冒頭のまとめ
新車価格230~300万円程度という手が届く価格&乗りやすいサイズ&マツダデザインが魅力のコンパクトSUVだが、その中身は生粋のスポーツマシンであった。

少し回すだけで気持ちの良い音を響かせるエンジンと凝った内外装がドライブへの没入感をもたらし、程よい抑え込みの足回りとシャキシャキしたハンドリングがしっかり感ある走りを提供する。
荷室の狭さや乗り心地などの弱点が無いわけではないが、すべてを吹き飛ばしてドライビングの快感に酔いしれることができる屈指の当たり車だ。
MTが選べるのも嬉しい。

内装・車内空間
使い勝手とデザインに優れる車内空間。
世界観の演出が上手く、ドライブへの没入感を高めてくれる。

3連の丸が並ぶ物理のエアコンパネルにストレート式シフト、タッチには非対応だが操作性が良くストレスが少ない物理のナビコントローラー。そしてブレーキホールド。

おまけに走行中でも高画質なカメラを表示することができる。

元の車体サイズが小さいため必要になる場面はないように思うが、初心者でも安心だ。


しかしカップホルダーについてはやる気がないもので、底面積が大きすぎる四角形に頼りないベロが出て来るだけ。缶飲料はホールドできそうにない。

二列目の居住性・荷室の使い勝手
全長4,275mm×全幅1,765mmということで、1~2人で乗るクルマとしてはコンパクトで扱いやすいのだが二列目を考えると途端に微妙になる。

前後方向への空間は問題ないのだが、左右方向が狭いのだ。
ドアが迫ってきている感じがあり、隣の席とも感覚的に近い。
また二列目シートの背もたれの角度も立っており全体的に窮屈な印象が強い。

トノカバーが邪魔だった上にあからさまに窮屈そうだったので試していないが、車中泊は無理だろう。
デミオサイズのコンパクトカーのSUV版なので仕方ない。
CX-3だと小さいが、CX-5だと大きすぎるというユーザーに向けて、CX-30が用意されている。
あちらはサイズ感のバランスに優れる。
オーディオと静粛性
市街地での静粛性が優秀で、高速域でも新車価格のわりに車内はうるさくない。
オーディオも素晴らしい。
Bydドルフィンに並ぶ。
大音量時の音の鮮明さも、高音の響かせ方も、低音の鳴らし方も素晴らしい。
不満一切なしどころか新車価格に対するパフォーマンスとしては破格だ。
実走行インプレッション
取り回し
もっこりとしている形状は車幅感覚を掴みづらく感じるが、元の車体サイズが小さいため問題にはならない。
アラウンドビューカメラ類を走行中でも出せるため、初心者が乗っても安心である。
パワートレイン
最も安くパワーのない1.5Lの直4に乗ったが、1.2トン程度の重量に対して111馬力/144Nmは思っていた以上に必要充分。
高速域の伸びや立ち上がりでの押し出し、レーンチェンジ加速などの場面では微妙に力不足感を感じないこともないが、この手のコンパクトカーの最廉価エンジンの中では破格のパフォーマンスを誇る。

市街地で強めにアクセルを踏むと結構エンジンがブン回るのだが、これがスポーツカーっぽくて楽しい。
しかしちょっと踏み足すだけでキックダウンとなって高回転域までブン回るため、音がカッコいいから許されてるだけ感は否めない。
MTもATも6速だが、CX-3のATはMTの2ペダル化ではなくトルコン式ATである。
しかし低速トルクが微妙に不足気味なエンジン特性と相まって、低速域でアクセルを踏んだり緩めたりするとギクシャクした動きが出がち。
上記のモロモロのギクシャクやブン周りは、中回転域以上の楽しさで許される。
小排気量ゆえある程度回してパワーを得ていく特性と相まって、3000回転以上のエンジンフィールはアンダー300万円ではトップ級だ。
ぜひMTで買うべき一台である。
ちなみにアイドリング時のエンジンとエアコンコンプレッサーの音が静かなのはありがたいが、マツダのガソリン車はいつもコールドスタートがうるさい。
深夜帯によく外出する人は買えないだろう。
乗り心地
マツダ車のSUV全般に言える弱点は乗り心地の悪さだが、CX-3は特段と悪くない。
程よいストロークとともに揺れを抑え込んでいく欧州車っぽい動き方をしている。
ただゴツゴツ硬くしたのを「外車っぽい!」とはき違えている車種もある中では、比較的まともな乗り心地。
しかし少しでもスピードを上げるとバスバス感のある乗り心地が目立つようになる。後揺れの抑え込みも少しダルさがある。
高速域での動きとの対比で考えると、ピストンスピードが遅い領域での減衰力をダルめに設定しているのだろう。
慣れれば普通に乗れるので特に気にする必要はない。
ハンドリング・高負荷域のドライバビリティ
コンパクトボディを活かしきるセットアップとなっており、シャシーの運動・旋回性能は非常に高い。
腰高感を感じさせることなく、重量感もなく、ハンドルを切ればショートホイールベースを活かしてガッと曲がって行く。
ロールもほとんどない。
急ハンドル時はフロントのアウト側のタイヤへの負荷が大きいが、それだけ挙動が安定しているとも言える。慣れればスキール音を鳴らしながら走れそうである。

