つい先日まで、ガンダムに出て来る人形のモビルスーツに対して「宇宙空間でもヒト型にこだわるなんて非効率だ。見た目だけでしか無い」と思っていた。
しかし、実際にモビルスーツの戦闘シーンを見ていると、そういうわけでも無さそうだ。
むしろ、戦車・戦闘機・歩兵のメリットを併せ持つ、万能兵器であるように見えた。
まともにガンダムを見た翌日だが、ちょうど人類の宇宙進出について考えたいところだったため、あれこれ書いてみようと思う。
予測不能な高軌道
基本的に対空砲撃というのは、一定期間中のターゲットの位置の差分から未来位置を予想して、そこに対して射撃するものだろう。
だから、時速何km/h出ていようと、等速直線運動しかしていないなら簡単に撃ち落とされるというのは、2000年に入る頃からのミサイル迎撃の基本であった。
しかし、モビルスーツの戦闘シーンを見ていると、物理的に説明がつかないレベルの高機動だ。
内部に人間を載せており、重量もあるモビルスーツでは、機動力が制限されるように思う。
しかし、宇宙船の対空砲火が全く当たらないレベルの変態高起動を発揮しているのだ。
当然ながら、目標に照準を合わせたって移動中なので当たる訳はない。
かと言って、「未来予測位置」なんてものは、瞬時に軌道を変える相手に対して効果を見込めない。
跳び回るゴキブリを拳銃で撃ち落とすレベルの難易度であることが予想される。
当たらなければどうということはない。
というか、挙動が変則的すぎて当てようが無いのだろう。
柔軟なる状況対応能力
これは個人の感想文であるためWikipediaからも容赦なく引用する。
宇宙での戦闘であれば、まずは長距離戦で始まり、その後は中距離戦、最後には白兵戦となることが想定され、それぞれに特化した3機種がデザインされた。「重機甲型機動歩兵」「重砲兵型機動歩兵」「突撃攻撃型機動歩兵」と仮称された3機種は、それぞれガンタンク、ガンキャノン、ガンダムの原型となった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%93%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%84
また様々な銃やシールド、短剣だかライトセーバー的なものを瞬時に使い分け、自爆まで行えるようだ。
長距離から機動戦、殴り合いのような格闘戦まで、一騎のモビルスーツだけで対応できる即応性は、ひとつの強さの証だろう。
ちょっと調べてみたところ、バルカン砲や240mm級の大砲、ロケットランチャーにグレネード、ハンマーも搭載できるようだ。
改造や修復が容易
おそらく、整備・補修を容易なものとするため、モビルスーツはモジュール構造になっているはずだ。
やろうと思えば、腕や脚、頭ごと交換できるはずである。
また、手に持つ武器を変更するだけで、様々な状況や目的に装備を最適化できる点も、ヒト型であることのメリットなのだろう。
必要充分な装甲
戦車不要論ではないが、宇宙戦艦のビーム砲をまともに喰らえば、たぶん一撃でやられるだろう。
だが、対歩兵への蹂躙力や、対空信管・砲撃の至近弾でやられない程度の堅牢性が、モビルスーツの手強さとなっているはずだ。
ガンダムではない、モビルスーツ系SF作品では、特にアメリカ陸軍が登場する映画において、この「対歩兵への蹂躙力」という強みが顕著に出ている。
まとめ
「ただのおとぎ話」にせず、ちゃんと物理的にも、戦術的にも、考えられているようだ。
戦闘中の描写や、モビルスーツたちの細かい設定に趣深さを感じながら終わろう。