだけの人を傷つけ殺していることか。三思三省させられることである」という言葉です。「口は禍の門」の意味を調べると、「何気なく言った言葉が災難を招くことがあること」と書いてありました。私も気づかない所で、人を傷つけていたのかなと深く考えました。悪口など言った覚えがなくても、相手は嫌だったかなと考えました。 この本を読んで作者が言いたかったことは、自分も陰口や悪口を言われて傷つくんだったら、自覚がなくても相手の悪いことを言ったりしてはいけないんだよということだと思いました。私は親から、「自分がされて嫌なことは人にはしない」と、何回も何回も聞かされました。親が言っていた頃は、「うるさいなぁ。何回も言われんでも分かる」と思っていました。 でもこの本を読んで、親が何回も何回も言ってくれた意味が分かりました。これからの会話では、相手を傷つける言葉を言っていないか気をつけてしゃべりたいです。この本を勧めてくれた友達のおかげで学べたので感謝したいです。ありがとう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ChatGPT. この本を手に取ったのは、友人から「ためになる内容がたくさん詰まっているから読んでみて」と勧められたからです。最初、タイトルを見たときは、中身が全く想像できませんでした。目次を見て目に飛び込んできたのは、「24度殺された老婆」という話でした。目次だけでは、「24回も殺されることはありえない。1回殺されたら終わりじゃないのか?」と思い、話の内容がつかめませんでした。本文を読んでみると、老婆の子供や孫、ひ孫が24人も亡くなり、「ここの婆さんと交代すればよかったのに」と、婆さんがいない隣の部屋で呟かれていたことが明らかになりました。”24度殺された”という表現は、24回も傷つけられたという意味だったのです。老婆も、24人もの家族を失い、その悲しみを味わったのに、自分を守ってもらえなかったことに対する後悔を、いない相手にひそかに漏らしていたのです。しかも、そのことを老婆に直接言わず、密かに他人の前でささやいている大人たちには腹立たしさを感じました。
そして、印象に残った言葉があります。それは、最後に太字で書かれていた、「『口は禍の門』という言葉であるが、自覚のないままに我々がどれほど多くの人を傷つけてしまっているか。これは深く考えさせられることである」という言葉です。”口は禍の門”という言葉の意味を調べると、「言葉の軽率な使用が災いを招くことがある」と書いてありました。自分も気づかずに人を傷つけていたのかと、深く反省しました。悪口を言った覚えはなくても、相手が嫌がったかもしれないと思いました。
この本を通して、作者が伝えたかったのは、自分が傷つくことを嫌うのなら、自分も他人を傷つけないように気をつけるべきだということだと思いました。親から何度も聞かされた「自分がされて嫌なことは人にはしない」という言葉の意味が理解できました。これからの会話では、相手を傷つけるような言葉を使わないように気をつけたいと思います。この本を紹介してくれた友人に感謝します。ありがとう。
『光に向かって100の花束』を読んで
複数の文章を組み合わせてみよう作戦
以下のように書いてみた。
次の2つの文章を組み合わせて、1つの文章に合体させてください。
以下が1つ目の文章です。
~~~~
以下が2つめの文章です。
~~~~~
A.