揺れを抑え込む動きが急激すぎるため、入り口から出口までの一貫した走りは作りづらいが、エンジンを活かして走っていくのがとにかく楽しい。
初心者から熟練者まで、公道を楽しみ尽くせる乗り味だ。
1.5リッターではコーナーからの立ち上がり加速でイマイチ伸びないが、ブン回せるのが嬉しいポイントでもある。
ブレーキもグッと車速を削ってくれるため、狭いレーンを使い切れる小柄な車体と合わせてテンポが良くストレスなく安全な走りが可能。
またタイヤグリップのマックス値の出し入れも特段とやりやすい。
「もう限界だ」と思ったタイミングで、タイヤの限界のグリップが出たことがハッキリと分かる感じがある。
見通しの良いUの字カーブで試してみて欲しい。
それだけ運転は楽しいのだが、ラリードライバーがやるような、入り口から限界を超えるようなペースで突っ込んでいくような走りには向いていないだろう。
ダンパーは高負荷域では揺れの抑え込みを優先しており、クルマ全体の荷重バランスや移動方向の管理はあまり考えていない印象。
あくまで要所要所で限界値を定めて、瞬間的にエンジンスペックやタイヤを追い込んでいく走りに留まる。
ーーーー以下、うねった路面での高速走行に関するレポート↓ーーーー
市街地ではある程度のストロークを許容していたが、高負荷域では安定性を優先したセットとなる。
おろらくピストンスピードが速い領域での減衰力をギッチリ硬めて居るのだろうが、その抑え込みのキツさが直進性を削いでいる一面がある。
特に飛ばしながら路面のうねりを越えるような状況では、押しつぶされたサスペンションの揺れを収束させる動きが急激すぎて、グイっと車体を持って行かれる。
路面のうねり具合がそのままハンドルを揺さぶって来る印象。

