2010~2016年の間、だいたい150万円くらいの新車価格で販売されていたパッソ。
典型的なひと世代前のトヨタのコンパクトカーである。
13万キロ越えの老体ではあるが、昔ながらの走りを確かめて行こう。
外観
ド定番のトヨタのコンパクトカー。

万人に広く受け入れられる、数が出るのも納得の見た目。
かわいらしさやデザインコンセプトの良さを持つが、基本的には移動手段として買われていったことだろう。

リアの下回りはスッカスカ

内装
価格が価格なので期待するものではないが、あんまり質感の悪さを感じないプラスチック。

色合いもよく、濡れたタオルで軽く拭けば清潔に保つのもラクそうだ。

余計な装備や部品を排除するというコストダウン設計のおかげで車内はスッキリ感があり、最近のクルマにありがちな「どう使ったらいいのか分からん」ということもない。
実走行インプレッション
雑メンテの13万kmカーシェアということで劣化は避けられないが、だからこその見どころはある。
さてドアノブを引っ張ると、バチっという非常に安っぽい音。
今のトヨタはTNGA・DNGAによってボディが強靭になったが、この頃はそういうの特になかったよなぁ…
車重も1トンを切っている。
取り回し
箱型のコンパクトサイズで視界も良いため言うこと無し。
強いて言うならハンドルの要求回転量が多さが面倒に感じる場面がある程度。
パワートレイン
軽ターボと同じくらいの加速性能。
踏んでいくと直3のエンジン音が鳴るが、飛ばそうという気にもなるようなクルマではないのであまりストレスがない。
微妙にゆっくり走ってるクルマが居ても、白点線追い越しを掛けられるような加速力はない。
回生ブレーキが一般化した中で乗るクルマとしてはエネルギーを無駄にしている感が非常に大きい。
軽いのでブレーキの効き自体は良いが、毎度毎度、かなり奥まで踏んでいかないと車速を削れない。
車重自体は軽くてもブレーキパッド摩耗がそこそこ大きいようにも見える。、
乗り心地・直進安定性
目に見えないところは妥協されがちだが、意外にもこのパッソの乗り心地は良い。
というかほぼ不満が無かった。
数回だけ荒れた路面を通過した際の強い叩きつけや、その後の飛び上がりを感じた程度。
アシをほどよくストロークさせて、ダルくは感じない程度に抑え込んでくれるから快適なのだ。
上下方向への突き上げより、どちらかというとフロアの床面の振動の方が気になるくらい。
60km/hくらいでそんなに路面の荒くない大通りを流していても、靴底がビリビリしてくる。
左右が別々に凹んでいるような道路を飛ばして片輪だけドカンと穴に落ちたり吹っ飛んだりしても、車体全体の姿勢が揺さぶられる感じはあまりない。
新東名120km/h時代に乗るクルマとしても問題ないだろう。
ハンドリング
ロール自体は大きいが、傾ききったあとはスムーズに曲がって行ってくれる。
軽い車体を活かして箱全体でロールして曲がっていく感じ。
急ハンドルを切ると最初に大きく傾くが、その後の動きは安定している。
ロールを抑え込む力をフロント側だけ強くしてアンダーステア傾向の動きを作り、急激な姿勢変化は起こさないようにするという定番の旋回挙動。
速めのペースで郊外の山道を走っても、道に合わせてハンドルを切っていればクルマが自発的にスイスイ曲がる。
交差点の左折ではハンドルの要求回転量の多さゆえの面倒くささ、フロントタイヤの舵角不足によるはみ出しやすさがあるため注意。
意外としっかりした走行特性を持っているわけだが、運転していて楽しいとは一切感じなかった。
下から1~2番目レベルで…
あくまでただの安い移動手段でしかない。
普通車のサイズで150万円で作った、この価格帯にしては大きなプラスもマイナスもないコンパクトカーという感じ。
これはバカにする用途で「パッと作った質素なクルマ」と呼べるほど悪いものではない。