【初代アクア後期】基本設計が古いなりに大奮闘#161台目【試乗インプレッション】

プリウスと同等のハイブリッドシステムや設計思想で燃費を追求したコンパクトカーであるアクア。

海外では「プリウスC」という名前で売られている。

今回乗っていくのは初代の最終モデル。

前期・中期・後期と改良を重ねつつも、そのベースとなるのは30プリウス。

現代のTNGプラットフォームと比べると明らかに古い点が懸念事項であるが、どこまでやれるのだろうか。

外観

知らない人は居ないアクア。

近所の犬でも見分けられそうである。

↓以下、各世代のアクアをwikipediaから画像を引用しつつ見ていく。

最初はおにぎりのような優しい形状をしていたが、二度のフェイスリフトを経て曲面主体の顔つきへと変わって行った。

中期型で少しだけキリっとした表情に変わる。

最終型では曲面主体の優しい顔つきに戻った。

↓ここから先が現行の2代目モデル。曲面主体のデザインをそのままにTNGAプラットフォームをゲットした。

最近行われたフェイスリフトでプリウス系の顔つきに激変。

街で一度すれ違ったことがあるが、横長系だったプリウスのフェイスが縦長系のアクアの丸っこい車体に貼ってあるのは違和感があったが存在感は抜群であった。

埋もれがちなハイブリッドコンパクトカーだったところから一気にキャラクター性が付いたと思う。

内装

30プリウス系の面影がある内装。新車価格が200万円前半でハイブリッドシステムまで搭載していたこともあり、さすがに内容は安っぽさが拭えない。

社用車ニーズも考えられているので多少は仕方ない。

エアコンパネルはボタン類が非常に大きくて使いやすい。

温度調整は銀のダイヤルを回すだけであり、曇り取りや内気循環も遠いながらボタンの表面積が大きい。

カップホルダーは左奥が遠い。謎にナナメ配置になっており設置位置も低く、使い勝手はよろしくない。

プラスチッキーなセンターコンソールにはEVモードとエコモードのボタンが置かれるが、床面の高さにあるため操作性が悪い。

狭そうなイメージのあるコンパクトカーだが、実際に2列目に座ってみると意外と充分な空間があった。

後席はヤリスよりも広いようで、それがヤリスのハイブリッドではなくアクアを選ぶ理由の1つとなるらしい。

ちなみにおそらくカローラスポーツの方が2列目は広い。

静粛性

あまり期待していなかったが必要充分なものを持っている。

ボディ形状のおかげかスピードを上げても風切り音は気にならない。

床下からのゴーというノイズや振動は全くないわけではないが、私は気にならなかった。

実走行インプレッション

取り回し

コンパクトサイズなので特に言うこと無し。

人によっては視界が悪いと言いそうだ。

事実、30プリウスの欠陥であった上に盛り上がって視界を遮って来るメーターパネルはアクアにも存在している。

車体の小ささのメリットが勝るが。

個人的にはプリウス系なのにフロアシフトなのが不満。ハンドルから手が遠く、暗闇ではどのギアに入ったか咄嗟に判断しづらい。

パワートレイン

このクラスのハイブリッドは車重の軽さが魅力だ。

軽い車体をモーターが引っ張り、CVTがヒュンとエンジンの回転数を跳ね上げてパワーを引き出してくれるためスイスイ加速して行ってくれる。

速いと言えるほどではないが、この手のコンパクトカーとしては一切の不満が無い加速性能。

しかし日産のe-powerのようなガツンと来る電気の力は無い。

ガンガン白点線追い越しをしたりスピードを出したいのなら、燃費ダウン承知で日産のe-powerに行くことになるだろう。

一昔前にネットで聞いた「常にエンジンブレーキが掛かってる感」や「すぐエンジン回転数が跳ね上がる感じ」などもある。

気持ちよく走れるし燃費もそこそこ良いのだが、おそらくモーターのカバー領域が広くないのだろう。

エンジンを切ったままモーターだけで走れる範囲が現行のハイブリッドほど無い印象だ。

これにより燃費が伸び悩む。

私が穏やかに流れる田舎道で試したが、ギリギリリッター30kmを越えた程度だった。

50プリウスなら瞬間的に40km/Lを越える燃費を出していた可能性のある乗り方だったのに…

回生ブレーキも強くはなく、減速エネルギーを回収しきれないところがある。

燃費を稼ごうと思うとモーターの力不足を痛感することになる。

高速安定性

コンパクトカーながら高速安定性についてもしっかりとしたものを持っている。

