宇宙進出のために必要不可欠な推進機関について、リサーチを進めていく。
今回取り扱うのはWikipedia ではページの中身がブランクとなっている、「宇宙塵推進」なるものだ
そもそも宇宙塵推進ってなに?
まず宇宙塵は、「うちゅうじん」と読む。
まあ「うちゅうじん」なんて言っても、すべての人の脳に「宇宙人」だと認識されるだろうから「うちゅうちり」で話を始めたいところであるが。
静岡大学の研究にて、以下のように紹介されている。
ミッション途上に存在する宇宙塵を推進剤にすることで地球から持参する推進剤の大幅な低減を図る新しい宇宙推進システム |
とりえず『宇宙塵を推進剤とする宇宙推進機に関する実験的基礎研究』という研究レポートを眺めながら、頑張って理解していこう。
そもそも、現在の宇宙船・ロケットのボトルネックは燃料だ。
船体の大半を推進剤が占めており、航続距離や積載量に大きな制限を課している現状にある。
そこで、「宇宙空間をさまよっている塵を推進剤として使えれば、大幅に燃料を節約できる説」が出てきたらしい。
突拍子もないアイデアに見えるが、宇宙空間上に無数に漂っている塵をそのまま利用できるという点に、研究者たちは実現可能性を見込んでいるようだ。
推進の原理・仕組み
卓上サイズの推進機のコンパクト版を作って実験しているのが見て取れる。
相変わらず高度すぎて理解不能だが、出来る範囲で解読してみよう。
…そもそも、この実験記録で作ろうとしているのは、アルゴンガスと微粒子・プラズマを発生&供給・移動させる装置らしい。
まずシステムの全体図がこのようになっている。
紫色のモヤモヤの範囲内にプラズマを発生させるらしい。
とりあえず注目してほしいのはこの図。
「Carbon grains」という矢印で示された黒いマルのつぶつぶ。
これが宇宙の塵を模した炭素の固体微粒子であり、モーターによってかき混ぜられている。
かき混ぜて微粒子化させた炭素を、アルゴンガスを用いて次のフェーズへ持ち運んでいる。
ガスと一緒に持ち運ぶことで、重力の影響を受けずに粒子を動かせるらしい。
さて、こうやってアルゴンガスに混ぜて運んでいる「炭素の固体粒子を帯電させ、静電加速を行って水力とする」とレポートに書かれている。
そうして放り込まれた炭素の粒子は、プラズマ中で帯電し、静電加速によって推進力となるようだ。
装置は耐熱材であるマコールに取り付けてあるフィラメントカソードとアノード,帯電室となる内径 120mm,長さ 50 mm のパイレックス管で構成され,内部にプラズマが生成される.前述のように粒子の帯電にはプラズマを用いており,粒子には熱速度の大きな電子が付着するので負に帯電する[2].そのため,静電加速方式を採用した本装置の加速グリッドは正に印加してある.加速グリッドには直径 3 mm の孔が開いており,排出口 20×20 mm の開孔度は 34 %となっている.粒子は加速グリッドから 10 mm の位置に設けたアノード上部の推進剤供給口から投入され,プラズマ内で帯電された後,加速され排出される.
ちなみに静電加速や炭素の粒子がプラズマの中で帯電する仕組みについては、色々と調べてみたが私の頭脳ではハッキリと理解することが出来なかった。
科学系の大学に真面目に通っていれば、こういう知識を体系的に身につけられたはずなのだ。
コンピュータと科学は、動かす電子に対する取り組みが違いすぎる。
さてさて、これが実際に制作された装置の画像である。
さきほど説明したモーターによる炭素撹拌機も、プラズマの中で静電加速を行うモジュールも、こんなにコンパクトなところに収まってしまうのだ。
基礎原理をおおよそ知った気になれたところで、私の精神力が尽きそうだ。
とりあえずは広く浅く、様々な概念の知見を集め続けたい。
参考文献リスト
http://accwww2.kek.jp/oho/oho21/OHO21_txt/07_Katayama_Ryo.pdf
http://www.csrea.kobe-u.ac.jp/documents/kasokuki_gaiyou.pdf
https://www.pasj.jp/kaishi/cgi-bin/kasokuki.cgi?articles%2F2%2Fp137.pdf https://web.wakayama-u.ac.jp/~hjs/lab/syuuron/Summary-nisimura.pdf https://www.jema-net.or.jp/Japanese/nps/acc/pdf/kasokuki_kiso.pdf