友人から「ためになることがいっぱい書いてあるから読んでみて」という勧めでこの本を手に取った私。最初は本の題名からは内容が想像できず、目次を見てもピンとこなかった。しかし、「24度殺された老婆」という話に興味を持ち、その内容を読んでみると、老母の悲劇が描かれていた。24人の家族を失った老婆が、自分を守ってくれなかった後悔を、婆さんがいない隣の部屋でひそかに漏らしていたのだ。この話を通じて、「口は禍の門」という言葉の深さを感じ、自分も他人を傷つけていたかもしれないと考えた。
また、別の本を見つけた時は、帯に書かれた「大切な忘れ物を届けに来ました」という言葉が私を引きつけた。この本は、受験の壁を乗り越えるためのアドバイスと、人生のための言葉で溢れていた。私は自分が大切な忘れ物をしているのではないかと感じ、この本を読むことを決めた。笑顔と挨拶の大切さ、そして難しい時に立ち向かう強い心を取り戻すことができた。これからもこの本を読み返し、より充実した人生を送っていきたい。
そんなにガチらない系の課題なら悪くないだろう。
先生がちょっと見て「よくできました」スタンプを押す程度なら問題無いはずだ。
しかしコンクールに応募するようなものである場合、一気に発覚しやすくなるぞ。
パターン2:パクり元から基本構造だけ抜き出して再構成
全文をコピペして「書き換えて」と言っていたのでは原文の雰囲気が残ってバレやすくなるし、文字数が増えれば処理も重くなる。
今回は文章をいくつかのブロック・構成要素に分けて、それぞれを再構成しながら再び文書化していくアプローチを取ろう。
ーパクリ元感想文を探す
というわけでまずはパクり元を探そうと思うのだが、流石に受賞作品を探すのは気が引ける。
著作権フリーの読書感想文なるものが存在していたため有難く利用させてもらうことにする。
ーパクリ元感想文を箇条書きでシンプルに区切ってみる
とりあえず全文をコピペして、「次の文章を構成要素ごとに分けてください」と聞いてみた。
出力はこんな感じ。
ハッキリ言うと空白を増やして読みやすくしただけである。chatGPTはこのステップにおいては必須では無いかも。
とりあえず画面を埋め尽くすほどの文字を複数ブロックに区切ることを意識して欲しい。
この作品の場合は以下のように区切っていくことが出来る。
- 私は冒険があんまり好きじゃなかった。
- 嫌いだったはずの冒険小説なのに、読んでみたら一瞬。
- 読んだ本のストーリーの概要解説
- 「登場人物に引き込まれ、共に過ごしたような想いだった」と熱弁
- 現代の子供たちは困難に直面した際に作中の人物のように耐えられるか
- 頑張ってればいつか道は開ける。
- この本の冒険記録は、私の人生の糧となっていつか我が身を助けるだろう。
いや、私がざーーっと全体を読んで適当に区切っただけなんだけどね。
何百ページもある本を読んだのではなくて、数百ページの読書感想文を軽く分類しただけ。これだけでも信じられないほどのコストカットが実現しているぞ。
さて、次のステップが重要だ。
ー区切った各項目に肉付けを行う
ーーガイド:要約記事を効果的に使って内容を完全に把握。
このステップではさっき要約してバッサリ切り捨てた感想文を再構成していく。
ここで大事となるのは本を読んでいないとバレないようにすることである
この粉飾をより確実なものとするために、要約記事に幾つか目を通しておこう。
私は打ち間違えて「十五少年漂流記 ようやく」と雑に検索してしまったが、それでも多数のヒットがあった。
ここでは検索順位1位であった『ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』あらすじ紹介。少年15人が無人島に漂着!? 子どもたちだけのサバイバル生活が始まる!| ダ・ヴィンチweb』より、幾つかの大事なポイントを抜き出していく。
個人的にオススメなこの本読みましたアピールは具体値挿入である。
とりあえず進めるので付いてきて欲しい。
まず登場人物。15人の少年が漂流したことなんてすぐに分かるが、「初代大統領になった子がいること」や「途中で反乱が発生したこと」など、ぜひ読みましたよアピールのために取り込みたい要素が盛りだくさんである。
『十五少年漂流記』の主な登場人物
ブリアン:漂流した15人のひとり。頭の回転が速く心豊かな少年。
ゴードン:漂流した15人のひとり。島の初代大統領をつとめる。
ドニファン:漂流した15人のひとり。負けず嫌いでブリアンとの対立が多い。
イヴァンズ:セバーン号の操舵手。ウォルストンに拉致・監禁されていた。
