【3代目 ミニクーパー】ゴーカートフィールは本物であり、先進感のある内装が彩る #183台目【F56後期 LCI2 5ドア 試乗インプレッション】

見た目のオシャレさと普通に買える価格、「ゴーカートフィール」などが支持されるミニクーパー。

3代目は後期型になり装備や見た目の先進感が増した。

冒頭のまとめ

オシャレなクルマだと思ったら大間違いだ。

むしろゴーカートをコンパクトカーサイズで再現したスポーツ車である。

足回りは路面追従性のため、ハンドリングはゴーカートのような旋回フィールのために存在する。

クラシカルなMINIの雰囲気に先進的なテイストを大きく足した素晴らしい外観と装備を持つ一方で、車内の操作系の使い勝手は犠牲になっている。

外観・デザイン

LCIにより先進感や空力が研ぎ澄まされた印象だ。

LEDのテールライトやエアスクープ、開口部を減らしたホイールなどが新しさを与えている。

後ろ姿も期待通り。

内装

マイナーチェンジの前はクラシカルな雰囲気があったが、ビッグマイチェンによって一気に現代的&先進的でディジタルな要素を感じられる車内空間へと変貌した。

BMWと基本コンポーネントを共用しているためナビシステムやシフター、ウインカースティックなどに共通点が見られるが、デザイン優先でもっこりした窮屈な車内造形に邪魔されて使い勝手が悪化している。

