【改良後ロードスター(MT)】過剰演出が消えて素性の良さが際立つ!【試乗インプレッション】#158台目

大幅改良が入った後のNDロードスター最新モデルのマニュアルトランスミッションに乗っていく。

パワステやサイバーセキュリティまわりの強化が中心だが、総合的な乗り味は1つの完成系に達した。

外観

内装

今回の大幅改良ではナビ画面が大きくなり、自動で車間距離を合わせてくれウレーダークルコンが付いたのが目玉だろう。

ナビ画面は残念ながらタッチには相変わらず非対応だが、手元のボタンの操作に対するレスポンスは比較的早いため操作にはストレスを感じづらい。

アップルカープレイにも対応している。

そのほかは従来モデルとほとんど変わらない。

変わらないということは改悪もされていないという意味であり、これは素直に嬉しい。

例えばBMWの現行の3シリーズは、大幅改良のタイミングで車内から物理のコントロール系が大幅消滅した。

最近のクルマの風潮が好きになれないユーザーも安心して買える。

古典的な要素や使い勝手と、最新の電子装備や長年の熟成で仕上がった最高のセットアップの両立が楽しめるのも今回のロードスターのオイシイところだ。

現行のNDロードスターを既に持っているユーザーも、一度は試してみて欲しいところ。

静粛性とオーディオ

静粛性については相変わらずの弱点。

特に90km/h以上での運転席の右後ろからの風の巻き込み音がうるさい。

これでも改善は入っているようだが、高速走行には期待しない方が良い。

カーオーディオについては屋根を開けて高速道路を走っていても問題なく音楽を楽しめる程度のものを持っている。

そこそこは音質も良い。

どちらも期待・高評価ともにできないが、そこまで大きな不満ではない。

実走行インプレッション

取り回し・オープンエア

従来のNDロードスターと変わっていないだろう。

軽さとセットで手に入った小柄さによって運転はラク。

ちょっと苦しそうに思えてもスッと収まることが多い。

屋根を開けた際の解放感も格別。

運転中の意識と視野の8割はガラス越しだと思うのだが、なぜか解放感は比べようがないほど違う。

広がるフィールドのすべてを自分の中に感じ、世界が自分を祝福しているような気分になって来る。

パワートレイン

1.5Lしかないのでトルク不足による乗りづらさを懸念していたが、杞憂だった。

ブレーキを踏みながら半クラッチを作る方法の坂道発進でも特にエンストしかけることがない。

クラッチのフィーリングも自然でナチュラル。

突然跳ね返されるようなこともない。

クラッチミートの際に1500回転ほどズレても、半クラッチで吸収できるため気張らず乗ることができる。

エンジンも1.5Lの時点で充分なトルクがあり、街乗り程度ならほとんどストレスがない。

1000回転台前半のままシフトダウンをサボって加速していけるほどではないが。

自然吸気のエンジンには全くクセがない。

下から上までスムーズに回ってくれる。

中回転域から元気の良い音が鳴り、意外と上の方まで気持ちよく長い時間に渡って踏み続けられる。

高速域でのスピードの乗りは悪いわけではないが、特段と速いわけではない。

あくまで必要充分。

ブレーキ性能も充分に高い。

踏み始めでドカンと来ることがないコンフォートな味付けながら、ブレーキ性能にも優れる。

踏んでいってもフロントタイヤがロックするような感触はなく、車速を思い切りえぐることができる。

追従クルコンとMTの相性が良いのもありがたいポイント。

特にシフトアップ時は、クルコンをオンにしたまま左足だけクラッチを踏めばそのまま問題なく変速される。

減速時も一瞬回転数が勝手に上がるようだ。

もしかしたら勝手にブリッピングしてくれていたのかもしれない。

なお軽いおかげで燃費性能も良い。

ほどほどのペースで適当に走っていたのにリッター15kmに迫る平均燃費が出た。

峠道で性能テストをしても、リッター13kmっは越えていた。