ケート:セバーン号の乗客でセバーン号の反乱に巻き込まれる。
ウォルストン:セバーン号で反乱を起こした悪党たちのリーダー的存在。
とりあえず読み進もう。
『十五少年漂流記』のあらすじ
1860年。ニュージーランドのオークランドにあるチェアマン寄宿学校に在籍している14人の少年たちは
(中略)
乗り合わせた水夫見習いの黒人少年も加えた15人は遭難してしまう。
(中略)
初代の大統領を選出することになり、最年長で穏健派のゴードンが就任。
(中略)
1年が過ぎ、ゴードンの大統領としての任期が終わる
(中略)
3人の取り巻きを連れて洞穴を出て行ってしまう
(中略)
戦うことを決意した少年たちは、
(中略)
イヴァンズとともにウォルストン一味の殲滅に成功する
(中略)
運よく汽船を見つけ、救出される
(中略)
元記事のコピペをするのが気が引けたので、これだけ読んでいても理解不能なレベルで空白まみれな引用とさせてもらった。
- 15人で遭難
- 島の統治のために大統領を定める
- 次期大統領の落選をきっかけに裏切り発生
- 裏切りの過程で新事実&裏ボス発覚
- なんとか裏ボス倒す
- 困難乗り越えた末に遭難状態から離脱してハッピーエンド
こんな流れの物語となっているようだ。
私が読んだ限りではこの登場人物たちの年齢は不詳だ。1860年と「チェアマン寄宿学校」とは書かれているんだが…
まぁ少なくともこの時点で、「まだ青年の男の子たちがこんなことをするなんて立派ダーーー★★」という書き方や「1860年ってこういう時代だったのにね~」という感想で文字数を稼げることは判明している。
要約記事を読み込んだおかげで、パクリ元感想文に自分のオリジナル要素を付与できるようになったぞ。
さて、それでは今把握した具体例を元に各項目を仕上げていこうではないか。
自分で適宜書き換えながら組み立ててしまっても良いのだが、今回はあくまでコピペ改編で仕上げて行こう。
とりあえずさっき書いた項目まとめを貼っておく。
- 私は冒険があんまり好きじゃなかった。
- 嫌いだったはずの冒険小説なのに、読んでみたら一瞬。
- 読んだ本のストーリーの概要解説
- 「登場人物に引き込まれ、共に過ごしたような想いだった」と熱弁
- 現代の子供たちは困難に直面した際に作中の人物のように耐えられるか
- 頑張ってればいつか道は開ける。
- この本の冒険記録は、私の人生の糧となっていつか我が身を助けるだろう。
各項目とコピペ元感想文を並べつつ、自分の言葉で書き換えて行こう。
私は冒険があんまり好きじゃなかった。
→私は実は、冒険小説というものが好きになれませんでした。いや、好きになるキッカケが無かったと言ったほうが正しかったかもしれません。なぜなら現実世界での私自身が内気な性分であり、家の外の世界に関心が無かったからです。都会でゲームに囲まれて暮らす自然とも友達とも無縁な私には、自然の中で仲間と協力して困難を乗り越えて行くような物語が合わないように感じていたのです。
嫌いだったはずの冒険小説なのに、読んでみたら一瞬。
→そんな中で偶然手に取った『十五少年漂流記』でしたが、ふと気が付くと食いつくように読み切ってしまっている自分。15歳が読むには少々重たい内容の一冊を一瞬で読みつくした自分に驚きました。
読んだ本のストーリーの概要解説
→この本の中では、十五人の少年たちが無人島に漂着します。資源に乏しく大人たちの救援も受けられない中で、仲間たちと協力して大統領を任命。なんとか社会生活の基盤を築いていきました。
やがて次期大統領の結果を巡って大きな仲間割れが発生し、その過程で重大な真実を知ることになるのです。しかし少年たちは臆することなく果敢に立ち向かい、この困難を打破する。という内容でした。
「登場人物に引き込まれ、共に過ごしたような想いだった」と熱弁
→少年たちの元には漂流、生活苦、裏切り、強敵などの数多の困難が訪れます。これらを強力しながら乗り越えて行く少年たちの人間ドラマに引き込まれ、一緒に無人島生活を過ごしているような気分になりました。
現代の子供たちは困難に直面した際に作中の人物のように耐えられるか
→ふと思いました。スマホやインターネット、身の回りの大人たちの手助けに慣れた現代の子供たちは、作中の少年たちのように突然無人島に投げ出されたら生きて行けるのかなと。
少なくとも私にはその自信がありません。行動を起こす気力も湧かず、絶望して立ち尽くしてしまうと思います。
頑張ってればいつか道は開ける。