これを「クルマの動きが分かりやすい」と言えば正当化にはなるが、個人的には乗り物全体がどこへ向かおうとしてるのかワケわからなくなる動きだと感じる。
急旋回中に段差を越えてもあまりハンドルが暴れたり崩れるような動きが出ることは無い。
これはSUVであることを踏まえると良い動きだ。
CX-3に対する世間の評価
コンパクトSUVの中でも「走る楽しさ」に定評がある マツダ CX-3。
ここでは、エンジン・グレード別の特徴、メカ構成、世間の運転フィール評価などを整理します。
🔧 基本構造・メカニズム概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車格 / プラットフォーム | マツダ2(Demio)と共通の小型クロスオーバー |
| 駆動方式 | FF(2WD)が基本。i-ACTIV AWD(4WD)設定あり |
| サスペンション | 前:マクファーソンストラット / 後:トレーリングアーム式 |
| 変速機 | 6速AT(SKYACTIV-DRIVE)/6速MT |
| 騒音・振動対策 | ディーゼル仕様には「Natural Sound Smoother」を採用 |
⚙️ エンジン・仕様構成
| エンジン | 排気量 | 特徴・備考 |
|---|---|---|
| SKYACTIV-D(ディーゼル) | 1.5L | 日本市場主力。低速トルク重視・高燃費 |
| SKYACTIV-G(ガソリン) | 1.5L | 日本向け追加モデル |
| SKYACTIV-G(ガソリン) | 2.0L | 輸出仕様(オーストラリア等) |
| SKYACTIV-D(ディーゼル) | 1.8L | 一部輸出仕様 |
🛞 運転フィール・評価まとめ
✅ ポジティブな評価
- ステアリングが軽快・応答性が良い
- 「人馬一体(Jinba-Ittai)」思想による操縦感の良さ
- ディーゼル仕様は低速トルクが豊かで街乗りに強い
- 燃費性能が優秀(特にディーゼルで25km/L前後)
⚠️ 注意・ネガティブな指摘
- 高回転時のノイズ・振動が目立つ(特にガソリン)
- 後席と荷室が狭い
- 荒れた路面ではサスペンションが硬く感じる
- 加速のパンチ力は控えめ(非ターボゆえ)
- ディーゼルはメンテナンスや排ガス対策に注意
👉 Car and Driver レビュー
👉 BusinessCar レビュー
🏁 グレード・仕様別の印象
- 1.5Lディーゼル:街乗りトルクと静粛性のバランスが好評
- 2.0Lガソリン:海外市場では扱いやすい万能型
- AWD仕様:ワインディングや雪道で高評価
💬 総合的な印象
CX-3は「SUVというよりSUV風味のコンパクトハッチ」に近いキャラ。
後席や積載性は控えめですが、運転の楽しさ・軽快感・取り回しの良さが魅力です。
街中のワインディングや通勤用途、短距離トリップに向いたクルマ。
「SUVらしさよりドライバビリティ重視」の人におすすめ。
📎 参考リンク
グレードと価格・諸元について
2024年式の15S Touringだ。おそらく最新型の新車である。新車価格は約230万円。
最廉価グレードながらクルーズコントロールやアラウンドビューカメラ、優秀なオーディオなどを備えている。
↓諸元表
私の評価と世間の評価の乖離
ここから先はchatGPTに私の感想文を読み込ませて、世間の評価との乖離を確かめる。
【CX-3】ユーザー評価と世間の評価の比較
項目 あなたの評価 世間の評価・口コミ 走行性能 1.5Lでも十分に元気で、3000rpm以上のフィーリングはトップ級。
ハンドリングは軽快で、コーナリング性能・車体の安定感ともに高水準。エンジンの回転フィール・ハンドリングともにコンパクトSUVの中でも高評価。
「走る楽しさがある」との口コミ多数。
ただし高速での加速力は「もう少し欲しい」という声も。デザイン 価格帯に対して外装・内装ともに非常に凝ったデザイン。
走りに没入できる雰囲気づくりが優秀。「プレミアム感がある」「マツダデザインが光る」という評価が主流。
特にエクステリアは同クラスの中でも上位評価。内装・操作系 物理操作が多くストレスが少ない。3連ダイヤル式の空調やナビコントローラーが高評価。
ただしカップホルダーは頼りない。操作性の良さは高評価。特に物理スイッチの感触が好評。
一方で収納の少なさや使い勝手の面はやや不満の声もある。二列目・荷室 左右が狭く圧迫感が強い。車中泊も厳しい。
CX-30の方がバランスが良いと感じる。「二列目が狭い」は購入者の間でも定番の弱点。
荷室容量も同クラスSUVの中では少なめとの指摘が多い。静粛性・オーディオ 市街地・高速ともに静粛性が優秀。
オーディオ性能は価格帯を超えるレベルで満足度が高い。静粛性は「このクラスではトップクラス」という声が多い。
オーディオも高評価で、BOSE仕様は特に人気。乗り心地 欧州車っぽい足回りで悪くはないが、速度域によって硬さを感じることも。
高速走行時はうねりに敏感。「低速は快適だが、高速ではややバタつく」という意見が多い。
全体としては平均〜やや上の評価。ハンドリング・ドライバビリティ 小さなボディを活かした軽快な旋回性能。
タイヤグリップ感の分かりやすさやブレーキ性能も好印象。「SUVとは思えない軽快さ」が好評。
ワインディングでの楽しさに惚れ込むユーザーも多い。
一方で高負荷時は動きが急で扱いが難しいとの声もある。総合評価 コンパクトSUVでありながら走りの質が極めて高く、ドライビングの快感に浸れる車。
荷室や二列目を犠牲にしてでも走りを重視したい人に最適。デザイン・走り・静粛性が高評価。
一方で「実用性の低さ」が購入時の最大の悩みポイント。
走りを楽しみたい層からは非常に人気が高い。
概ね一致していたと判断して良いだろう。