エコカーとは比べられないが、一昔前の純ガソリンのコンパクトカーと同じくらいの燃費性能をMTで出せるのは嬉しいところである。

ハンドリング

これまでのロードスターは少しハンドルを切るだけで大きくフロントタイヤの舵角が変わる、演出過剰なところがあった。

クイックな旋回、ヒラヒラ感と評することはできるだろうが、ターンインの領域だけ過剰に反応するようにしただけであるとも言えた。

それが一気にマイルド化され、滑らかに動いていくようになった。

入り口だけクイック化させたステア舵角を使って曲げるのではなく、クルマ全体のバランスの良さが全域に渡って感じ取れるようになっている。

相変わらず切り増しているとかなりの勢いで前がインに入っていく乗り味は健在。

驚くのが急加速と急旋回を同時に行った場面。

FRらしく前後で負担が分散されるわけだが、当然ながらこのパワーではリアタイヤは苦しくはならない。

そしてフロントも車重が軽いため大きな負荷は掛からない。

この2つの別方向の力が完璧にバランスされて、掛かっている力が全く異なる前後のタイヤが同じ負荷で仕事をしてくれるようになる。

デフとのマッチングも良い。

高負荷コーナリング状態で路面がうねったところを乗り越えても、後ろから安定して車両を押し出してくれる。

また旋回中にアクセルを緩める場面でも、フラつくことなく滑らかにクルマがインへと向かっていく。

急な動きが抑制されて安全に乗りやすくなった。

段差を乗り越えた際に飛び上がったり暴れるような動きはまだ残っているが、タイヤホイールのストロークとバンプラバーの仕事によって大きく角が取れた。

また車両が受けている力や路面状況が手に取るように分かるため、修正も行いやすく安心感がある。

あくまで硬派なコンパクトスポーツFRであることは変わらないが、奥が深いコントロールが楽しめるようになった。

強い負荷を与えた際にシャキシャキと動きが収束してくれるので走っていて楽しい。

あまりにも楽しみすぎて、サンバイザーにクリップで挟んでいたカメラがヨコGで吹っ飛ばされて落ちてしまった。

加速力が無い、速くないイメージのあるロードスターだが、旋回方向でタイヤグリップをみっちり使えば身体の内部がえぐられる感覚が出るくらいのコーナリングが可能。

わざと急ハンドルを切ってみても、動きの過激さが取り除かれているのを確認できる。

ハンドルの回し始めはそこそこ穏やかだが、さらに切っていくと非常にシャープなノーズインとなる。

高速走行時も充分な安定性を持つ。

ハンドルのセンターにしっかりとした重さがあるため、直進感があり気張らずに乗れる。

少しハンドルを切ると穏やかにヨコ方向に動き出す。非常に乗りやすく安心感もある。

しかし完璧ではなく、段差を越えた際にハンドルが暴れるという症状が出ることがある。

飛ばす際はこの動きに姿勢を乱されないよう注意しておこう。

乗り心地

今回の大幅改良ではサスペンションには手は加わっていないが、数か月前に乗った初期モデルと比較すると地道な改良の末に大きな進化が実現しているのが感じられる。

段差に落ちるたびに「ゴツン」と叩きつけられるような衝撃を喰らうことはもう無い。

(この段差への墜落ショック自体は消えてはいないが、だいぶマイルド。)

むしろ軽い段差程度ならタイヤホイールがパタッと動いていなす。

高速道路を走っていると遭遇する継ぎ目も、足をストロークさせながら沈み込んでいってくれる。

なんなら路面がおだやかにうねるような場面では減衰のダルさを感じるほどである。

段差を越えた後に底打ちした際の叩きつけは少々硬め。

また固定減衰のスポーツカーということで、設定されている減衰力自体はやはり強いらしい。

路面が全く荒れていないようなところでも、サスペンションが押しつぶされるたびに強い力で路面に引っ張られる動きを感じることがある。

しかしこれは人によっては認知することさえできないレベルのもの。

全体的に乗り心地のしんどさを感じることはほとんどなく、快適に無難に乗れるクルマになった。

ーーー

メモ

〇7不思議

シフトノブの振動

上部へスクロール