→しかしこの本で描かれた少年たちには、懸命な努力と試行錯誤の末に苦難を突破しました。
私自身が「もうこれ以上は無理だ、無駄だ」と思うような困難でも、十五人の少年たちは諦めないでしょう。
私は改めて実感しました。勇気を持ってくじけずに努力を継続することの大切さを。
この本の冒険記録は、私の人生の糧となっていつか我が身を助けるだろう。
→直接的に彼らの実体験が私の人生で活きる場面。具体的には無人島への漂着が私の今後の人生に来るかは分かりません。
しかし、彼らの諦めない心を胸に、これから訪れるであろう数多の困難にも負けずに立ち向かっていきます。
N.H.K ~ Nanimo Hanashite Konkatta ~
適当に書きなぐったが、コピペ感が全くない別物の読書感想文が出来上がった。
構成要素ごとに分けて組み直すだけで別物になることは覚えておこう。
パターン3:箇条書きを数回やって書き上げる。完全オリジナルで行きたい場合はコレ
必要なのはスマホのブラウザとメモアプリだ。
数十分もあれば、自分でゼロから読書感想文を錬成できるぞ。
箇条書きその1:本の要約(できれば「読んだよアピールポイント付き」で。)
まず本の内容を把握しよう。
後から見返しやすくするため、箇条書きでメモを取るのだ。
なお箇条書きにした理由は文章を短く区切りやすいからであり、この段階では使い方が多少おかしくても構わない。
私は『三体』という小説を例に取ろう。
- 「三体」という遠くの恒星系の宇宙人が地球に攻めてくることが判明。
- 約300年後に三体の大宇宙艦隊が地球に到達することとなった。
- 既に微粒子サイズの量子探査機は地球に到達しており、全ての文書情報が筒抜け。
- 対策として「人間の脳内まで覗くことはできない」というアプローチを選定。
- 数人だけ選ばれた天才が、地球の全資源を使い放題になる。コールドスリ-プも適宜使う。
- 主人公が「太陽に特定の波長の電波を当てて、特定の恒星の位置を全宇宙に知らせる」という実験をする
- この実験の結果、その恒星が脈絡もなく破壊されたことで「暗黒森林理論」が現実となる。
- 地球に三体軍がやってくる。地球は大宇宙艦隊で待ち伏せるも瞬間的に全滅させられる。
- 絶望した地球人が広場に集まって集団乱交をしていた。
- 主人公はこの事実を三体文明に突き付け、「停戦しなければ地球の位置を全宇宙に発信する」と脅す
- この結果、三体文明との停戦に成功。
- 中編の主人公が「自爆ボタン」を握っていたが、歳を取ったことで交代の必要性が生じた。
- 後編の主人公に交代したタイミングで三体文明が発進用アンテナの破壊を開始
- この事案により地球の位置が全宇宙に知らされた。地球が破壊されることが確定した。
- 三体文明は地球を離れる。
- 太陽系が「三次元空間を二次元空間に折りたたむ」という超兵器で滅ぼされた。
- この兵器を使った理由は、ガス惑星の裏の一部の領域がセーフゾーンとなっていたため。
- 宇宙の終焉が描かれる。(詳細な経緯は忘れた)
400ページの本が6セットくらいある超大作なので、アホみたいに長くなった。
私はこれを全部読んで覚えていたが、本の内容を把握していれば要約記事でも充分なのだ。
箇条書きその2:自分の感想や感動したポイントを書き出す
このステップで自分の意見を明確化できれば、感想文化も楽勝である。
- 「暗黒森林理論」という考え方
- 著者の突き抜けた科学的知見
- 太陽系が2次元空間へと折りたたまれていく光景の描写
- 破壊から逃れて宇宙を孤独に逃げ続けるも、最終的に自滅してしまった1隻の宇宙戦艦
- 人海戦術時代に「旗揚げ」を駆使したことでコンピュータを作ってしまったこと
- ↑高度な理解と柔軟な思考があれば、低度な環境でも同等のものを作れることがある
- 著者の科学的知識と空想的ストーリー構成力の両立。
- 古代・未来。歴史・科学の両方に幅広く広がるストーリー。
ここらへんが個人的に感慨深いポイントとして挙がった。
実はここの文章化がスムーズに行けば感想文の構成も一瞬で決まる。
幾つかの感動した具体的なエピソードと、著者の知識・教養とストーリー構成力の両立への感動と憧れ。
この辺を踏まえつつ「私も素敵な人間になりたい」的なことを書いて終わって行けばいい。
最後:うまいこと繋げて文章として完成させる
読書感想文の例や受賞作品を見ていると、「私はこうでしたが、この本のこうこうこういうところを読んでこうしていきたいなと思いました」的な流れで書かれている。
読書感想文の完成系を見据えながら雑に考えよう。
