EV用の急速充電器は出力ごとにグレードが分かれている。
140~220kWオーバーが最速級だが、現状は半数が50kw程度。
田舎の方に行けばたったの20Kw程度の出力で「急速」を名乗っている物もある。
特に日本海沿いの過疎ってるような地方だと、そんな出力でもあるだけマシなエリアもある。
EVを買った後にそういう地方にドライブに行こうと考えると、20kw級の充電器でどれだけ充電できるのか知っておくことは大事である。
冒頭のまとめ
30分で8.7kWhの電気を、71.4kWhの容量のバッテリーに入れることが出来た。
これを元に走行スタイルごとの30分回復距離を求めたものが以下の表である。
走行スタイル | 電費 | 航続距離 | 30分回復距離 |
公称値の電費 | 7.6km/kWh | 542km | 66.12km |
下道主体でゆったり | 6km/kWh | 428.4km | 52.2km |
高速道路をゆったり | 5.7km/kWh | 406.98km | 49.59km |
高速をカッ飛ばす | 4.5km/kWh | 321.3km | 39.15km |
真冬の高速を飛ばす | 3.79km/kWh | 270.61km | 32.9km |
カタログ電費や超高速走行を省くと、走行状況次第で約50kmの航続距離を30分間の充電で賄えることになる。
これとは別に、バッテリー容量を満タンスタートから0%の下のバッファーまで使い切っても、氷点下の高速道路を飛ばす状況なら航続距離は270km程度しか期待できないことが判明してしまった。
実際の充電実験:20kwで30分、夏の深夜に弱冷房。
大雨が降り注ぐ中で、ずぶ濡れになりながら検証開始。
知多半島の先端の僻地で、午前1時2分に残量48%・残り187kmの状態で充電開始。
bz4xには充電制限の問題があるようだが、そもそもの充電器の出力の低さやこの日の走行距離の短さゆえクルマ側の心配はない。
車内でゆったりと休んだ。長距離ドライブなら30分くらいの休憩は何回か取るものである。
車内では程々に冷房を使いつつ過ごした。
1時34分ごろ充電終了。30分に達した時点でクルマの電源も切れた。
合計8.7kWhの電気が入ったようだ。
航続距離表示としては61%・226kmとなっている。
充電開始前は残量48%・残り187km、充電後は61%・226kmということ。
単純に両者を比べれば、30分で13%・39kmぶんの電気が入ったことになる。いや少なすぎるだろ…
充電量・バッテリー容量・状況ごとの電費から20kwにおける30分回復距離を求める
ここで、入った電気の総量、クルマのバッテリーの総量、色々な状況での電費から何kmぶん入ったか求めて行こう。
とりあえず8.7kWh入った。
bz4xのバッテリー容量は、公式サイトの諸元表によると71.4kWhである。
後は電費だが、これは私やYouTuberの方の実験結果から何パターンか用意する。
下道も含めてほどほどのペースで流すと6km/kWh、高速道路をカッ飛ばすと4.5km/kWh、ほどほどのペースで高速道路を長距離走ると5.7km/kWh、真冬の高速道路を暖房全開で飛ばすと3.79km/kWhだ。
この電費やバッテリー容量を元に、30分回復距離を求めていく。
バッテリー容量は71.4kWh。30分で8.7kWh入った。
走行スタイル | 電費 | 航続距離 | 30分回復距離 |
公称値の電費 | 7.6km/kWh | 542km | 66.12km |
下道主体でゆったり | 6km/kWh | 428.4km | 52.2km |
高速道路をゆったり | 5.7km/kWh | 406.98km | 49.59km |
高速をカッ飛ばす | 4.5km/kWh | 321.3km | 39.15km |
真冬の高速を飛ばす | 3.79km/kWh | 270.61km | 32.9km |
もっと様々な条件下で電費をテストしたいという衝動に駆られるが、とりあえずまとめに入って行こう。
充電インフラが乏しい田舎の僻地を走るのであれば、電気を吐き捨てるような乱暴な走りはしないはずだ。これを考えると「下道主体でゆったり」から「高速道路をゆったり」の間である、50kmという数値が30分回復距離の目安としてちょうど良さそうである。
真冬の電費低下率は約15%であるが、これを差し引くと42.5km。
真冬でも30分の充電で40kmは走れるということになりそうだ。
あまりにも使い物にならないため、最低でも40~50kw級以上の充電器を使って行かないとダメそうだ。
主要都市やそういう充電器の周辺に寄ったタイミングで電気をしっかり入れておくのが鉄則だろう。