みんな値引きを打ち出して客寄せしている
イオンの中を歩いているとそこらじゅうで値引きセールをやっていた。
宝石店でさえも30%オフの横断幕を掲げている。
店舗によっては通路の真横にテーブルを1個用意して、50%オフのような捨て値で注意を惹いていた。
「とりあえず注意を惹く」という重要な要素
どう考えても赤字になる価格で商品を置いておくことで、通行人の意識を惹き付けることがポイントとなっているようだ。
「とりあえずこの店には寄る」を実現できるか
大抵の客はとりあえず歩いているだけだ。
大してお金持ちというわけでも無い通行人からも買ってもらうためには、とりあえず認知してもらわなければならない。
当たり前ながら通路の左右にお店がある。
自分の目の前を客が通る数秒で、反対側の店舗に通行人の注意が吸われたら終わりである。
平民の暮らしが苦しくなる一方のこの時代、ただイオンモールを歩いているだけの人間に見てもらうために毎月何十万円ものテナント料を払う意味がどこまであるのか疑問だが。。。
広さや体裁より買う客が入っているか
ホームセンターみたいに広い面積にカインズが入っていたり、テーマパークのように商品を展示するおもちゃ屋さんがあったり。オシャレで広々としたテナントがたくさん入っている。
しかし大事なのは、ちゃんとモノが売れているかである。
携帯ショップやブランド物の買取ショップのような長時間滞在を前提とした店舗は奥まったところに入ってこさせるような作りをしている。
リラックスして過ごせそうな空間を作れたら、契約して貰える可能性もあるだろう。
「お金を持っていて、使ってくれる優良客」を呼び込むために
ここで各ショップが考えるべきことは1つ。
「ちゃんと買ってくれる人に来てもらうこと」である。
しかしイオンモールに来る大抵の人間はとりあえずイオンモールに来ているはずだ。
家を買おうと考えていて住宅展示場に来るわけでも無く、洗濯機を買い替えようと思って家電量販店の洗濯機の値札を見るでもなく。
カルディの戦略は長期的に強い
カルディのような「店頭でコーヒーを渡して飲んでいる間に店内で買い物して帰る」ような流れは強いだろう。
いつ行ってもカルディの前にはコーヒーを貰う客の列が出来ているし、大抵の人はそのまま店内で買い物していく。
コーヒーだけ貰って何も買わずに歩き去る人でさえも「流行ってる・繁盛してる感」を出すことに一役買っている。
コーヒーの提供に掛かるコストなんてたかが知れているが、このサービスを日本中のイオンで続けたおかげで固定ファンがたくさん付いているはずだ。
私も小学生の頃に親に分けてもらった甘いコーヒーの味を今でも思えている。舌先に甘く苦みも感じるが、双方の味わいがくどくない。あの風味はなかなかレベルの高いものであった。
「このお店には毎回行く」を実現した上で、ネットの時代にお金も落として貰うこと
カルディにおいては「このお店に毎回行く」が実現できていると思う。
しかし大抵の店舗は人を集めるだけで、そう易々と買ってもらえるものではない。
そこからお金を落として貰うためにどうするべきか。ここに頭を悩ませることだろう。
コーヒーショップとでも提携して、「1000円以上のお買い上げでコーヒー無料券プレゼント」でもやるか、飲食店なら「アプリに登録した状態で購入するとサイドメニューを1個プレゼント」でもやるか。
イケている商品を置いている店は多いが、次にイオンに行く機会があれば、ここらへんのお金儲けのロジックがどうなっているのか分析してみようと思う。