まず本の内容を把握する(既にやった)
↓
個人的に感情を動かされたポイントを書き出す(既にやった)
↓
上手いこと繋げる
この3ステップである。
少し気を遣うのがこの3ステップめ。
1:結論を真っ先に決める
私のオススメは結論を先に決めてから他を繋げる方法である。
私の場合は「この本の著者のように、高度な科学的知識や教養を身に着けたい。また調べるだけでなく、聞き手が興味を持つような奥の深い話し方が出来るようになりたい。そのために定期的な科学情報の収集や歴史の再学習、アウトプットを行う習慣の確立などを行っていく」という結論にした。
これが先に決まったら、どう繋げていくか。
2番目に冒頭を考える
個人的なオススメは2番目に冒頭を考えることだ。
迷ったら結論と比較してBefore→Afterが出るようにすると良い。
本の要素を取り込んで自分が強くなる。その強化前を簡単に自己紹介するイメージだ。
私の場合は以下のようなものだろう。
「私は突拍子も無いことを考えるのが趣味で、無人貨物船を駆使した恒星間物流網の構築や宇宙戦艦の設計について真剣に考えていた。バカバカしいことは承知しているが、退屈な日常の中で自分だけの宇宙文明を開拓しているようで楽しかったのだ。そんな日々の中で出逢ったのが『三体』という本である。辞書のように分厚い本が2~3冊1セットで前編。これが中編、最終編、スピンオフ版と存在する。この本は科学・知識一辺倒であった私の思考に対し、「もっと知見を広げよ」という訓示を与えた。古代における王国の崩壊から人間と旗のみを用いたコンピュータの構築に始まり、数百年に渡って1人が地球の全リソースを独占利用することで行われる宇宙人の侵攻対策、3次元空間を2次元空間に折りたたむ兵器、暗黒森林理論を用いて恒星の位置を人質に取った交渉、宇宙の終わりなどなど。数千ページに渡って魅せつけられる著者の圧倒的な知識と教養、その片鱗をお見せしよう。」
これだけで400文字である。
なんか読書感想文って感じしないな・・・
長すぎて文章で画面が埋まるし、もはや読む気がしない。
読書感想文みたいな長文連打って時代に合って無いよね。
3番目で本の要約を行う。
これは分かりやすい。さっきの箇条書きをほどよく抑えるだけ。
「三体という本のストーリーは、”簡単に言うなら未知なる上位文明との対峙”である。前編では三体という太陽が3つある世界の存在と、そこから出発して数百年後に地球に到達する大艦隊の存在が判明する。中編では数百年しかない対策期間の中で、地球上の全人類が総力を挙げて対策を講じながら絶望の結末を迎えて行く光景が訪れる。後編では三体世界との抗争が終わりを告げ、最終的には宇宙の終わりまで描写される。」(192文字)
書き出してみたらやけに短くなってしまった。
おまけ:文字数調整について
ここは最も文字数調整がやりやすいポイントだ。
文字数の増やし方
読書感想文は文字数に指定がある場合が多いから、文字数が足りないならここを書き足しまくろう。
例えば先ほどの文章を以下のように書いてみよう。
「この本は前編、中編、後編の3部構成となっている。前編では~。中編では~。後編では~。」
こうして”~”の内部を書き足し続ける。
例えば「迎撃用の武器として自爆ロケットを考えた人が居た。」を「倒さなければならない三体文明の宇宙艦隊に対して、とある人は物理兵器で迎撃するアプローチを選択した。具体的には自爆ロケットである。遠隔操作による攪乱を防ぐため、全てを物理で人間が制御する宇宙船に大量の爆薬を載せて特攻させることにした。彼は倫理的な問題の解消の手段として、またその後の人類が活かせる可能性を考え、クローン人間の研究も同時並行で進めることにした」といった具合に延長できる。
感動したようなポイントを細かく書いておくと良いだろう。
文字数の減らし方(chatGPTを用いる)
文字数を減らすのはむちゃくちゃ簡単だ。「chatGPTに次の文書を○○文字まで短くしてください」とか聞くだけ。
削り過ぎたりなんか違和感があったりするので、上手いこと調整してやろう。
削り過ぎたりなんか違和感があったりするので、上手いこと調整してやろう。
4番目に感動したポイントを書く。具体例を挙げられると良い。
「3次元空間を2次元空間に折りたたむ兵器の描写があり得ないながらも現実的に描かれていて脳裏に焼き付いた」だとか、「世の中に知識として存在しているけど結びつくことは無いような概念が瞬く間に融合するような記述に心を奪われっぱなしだった」だとか、何かしら書き出そう。
感動する要素がない?