まずボディが軽く空気の抵抗を受けづらい。

加速の抵抗にならず、横風にも流されづらい。

そのため良好な安定性を持つ上に加速性能に恵まれている。

またストロークで乗り心地の良さを実現する足回りが、路面のうねりや多少の段差・衝撃にも対応して路面を離さない。

柔軟な安定感ある走りももたらしてくれる。

1つの注意点として、乱暴にハンドルを切りすぎると大きく車体が傾いてしまう。

少し動かすだけでも充分な応答性で曲がってくれるため、雑に操作しないようにしておけばよい。

この高速安定性は軽自動車に対する明確なアドバンテージにもなる。

200万円で新車が買えたコンパクトカーとしてはかなり良い走行特性を持っていると言えるだろう。

1つ言っておきたいのがレーンキープの弱さ。ただ警告音が鳴るだけ。

クルコンも私のグレードには無かった。

こういう装備を求めるなら現行型になるだろう。

乗り心地

あまり期待していなかったが、2度目のフェイスリフトが来る程度まで熟成された成果だろうか。

30プリウスとコンポーネントが共用であることを忘れてしまいそうになるほど良い乗り心地をゲットしていた。

足回りがしっかりとストロークしてくれる。

段差で飛び上がった後もタイヤホイールのストロークとバンプラバーの部分の衝撃吸収がしっかりしている。

段差の細かい衝撃はコトンと入ってくる。

叩きつけ自体は存在するが、ボーっとしてたら気づかないほど小さいため大した問題ではない。

ちょっと荒れた山道を走ってる時は、奥の方でコトコトと動いてる感じがある。

叩き付けはあるが全体的に上質にいなしてくれている。

所詮は非TNGAの旧式なのでボディ剛性や全体的な走りの質感は古い感じが否めないが、割り切って乗るエコカーとしては何も不満がないくらいのものを手に入れている。

初期型ほどデザインに古さがない後期型、安く拾って安く維持していくアシとしてアリだと思った。

ハンドリング

こちらについても期待していなかったが、意外と操縦性が良くて驚いた。

ハンドリングはクイック寄りにセットされており、僅かにハンドルを振るだけで車体が応答してくれるためダルさを感じづらい。

旋回時の傾きは結構大きいが、傾いた先ではしっかりと安定する。

個人的にはロールさせ過ぎだと思う。これでは乗り手がビックリしてしまう。

しかし乗り物の動き自体には危険性がない。

一定の負荷まではグイグイと切れ込んでいくが、一定以上の急ハンドルになると安定性を優先した抑え気味な動きになる。

雪道性能

今回は雪道も走ってきた。

FFモデルなので雪道には弱そうだが、ただ流す程度なら何とかなる。

しかしFF+ハイブリッドゆえの頼もしさは感じられなかった。

上り坂ではすぐにホイールスピンを起こしてしまう。

トラクションコントロールは器用に緩めながら登って行ってくれるため頼りになるが、そもそもの車両の走破性に限界がある。

一部の上り坂では身動きが取れなくなりそうだ。

これで北海道を走るなら通る道を工夫しなくては。

また最低地上高も高くなくオープンデフなので、雪の上に乗ったりしたらすぐに身動きが取れなくなるだろう。

フォレスターのようにどこでも突っ込めるわけではない。

横着せず自力で除雪したり、安全そうな道を走る必要がある。

もう1つ不安なのが下り坂の荒れまくった凍結路面だ。

ただのスケートリンクではなく、鳥取砂丘のような丘が地面に形成されているところ。

そういう下りでブレーキを強めに踏めば、前が滑って斜め方向に車が流されちゃう動きが強い。

一般的にトヨタのFFってアンダーステア傾向なのでこういう状況に対しては強いほうだろうが、ショートホイールベースの弊害だろうか、明らかにスピンしていくような動きがある。

ブレーキ踏むだけで車がスライドしていく感じになる。

フロントタイヤのキャパシティ不足?

スタッドレスタイヤをちゃんと履いてても、少し強めにブレーキといきなり前が高低差に流されて左右に横移動しちゃう。

後ろを抑えきれなくなってスピン方向に車が回り出すような動きが出る。

ABSも動作間隔がちょっと緩慢な印象があった。

あんまりモーターとffであることが安定感をもたらしてくれない。

ある程度のコントロール性はありつつも、雪道での頼もしさは感じづらかった。

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