唯一のロータリーエンジン搭載車ではあるが、信頼性や使い勝手、デザインや出力などで失敗作扱いされることもあるRX-8。
今回は後期モデルの6速AT搭載車を借りて来たのでその中身をチェックする。
冒頭のまとめ
気持ちの良いロータリーエンジン、重量バランスとロングホイールベースを活かしてフラット&ニュートラルに曲がって行くステアフィールが魅力のスポーツカー。
扱いやすさとロータリーの気持ちよさは今でも唯一無二である。
後期モデルになると信頼性が大きく改善する。
スターターモーターの出力アップなんかも入るため、いま買うならお金をためて後期にしておこう。
私は前期モデルを買っていたが、故障ばかり起こした。
スターターモーターとバッテリー、プラグをちゃんとしたものに変えるだけでエンジンはスッと掛かるようになることを覚えておいて欲しい。
外観・デザイン


内装


ちなみにシートを倒して仮眠しようとすると、この特徴的なメタルの三角形にピンポイントで頭が当たっていたい。潜り込んでいる形状なので頭の位置も定まらない。

二列目の居住性

必用充分な空間がある。悪くないが、相手がフリードやシエンタのようなミニバンだと考えるとつらいものがある。

静粛性
フロアの遮音がガバガバで、路面のゴーという走行騒音を入れまくりである。
スピードを上げると風切り音もうるさくなる。
後期型になって内装の質はマシになったが、ここはほとんど改善はしていない。
実走行インプレッション
取り回し
ハンドルが重く、ミラーが小さくて見える面積がたいへん狭く、フェンダー周りが膨らんでおり車幅感覚も掴みづらい。
駐車中は社外の小型の湾曲したミラーでも付けないと白線は見られないだろう。
車体こそ小さいが、あまり乗りやすいと言えるようなクルマではない。
発進時にアクセルをゆっくり踏んでも、突然ドカンと前に出るところがある。
ハンドル径が少々大きいのも、シフトのギザギザパターンがパッと狙ったギアに入れづらいのも残念。
パワートレイン
選べる中では唯一と言えるロータリーエンジンを搭載している恩恵は非常に大きい。
3500rpm以下の低回転域では「クウォー」という音が響くのみであるが、回転数を上げると特徴的なロータリーサウンドが響き渡る。

私が持っていたマツダスピードバージョンは吹っ飛んでいくほどドカンと加速したが、通常モデルはほどほど。
初期モデルのタイプSは250馬力あったが後期モデルのベースグレードは215馬力、高出力版でも235馬力である。
このせいで加速は速いと言えるか迷うレベルに留まるが、元気よく速度が乗り続けるため加速は気持ちよい。
むしろ初心者が雑に踏んでも危なくないと言える。
前期では4速だったオートマも後期型では6速になり、普通に走れるようになった。
マニュアルモードはあるがスポーツモードが無いこと、パドルシフトが黎明期のためか変速的なレイアウトになっていること、じわーっとアクセルを踏むと連続シフトダウンとなってもたつくことは少々気になるが、普通に乗れるATであると言えるだろう。
乗り心地
特筆すべきことはないが、悪いというほど乗り心地が悪くなく走行安定性も高い。
低価格帯のスポーツカーながら頑張っている純正アシである。
既に7万km走行しているがあまり劣化している印象はない。
アシのストロークはあるが、あまり段差の衝撃を和らげてはくれない。
むしろバンプヒットが早い印象。

ハンドリング
この車のハンドリング特性はニュートラルで素晴らしいが、最初に1つ大きな不満を言うとステアリングの直径が大きすぎる。
スポーツカーにあるまじき大径。なんでこんなものを付けた…
ステア比や旋回性自体は全く悪くないが、この直系のデカいハンドルのせいで体感のテンポが悪くなる。
しかも駐車場や交差点ではこの直系でもハンドルが重い。
パワーステアリングのアシスト量など、明らかに設計をミスっているように見える。
ちなみに私が持っていた初期モデルのマツダスピードバージョンもパワーステアリングでトラブルを起こした。
さてさていきなりイヤなことを言ってしまったが、RX-8の魅力は素晴らしいニュートラルステアだ。
重量バランスが非常によく、頭の重さを感じさせずにスイスイと入って行ってくれる。
ロングホイールベース・重量バランスの良さ・車体の軽さを活かしたスムーズな旋回をしてくれるのがも素晴らしい。
FRといえばあえて前後のバランスを崩して前をグイグイと入らせる車種が多いが、RX-8はむしろテスラのモデル3のようなフラットライド感だ。
下から上まで滑らかに回っていくロータリーエンジンと合わせ、スムーズな走りが楽しめる。
そんな具合にバランスの良さと安定性に振ったものではあるのだが、強い負荷を与えると一呼吸おいてから強力な旋回モードに入る。
FRらしさは奥の方に隠れるが、この懐の深いニュートラルな旋回は2026年に乗っていても見劣りしないものを持つ。
ランエボのXと並ぶ、「今乗っても衰えを感じないクルマ」である。
直線での安定性も高い。
スピードを出しても左右に振られる感じが全くない。
ロングホイールベースが活かされている。