本の見出しを見たり、Amazonのレビュー欄を読んだり、最悪の場合は違和感が無さそうな感想をでっちあげよう。
最初に決めた結論との整合性を意識しておくこと。
繋げてみた
ーーーーここからーーーーーー
私は突拍子も無いことを考えるのが趣味で、無人貨物船を駆使した恒星間物流網の構築や宇宙戦艦の設計、異文明の探知や交戦,交流についてよく考えていた。バカバカしいことは承知しているが、退屈な日常の中で自分だけの宇宙文明を開拓しているようで楽しかったのだ。そんな日々の中で出逢ったのが『三体』という本である。辞書のように分厚い本が2~3冊1セットで前編。これが中編、最終編、スピンオフ版と存在する。この本は科学・知識一辺倒であった私の思考に対し、「もっと知見を広げよ」という訓示を与えた。古代における王国の崩壊から人間と旗のみを用いたコンピュータの構築に始まり、数百年に渡って1人が地球の全リソースを独占利用することで行われる宇宙人の侵攻対策、3次元空間を2次元空間に折りたたむ兵器、暗黒森林理論を用いて恒星の位置を人質に取った交渉、宇宙の終わりなどなど。数千ページに渡って魅せつけられる著者の圧倒的な知識と教養、その片鱗をお見せしよう。
三体という本のストーリーは、簡単に言うなら”未知なる上位文明との対峙”である。前編では三体という太陽が3つある世界の存在と、そこから出発して数百年後に地球に到達する大艦隊の存在が判明する。中編では数百年しかない対策期間の中で、地球上の全人類が総力を挙げて対策を講じながら絶望の結末を迎えて行く光景が訪れる。後編では三体世界との抗争が終わりを告げ、最終的には宇宙の終わりまで描写される。
この本の中で特に印象に残った概念がある。「暗黒森林理論」を元にした知的文明を自衛として破壊して回る存在がある可能性には恐怖に恐れおののいた。また「3次元空間を2次元空間に折りたたむ兵器」の描写はあり得ないながらも現実的に描かれていて脳裏に焼き付いた。この作品は全体的に、「世の中に知識として存在しているけど結びつくことは無いような概念」が瞬く間に融合するような記述に溢れている。著者の鮮やかな物語の展開には心を奪われっぱなしだった。
『三体』は非常に長い小説だ。その膨大な物語の中では、「未知なる上位文明の脅威」というものが中心的に描かれていたように思う。これは「宇宙に進出する可能性のある生命体・文明を発見した場合、それらが発展して自らの脅威となる前に排除する」という宇宙文明版の暗黒森林理論を形作って最終的に地球文明を破壊した。この破壊は実は恒星が密接にかかわっている。まず上編においては、太陽が3つある惑星のシミュレーターが登場する。3つの太陽たちの不規則な運動によって気候は安定せず、その星の住民は浮浪人のような生活を余儀なくされていた。中編においては太陽表面へ特定の波長の電波を送信することで、太陽を全宇宙に向けての情報発信が可能なアンテナとして用いた。この発信装置を用いて、宇宙空間上における特定の恒星の位置座標を全宇宙に送ってしまったのだ。これを宇宙文明が存在するサインとして受け取った上位文明により、居場所が特定された恒星は破壊されてしまった。この事実を基に、主人公は太陽の位置座標を人質として三体文明との停戦に成功したのである。最終編では地球文明の存在も上位文明に知られてしまうが、土星の裏の特定の宙域に生存可能なスペースがあったことを理由に彼らは別の手段での攻撃を実行するのである。太陽に関わるこれらのエピソードがすべて『三体』という本のタイトルに帰結しており、無限に広がっていく物語の全てが一点に集結しているような気持ちの良い後味も産んでいる。読了してから何年経っても記憶が衰えないわけである。
