海外では高値で転売することを「flip」と言うらしいが、「ボロい中古車をタダ同然で買ってきて、修理してから高値で売る」という稼ぎ方を重点的に紹介している「Buddy’s DIY」という自動車整備系チャンネルがある。
ベース車両の見つけ方と調達
どのサイト・プラットフォームでクルマを調達するか
アメリカでは「autoTEMPEST」というサイトを使うようだが、日本では「ヤフオク」「ジモティー」「メルカリ」あたりが良いだろう。
基本的にクルマを見るときのポイントは「走行距離に対する価格の安さ」である。
気になったクルマを検討する際に見るべきポイント
基本的には普通に中古車を買う時と変わらないはずである。
とりあえずBuddy氏の着眼点を紹介していこう。
まずこの個体、社外製パーツがいくらか取り付けられているようだ。
例えばバンパー。変更されているが、残念なことにフロントは錆びてしまっている。
このレベルなら簡易的な補修と再塗装でピカピカに蘇らせることが出来そうだ。
こういう購入では、総じて「サクッと直せる範囲の値段を下げるダメージ」はプラス要素になる。
よく見るとタイヤの状態が良いみたいだ。
タイヤ交換は無視できないコストになるため、これは素晴らしいニュースである。
ただ内装はひどい。かなり激しく汚れているみたいだ。
まあ転売目的なら「掃除すれば直るぶん安く買えて儲けが増える」のでむしろ歓迎するべきかもしれない。動画目的なら「動画のネタも増える」よね。
もう少し見ていると、なぜかドアパネルが無いという面白い不具合もあった。
パーツリストや中古部品を駆使して買いなおすことになる。スイッチ類が欠けていたら自分で補う必要がありそうだ。
説明文も読む。走行距離やメカに関する情報が書かれている。
なお、「No Mechanical Issues」の意味する「故障なし」という一文はほとんどアテにならない。
クルマというのはそんなに簡単に良い悪いを判別できるものじゃないのだ。
ベストコンディションに仕上げれば幾らで売れそうか
相場をチェックしていれば、「最大で幾らくらいで売れるか」はだいたいわかる。
ここのリサーチをしっかり行ったうえで「利益が出せる」と判断すれば買っても良いだろう。
相場が約2.2万ドル。検討している車両は1万8500ドル。差額は3500ドルであり、この3500ドルから修理費と手間賃を引いたものが利益である。
3500ドルは約50万円だ。欠けているパーツはドアの内装パネルだけであったので、これで約50万円の利益が見込めるなら上々だろう。
実車確認
ネットで調べてきた知識だけでは失敗しやすい、経験がモノを言う実車確認だ。
私は4台目くらいの中古車購入でやっとまともな個体を選べるようになってきた。
バンパー部分のサビはなかなかに酷い状態であった。
動画ではわかりづらいが、査定額を下げるようなへこみやキズも確認しておかねばならない。
残念なことにタイヤに釘が突き刺さっていたが、幸いにも空気漏れは起きていないようだ。
内装も見ていくが、エアコンのベントまわりが脱落していた。
詳しくは映さないが、内装の汚れは酷いものであった。
ライト類の点灯テストをしてみたところ、左のヘッドライトが機能していなかった。
可能であればテストドライブもしよう。
車両整備
ここからは徹底的なクリーニングと不具合箇所の整備を行っていくこととなる。
まずToDoリストを作ろう。
タイヤの釘を抜いたら「プシュー」と言い出したので、市販のパンク修理キットで修復。
バンパー類の修復も行う。
社外品の配線が絡まっているので臨機応変な対応が求められる。
ドアパネルはネットで中古品を買えればそれが一番良い。
内装のクリーニングについては、こちらの方はクルマからシートを外してまで徹底的に行ったようだ。
車内が地獄のように汚れているのはお約束。
車種は違えどやることは同じなので、ゴミ捨てや掃除を頑張ろう。
売る
写真を撮って売りに出そう。
「相場より少し安いかも?」くらいの価格で並べて置くのが良いだろう。
わずかな値下げの結果、2万2000ドルで出品していたところで2万750ドルで売れた。
今回の利益・時給について
こちらの表に一覧として書かれていた。
要点だけ抜き出すと以下のようになる。
原価 | $17,452 |
売れた価格 | $20,750 |
利益 | $3298 |
合計作業時間 | 21時間 |
時給 | $157/h |
3298ドルは約50万円であるから、21時間の労働で50万円稼げたということ。
時給換算だと約2.4万円である。