なに操作するにしても窮屈。

MINIのスタイリングと世界観があるから許されているだけで、絶句するほどの使いづらさ。

実走行インプレッション

取り回し

車体が小柄なので基本的には良いのだが、低速域でのハンドルの重さと凡庸な小回り性能が一癖あると言えそうだ。

とはいっても最小旋回半径は5.4メートルある。

車体も小さいため駐車場所も選びづらい。特に気にせず買えば良い。

パワートレイン

ドイツと言えばトルク型のダウンサイジングターボだが、このミニに乗っかると驚異的な総合点を誇る。

元の車体が軽いこと、車の雰囲気に合わせトルクの出足を大幅強化している点が大きいのだろう。

少しでも踏めばトルクでスイスイと押し出される。

特にパワーモードに入れた際のブースト圧を保つ制御が巧みで、136馬力しか無いとは思えないような圧倒的なトルクで吹き飛ばされるように加速して行く。

猿投グリーンロードの山道もスイスイと登り続ける。

馬力自体は136馬力しかないため怖いほど速いわけではないのだが、どこまでも速度が乗り続けるようで運転していて非常に楽しい。

直3エンジンもそこそこ気持ちの良い音を奏でる。

ちなみに加速自体はスイフトスポーツのほうが速い。

7速DCTのキックダウン待ちがあるため、予めシフトダウンをしておかないと出遅れ感は出る。

ちなみにブレーキフィールも洗練されている。

少しの踏力でも強力に車速を削れるという頼もしさを持つ一方、踏み始めからドカンと来ることもない。

2020年以降の世代のBMW・MINIはドッカンブレーキでは無くなってきており好印象。

しかしエンジンブレーキの効きはあまり強くない。

モードが3つ存在するが、エコモードではアクセルを抜いた際にギアをニュートラルに入れて空走させる。

ダラダラとした流れや長い下り坂で使えば数kmの距離を空走することも充分可能だが、微妙な減速時にマイルドハイブリッドシステムの充電を掛けてはくれない。

ちなみに信号待ちなどでアイドリングストップ停止した際に、そのままPレンジに入れてサイドブレーキを引いてブレーキから足を離してもエンジンは切れたままである。

軽さとダウンサイジングが効いて、圧倒的な加速力の割には燃費性能も良い。

ちなみにブレーキホールドやレーンキープなどは付かない。

乗り心地

ドイツ車といえばほどよいストロークによって快適性との両立が実現されている車種も多いが、このミニはスポーツカーだ。

ただのスタイル重視の街乗り車ではなく、ゴーカートフィールを実現するためにサスペンションをセットしたドライビングマシンである。

格好に引かれて買う人は非常に多いだろうが、そういう層の乗り心地の好みをあまり考えていない印象だ。

まず市街地においてはドガドガとした硬派な乗り心地。

空気圧が高めに入れられている印象はあったが、全体的にハードだ。

耐えがたいというわけではないが、シビックタイプRのコンフォートモードの方が遥かに快適である。

衝撃吸収のストロークも控えめであり減衰もキツめにセットされているため、街乗り領域では常に上下に引っ張られているような印象を受けながら走っていくことになる。

まぁ慣れればフッツーに乗れるようになるため、乗り心地を気にするなら空気圧を入れ過ぎないようにしておけばいい程度。

ちなみにスピードを上げて行ってもBMWのような適正化される印象はない。

アシのストロークは路面追従性のために用意されているものであり、快適性はあんまり設計に入っていないように見える。

ハンドリング・高負荷領域のドライバビリティ

「ゴーカートフィール」という言葉が非常によく似合う。

「休んでるんじゃねーぞ」という感じだ。

まずハンドルは全体的に重く、パワーステアリングのセットもタイヤを人間の力でこじって曲げるようなテイストを出している。

少しハンドルを切ればグワッと舵角が切れて勢いよく切れ込む。

そのクイックながらもしっかりとタイヤグリップを追い込んでいくフィーリングが本当にゴーカートのようである。

このタイヤの抵抗を感じながら手元で曲げて行く感覚は、シビックタイプRでもないと味わえない印象だ。

コンパクトだが強靭なボディーが、豪快にグイグイと曲がって行くのは並みのコンパクトカーではまず味わえない世界。

しかしフロントのアウト側のタイヤを酷使するようなコーナリングになりがちで、勢いに任せてカーブに突っ込むと「タイヤが遠心力に負けなかったから助かっただけ」みたいな曲がり方になってしまうこともある。

クルマの元気が良いからと調子に乗っていると結構簡単に危ない領域に飛び込んでしまう。

フェアレディZが持つような「リスクある車」というイメージは無いため乗り手も油断しがち。

充分気を付けよう。

路面がうねりまくった山道である猿投グリーンロードでペースを上げてみたが、左右に高低差がある路面に結構持って行かれる。

というか、沈み込むのを感じて、冷や汗をかきながら人間の手でコントロールしながら抜けていくような走行になる。

ゆったり構えて快適に流すという感じではない。

あえてダイレクトに路面の入力を乗り手に伝え、車の姿勢が変わりやすくしている。

結構激しく体が揺れぶられるが、入力が収まるまでは一瞬だ。

スパッと動きが収束して安定するため、スピードを出しても怖くは感じない。

BMWの1シリーズやスイフトスポーツのほうがゆったり快適に乗れる。

コンパクトでスピードレンジが高いというのはMINIの大きな魅力だが、ミニクーパーは硬派すぎる。

160km/hで流す程度ならスイフトスポーツを選んでおいた方が良いだろう。

マルバツ評価

〇:元気の良いゴーカートフィールと先進性の両立

×:コンパクトカーとしての使い勝手や乗り心地は見劣りする。

試乗車の情報・諸元・価格など

ミニクーパーは非常にややこしい。

まず会社名と車種名がよく分からず、ボディタイプやグレード、パワートレインごとの違いもヨクワカラナイ。

車検証を見ながら確かめたのでこの項目の情報は間違っていないと思う…

2021年式のミニクーパー。3世代目のLCI後の後期モデルである。

項目内容
車種MINI 3-Door Hatch (F56)
グレードCooper (クーパー)
製造時期2018年〜2021年頃(マイナーチェンジ後のモデル)
エンジン1.5L 直列3気筒 ターボエンジン(B38)
トランスミッション7速 DCT (デュアル・クラッチ・トランスミッション)

最高出力は 100kW (136PS)、最大トルクは 220N⋅mある。

車重は約1260kgくらい。

新車価格はだいたい350万円~400万円程度。オプションを付けても450万円くらいで買えたらしい。

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