私もこの本の著者のように、高度な科学的知識や教養を身に着けたい。また調べるだけでなく、聞き手が興味を持つような奥の深い話し方が出来るようになりたい。そのために定期的な科学情報の収集や歴史の再学習、アウトプットを行う習慣の確立などを行っていく。もっと贅沢が言えるならば、私も『三体』のような面白い作品を作ってみたいと思ってしまった。私も考察が趣味であり、文明の終わりと始まりやこの世に存在しないものについてよく考えてはブログに色々と書き留めている。これらの概念に対して徹底的なブラッシュアップと設定の追い込みを行い、なにかしらの物語を書き上げつつ教養を深めようと思う。
StarFieldというゲームの中で、とあるロボットが「人類の最も偉大な発明は”本”である」と言った。この本質は本と言う物体そのものではない。「情報を未来の人類へ向けて書き残しておくことで、後世の人々に知識や経験をインストールしたり、新たな活動を行うためのベースにできるようにしたりする。そしてその人々が新しい情報を書き足す」ことにあると思っている。私も他の誰も考えないような物事を考え続け、他の誰も書かないような情報を書き残す所存だ。(1975文字)
ーーーーーーーーここまでーーーーー
リアルが忙しかったので雑に仕上げたのに、パッと見では違和感が全くない。(まぁ私自身はこの三体という小説をぜんぶ読んでいるし、日常的に長文を書いているのでこういうの得意なんだけど…)
高校生クラスの場合、課題の文字数は2000文字だ。私が適当に書き足して1975文字に持って行った。使って良いぞ(バレないようにね☆)
なお文字数が足りないときは、先ほども言ったように本文中の気になるポイントに解説を入れつつ「驚いた~」とか書きまくっていればすぐに埋まる。
パターン4:読書感想文への向き合い方
要約コンテンツの充実や情報の移り変わりの速さゆえに、今の時代に本を読むことは必須ではないとされている。
読書感想文の本のセレクトって利権の臭いもプンプンするし、支配者階級にカネを払っているみたいでなんか好きになれない。
本を決める
本を選ばないことには始まらない。
この文書を探し当てたような人がじっくりと本を読むとは思えないので、「中身なんか読まなくても読書感想文がラクに書ける本」を選ぶことが大事だ。
とりあえず、読書感想文全国コンクールの公式サイトを開いてみることにする。
chatGPTを本格的に使いたがるのは高校生だろうから、私も高等学校の部を開いてみよう。
全部で3冊の本が見つかった。
本を選ぶ際のコツ
まずはこの文書をざっと流し読みし、実践は2周目以降にすることをお勧めする。全体の段取りを把握した上で進むのだ。
具体的には以下の特徴が挙げられる。
「本の名前で検索した際に要約記事がたくさん見つけられる」
「既に誰かが書いた感想文がネットに転がっている」
「内容が掴みやすい。感想文へと入りやすい」
などなどだ。
こういうことを頭に入れながら考えて見よう。
まず1冊目は「学校」x「科学」ということで、おそらく科学的視点と人間ドラマを交えたありきたりな感動を述べていれば簡単に書きあがることだろう。
おそらく2冊目は「10代の学生がリソース配分で悩む」系のものだろう。自分の人生の実体験と組み合わせながら感情の分析・陳列や自分の人生に活かせそうな時間配分テクニックなどを書いて行ければ実用書として仕上げることも夢ではない。
3冊目は少し特殊で、南アフリカのサファリガイドの本だ。
実際に本を読まないと分からないレベルの具体的なエピソードをいくつか述べて「知らなかった!!!」と言ったり、自分で追加の知識を調べて付加しつつ「理解が深まった」と言ったり、「地球の反対側のことが知れて面白かった!」だとか「飼育員さんの働きはえらいとおもった!!」とか言ったり。
南アフリカという珍しい環境を起点に色々とやっていけそうである。
どれを選んでも構わない。
既に動物に関心があったり時間配分で悩んでいたりするなら、選択肢は決まったようなものだ。
もし決まらないのなら、とりあえず「本の名前 + 要約」や「本の名前 + 読書感想文」で調べて有用なサイトがヒットしたものを選ぼう。
本の内容を把握する
本の内容を把握する方法についてサクッと書いておくぞ。
要約サイトを読む
定番中の定番。
ここでサクッと要約記事が見つかるような本を選べれば、この先のステップは非常にラクになる。
