大抵の人間というものは面倒くさがりであり、努力を続けることが出来ない。
これに対して「ダメ人間である」という烙印を押す者が多いが、この本ではそういうことはしない。
科学・人間心理的になぜ人間という生き物が努力を出来ないのか示した上で、具体的にどのような手法を用いれば努力を続けられるのか教えてくれる。
そんな本が『努力は仕組み化できる』である。
どんな人が読むべきか
全人類が読むべきと言ってしまっても良いレベルの本なのだが、あえてピンポイントで指定する。
「なんかやる気が出ない」「やらなきゃいけないことがあるけど努力できない」「でも目標に向かって頑張りたい・頑張らなきゃいけない」「努力が続かない自分はダメ人間だと思っている」
そんな人たちにオススメである。
内容や特に役立ったポイント
今は書評記事より読書そのものを優先したいことや、あまり書きすぎるとネタバレになってしまうことなどを考慮し、簡易的な文章で済ませる。
行動経済学や心理学的な視点から人間の行動や考え方の傾向を分析している。
自分自身が努力を楽しんだり、未来に受け取れるであろう報酬のためにどれだけ忍耐強く待つことができたりするのかしっかり理解しておくことが大事である。
大きな夢や目標そのものを掲げるより、数値で管理・フィードバック可能な日々の行動目標を掲示していく方が効果は高い。
例:私は毎日1回、最低5分間は運動を行うようにします。
運や将来への楽観的視点がどのように努力へのモチベーションに影響するのか語られている。
その世代の置かれている情勢や景気によっても未来への楽観度や努力に対する期待値には変動がみられる。(不景気な世代ほど無気力&絶望的な思考に陥りがち)
「指数割引」と「双曲割引」という概念がある。
同じことでも未来に取り掛かることにするだけでやれる気になれてしまうが、実行タイミングだけ遅らせても一切ラクにはならない。
(例:夏休みの宿題は7月中にやっても8月30~31日にやっても同じだが、人は遅らせたがるし後でやったほうがラクそうに感じる)