冒頭のまとめ
ただデザインが良いだけではない。
強靭なボディーとコトっと揺れを打ち消す快適なサスペンション、高い静粛性がドイツ車のような乗り心地を実現しているし、旋回もアウトランダーのようにオンザレール。
その高級な走り心地はデリカというか、軽自動車界のアウトランダーのようである。
外観





内装





静粛性とオーディオ
静粛性についてもしっかりと気が使われている。
風切り音とか床下からのノイズはあまり入ってこない。
床下も屋根上も必要充分にカットされ、風や路面の音はほとんどが気にならなくなっている。
オーディオについても軽自動車とは思えないほど鮮明。
300万円近い新車価格にも納得。
音量を上げていくと高音がボヤけるということもない。
全ての音域が高クオリティで鳴り響く。
ほんの少しだけ鮮明さが気になる程度で、感動的と言ってもそこまで差し障りはないかなという素晴らしい音響。
車中泊適正
フロントシートに干渉する都合上、二列目を倒すのではなく、一列目のヘッドレストを取り去って倒し切ったほうが空間が使いやすい。

平坦にはならないので敷物などを用意する工夫は必要であるが、ちょっとした秘密基地のような雰囲気になるぞ。
実走行インプレッション
取り回し
定番のハイト(?)系の軽ワゴンなので相変わらず乗りやすいが、シートの座面が前後方向に長いため脚に干渉する人が出るのではないか。

パワートレイン
ネットで書いてあった加速がワンテンポ遅れるという意見は本当である。
踏み込んでから加速が始めるまでになぜかラグがあるのだ。
トランスミッションはCVTなのに、MTを機械が操作しているんじゃないかという遅れ。
私の個体はターボモデルであったが、軽ターボである割には大して速くないと感じた。
ちなみにSモードでパドルを引くと多段式ATとして操れることができる。
長い峠道でのエンジンブレーキでは、ただのD→Bレンジの往復ではエンジンブレーキの微調整が出来ず、シフト操作時に行き過ぎてNに入るリスクを伴う。
ただスポーツ走行が楽しめるのではなくて、安全に坂を下るために重宝するのだ。
雪道の坂下りでも役立ってくれるだろう。
ヒルディセントコントロールも付属する。
ブレーキは少し踏んでからクイっと効く。
非常に頼もしく、剛性感やコントロール性に優れている。
凍結路や雨の段差などのロックが起きやすい状況も、これなら安心感を伴って対応できそうだ。

ハンドリング
むちゃくちゃスムーズ。
切ってから曲がっていくまでの動きは本当に滑らか。
センターには適切な遊びが持たされているため、過敏だったりダルかったりもしない。
ロールの抑え込みも適正で、極端に傾いたりフラットすぎることもない。ハンドルも軽くて操作しやすい。
ハンドルを切ったら切った分だけ、グルッととイン側に吸い込まれるように曲がっていく感じがある。
小柄な車体を活かし切った旋回で、前後重量配分がフラットな車でしか出せないような旋回性の良さがある。
この車ってEVなのかなと思うほど。
コントロール性が非常に高くてリニアである。
スポーツカーやスポーツセダンのような曲がり方とは違う、どちらかと言えばアウトランダーのような乗り物が自発的に旋回していく系の動き。
ハンドルさえ切れば車が勝手に道に合わせて曲がる。
ハンドルを揺さぶっても腰高な感じもない。
乗り心地
軽自動車どころか、ちょっとしたドイツ車並みに強靭なボディーが乗り心地の芯を作っている。
しなやかなにアシがストロークした後に揺れがバスっと収まる。
ダンパーがわずかなストロークでコトッと動いて、抑え込みでもそんなに不安定感が出ない。
橋の継ぎ目で飛び上がった際も、足回りがコトっとストロークしただけで揺れが打ち消されてしまう。
言葉としてはこの程度しかコメントすることが無いのだが、快適性と安定性を非常に高い次元で両立している。
ただよく動くのではなくて、そこまで激しい動作を伴わないのになぜか乗り物が快適にフラットに走ってしまうのだ。
アウトランダーやデリカたちに肩を並べる質実剛健な頑丈さに、高級車としてのしなやかさが合わさってる。
スピードバンプを低速でゆっくり乗り越えた時は傾き方向にもとんでもなく揺れるけれど…
グレードについて
2WDのT PREMIUMだった。