何記事が要約記事を読んで内容を把握しよう。
具体的なストーリーの流れや本の伝えたいこと、特徴的なエピソードなどを把握できると素晴らしい。
同じ本の読書感想文を探してみる
これが出来れば最もベストだ。
そうでなくても、同じような内容の本と感想文を見つける事ができれば、書いていく上で大きな参考になる。
アマゾンなどのレビュー欄を開いてみる
Amazonの商品ページのレビュー欄を開く事で、運が良ければ本の詳細な内容や特定の要素に絞ったコメントを引き出す事ができる。
実物の本を流し読みする
もし実物の本が手元にあるならば、ざーっと本を流し読みしよう。
まずは適当に全体をめくってみて、気になった挿絵でもないか探そう。
次に目次を開いてみて、なにか目に留まるような項目がないか見てみよう。
実物に触れていれば、何から文字数のかさ増しに使えるようなあれこれが見つかるかもしれない。
読書感想文のフォーマットを把握する
私みたいにその場のノリで書き上げられるなら問題ないが、難しいなら全体を区切って「200文字くらい使って冒頭を書く」といった具合に行こう。
まず理想的な完成系を知る
「読書感想文 受賞作品」と検索してみよう。
色々な受賞作が見られるので、特に同年代のものに目を通しておくと良い。
次に読書感想文の書き方、書く流れを知る
「読書感想文 書き方」と調べてみよう。
「読書感想文 構成」でも良い。
ベネッセ教育情報において以下のように書かれている。
読書感想文で書くべきことは「どんな本を読んだか」「その本を読んでどんなことを感じたか」「本を読んでみて考えた自分の意見」の3つです。
つまり「(1)本の紹介→(2)心を動かされたこと→(3)心を動かされたことから考えた自分の意見」という基本の流れに沿って書くことができれば、まとまりのある文章を作ることができるのです。
またテラゴヤプラス by Abemaでは、以下のような見やすい図が貼られている。
本文より前に見出しを作る
これはchatGPTで文章を作成する際の基本テクニックなのだが、いきなり本文は作らず、まず見出しから考えてもらうこと。
私のおすすめは、見出しだけでも自分で考えてしまう事だ。
私がお気に入りの『三体』というSF小説を例に取るなら、私は以下の順番で記述していく。
- 存在する可能性を否定できない上位文明の脅威について
- 『三体』という本のストーリーの概要
- 当書で描かれた上位文明の具体的なエピソード(恒星破壊など)
- 「超高度な科学知識」がこの本を面白くしている
- お堅く見えるような高度な知識も、伝え方次第で底なしに面白くなる
- 考えもしないようなことを考えつつ、理解不能な領域に挑むような人材になりたい。
先に見出しが完成してしまえば、あとは各部を書いていくだけである。
要約コンテンツを読み込めば大体のストーリーの流れは分かるはずなので、それを元に構成しよう。
文章を手直しして違和感が無いようにする。
chatGPTで文章を考えた場合、すべての文字にじっくりと目を通して推敲することを強く強く推奨する。
採点者側もAI利用に対して厳しい世の中だからだ。
- 年齢に対してあまりにも文章が大人すぎないか
- どう考えても「お前読んでないだろ」と言われかねない事実の相違はないか
- AIっぽい不自然な文章、言葉遣いはないか
などなど、提出する作品として違和感が無いか徹底的に調べあげよう。
場合によっては偽物バレをして、受験に響いて人生を狂わせかねない。
そういうのが嫌ならアシスト役に留めておくことだ。
最後に
私は小学生の頃、オランウータンの「ジプシー」に関する本を読んで読書感想文を書いた気がする。何も覚えていない。
対して高校生の頃、『三体』という2000ページ以上あるような小説を全部読んだ。今でも鮮明に各部のエピソードを覚えている。
イヤイヤやらされる課題は無意味。逆効果。時間の無駄。
言葉よりも行動で。次は2024年の課題図書の読書感想文を自分で勝手に書いていくぞ。