Nimble(素早い)Crossoverが名前の由来であるNX。
大柄で重たいイメージがあるが、実車の走り心地は驚くほど軽快であった。
外観・デザイン

スピンドルグリルのイメージが強かったが、逆に実物はダルマのようにボディの角っこが曲面で丸められているのが印象的。

内装

ディジタル時代にメーターの解像度と画面サイズとフレームレートが低い。
アニメーションなどの演出も少々安っぽいところがあり、レクサスの特別感を削いでいる。

トヨタとの共用や開発コストばかり優先している感じがあり、高級ブランドとしてやっていく気があるのかと思うレベル。
メーカーの人たちはこの手のアニメーションは商品性に影響がないと思っているのだろうか。
プラスチッキーな内装を優れたUIと美しい画面で補っているメルセデスとは対照的である。

シートベンチレーションとステアリングヒーターが付いていたり、ステアリングのポジション調整が電動であったり、ある程度は装備に恵まれていると言える部分はある。
ミラーがドラレコではなく鏡だが。
二列目の居住性
さすがハリアーサイズ。二列目に大人が乗っても困ることや窮屈さを感じることは無い。
二列目の乗員も快適に移動したかったらこのサイズ以上の車を選ぶことになるだろう。
静粛性
条件のいい路面ではしっかりと騒音やノイズのエネルギーをカットしてくれているのを感じられる。
しかし価格帯やレクサスのブランドイメージから考えると物足りない。
上位グレードになると高遮音ガラスが採用される。
カーオーディオについては時間が無かったためテストしなかった。
車中泊適正
レクサスのNXで車中泊というのも変な話であるが、そこそこの全長とフラットなシートを活かせば快適に寝られる。
エンジンも静かなので、いちいち宿に入るまでも無い数時間のガッツリ休憩も快適であろう。
実走行インプレッション
取り回し
アメリカではこのサイズでもコンパクトクロスオーバーであるわけだが、日本で乗る車としては小さいわけではない。
というか微妙に幅が太く感じるところがある。
丸っこいボディ形状のせいか車幅感覚が掴みづらいとも感じる。
このNXは狭い道で白線をはみ出しながら走っていることが多い印象だが乗ってみて納得。
(乗り手がマジメに運転してないだけだけど。)
小回りや取り回し性能は並みだがアラウンドビューモニターシステムが優秀なので扱いで困ることは少ない。
RXほどデカくないので扱いやすいと言えるだろう。人にもオススメしやすい。
パワートレイン
NXの中では最も下位となる2.5リッター直4の純ガソリンエンジン。
この250の他に2.4L直4ターボを積んだNX350やハイブリッド、PHVモデルなどがラインナップされる。
上位モデルは300馬力級のパワーを持つため、加速性能においてもNimbleさを発揮してくれる。
さてレクサスといえば個人的には純正エンジンバランスチューンによって実現された滑らかな粗の無い運転フィールが魅力だと思っていたが、その期待値から見るとこのNXは不満だ。
確かに空ぶかし時の振動は小さい方ではあるが、明らかに先代や他のレクサスモデルと比べて荒い。
空ぶかしの際にはクランクシャフトの慣性で車体が揺さぶられる力さえも感じてしまう。
エンジンの製造コストをケチってるんじゃないか?と思ってしまう。
レクサスの純ガソリンの魅力が一個消えかかっている。
さて最も安い250でも201馬力という充分なパワーを発揮している。
ある程度回転数を上げながら必要なパワーを得ていくタイプではあるが、加速性能は必要充分であり特に不満を感じることは無い。
小排気量というよりは中排気量といった感じの乗り味で、回転数自体は上がりがちだが押し出され感や高級車を最低限名乗れる余裕は一応ある。
特にガッツリアクセルを踏み込んだ際の加速性能とエンジンフィールはこの手のSUVの中では非常に良いモノ。
アクセルを踏み込んでいくと段階的にキックダウンしながら気持ちの良いエンジン音を奏でてスイスイ加速して行ってくれる。
しかしCVTではなく多段式ATなので、ドンとアクセルを踏むとシフトダウン待ちの時間が発生する。
乗り心地
グレードによって大きく変わるところであるが、あくまで素のNX250の評価をしていく。
タイヤホイールを動かして段差に合わせ込んでくれるのは良いが、いささか上下動が多すぎる。
特に都市高速の継ぎ目。
タイヤホイールだけでは衝撃を打ち消しきれずに車体が叩きつけられ、身体が持ち上がってしまう。
全体的に上下に動きすぎ。
段差の衝撃で車体まで持って行かれるという足回りはハンドリング・走行安定性にも悪さをする。
ハイペースで都市高速のカーブを曲がっている最中に継ぎ目を越えると上屋まで揺さぶられてしまう。
運転フィーリングや乗り心地を気にするならお金を足して上位のグレードを買おう。
ハンドリング
スポーティーな走行フィールを強く推し出したいという意志が感じられる。
交差点の右折程度でもステア比はクイック寄り。
道が右に90度曲がるような場面でもスムーズに合わせられるため気持ちの良いハンドリングである。
外から見ていると鈍重なSUVのようなイメージがあるが、実際に運転していると昔のNDロードスターのようなヒラヒラで驚かされる。
ある程度傾いてから、車体をコンパクトに感じさせながら身軽にグイっと曲がって行くのが驚き。
急ハンドルを切ると瞬間的にビュンとインに吹っ飛ぶように曲がる。
とんでもなく車体が傾いて過激に動く。
車の旋回方向への動き方は過激だが、挙動には危険性がないように安定させられる。
マルバツ評価
〇:買いやすい価格と
扱いやすいサイズにパッケージングされた、
レクサスの世界と日本車の経済性
X:ディジタル時代に
遅れを取っている
インフォディスプレイ周り。