【2代目アルファード(3.5L)】 極上の型落ち #176台目【試乗インプレッション】

ずっと気になっていた3.5リッターのV6を搭載したアルファードに乗る機会を得た。

11万kmを越えた2代目ではあるが、雪道における4WDシステムのテストを交えつつ堪能してきた。

冒頭のまとめ

大排気量で緻密に組まれたエンジンとワイドレシオなトランスミッションは脇役に徹している。

その主目的は「応接間を快適に走らせること。」

コンフォート・高級感優先な仕立てだが踏んでいくと気持ちの良い音と爽快な加速を魅せてくれる。

意外と運転が楽しく、プレミアム感も味わえる。

外観・デザイン

この世代のアルファードはまだ顔つきが優しい。

前から後ろに流れていくようなデザインが優美でありスポーティーなテイストもある。

前と綺麗に対象になっているようなテールライトは翼が広がっているような雰囲気もなくはない。

内装

世代こそ古いが、木目やメタル素材などで高級感がある車内。現行とはまた違った良さがある。

シフトレバーの左側の空間はカップホルダーではない。起毛仕立ての謎の小物入れである。

センターコンソールの使い勝手は悪い。

微妙にローテーブルのようになっておりカップホルダーへのアクセスが不便。

アルミ色のリングに覆われた高級時計のようなテイストのあるメーターがカッコイイ。

三列目であっても快適性は非常に高い。広大な車内空間が素晴らしい。

実走行インプレッション

取り回し

この世代のアルファードは実は現行よりもワンサイズ小さい。

数値としては誤差程度だが、そのワンサイズでも感覚的には違いが分かる。

駐車場でも微妙に扱いやすい。

パワートレイン

大排気量の3.5リッターエンジンとワイドレシオの6速ATは遠くで静かに回る。

持ち前のエンジンは主張をしてくるのではなく、むしろひたすらに脇役に徹している。

ワイドなギア比と大排気量ゆえのトルク、緻密に組まれた荒ぶらない回転体を活かして静かに滑らかに走っていく。

低回転域、低負荷域はほぼエンジンが踏ん張らない。

トランスミッションも動作はCVTのようで、変速自体は感じられるが基本的に低回転域で音もなく静かに動く。

ある程度踏んでいっても直4のような回転数を中くらい以上に上げてパワーを得ていく感じがあまりなく、スイスイと余裕を持って加速していく。

「V6 = 速い」という過剰な期待を抱いて乗ると拍子抜けだが、スイスイと気持ちがいい加速が楽しいぞ。

どうせ純ガソリンなら直4でも燃費性能はたかが知れているので、この世代のアルファードは直4のハイブリッドかV6のどちらかをお勧めする。

(もしハイブリッドでも燃費が伸び悩むようなら私のオススメは3.5)

マニュアルモードで変速を指定しても、シフトショックを抑えることを第一優先にしているためか変速の動作は非常にゆったり。

ちなみにブレーキについてはおそらく整備不良あり。

意識してマニュアルモードを使いながら速度が出過ぎないように抑えたい。

乗り心地

約2トンの巨体で11万km。経年劣化が避けられなかったようだ。

新車時の性能が出ていないが、とりあえず感じたことは書いておく。

この世代のアルファードのリアサスはトーションビームだが、乗り心地自体は良好。

簡単に言うと「ふわふわゆったり」といったフィーリングで、車の用途にしっかりと合わせたセットアップ。

市販車の中でも良い部類に入る。

過剰な期待はしない方が良いが、快適な車内空間で移動できる。

しかし経年劣化の影響か、段差を越えても衝撃をあまり吸収してくれない。

ちゃんと4つの足回りを使ってくれてはいるが底付きしてしまう感じがあり、路面が荒れたところではドタドタ感も。

そこまでひどく暴れ散らかすわけではないが、耐久性に期待したいアルファードにおける11万5000kmで分かるくらいに抜けちゃうのかぁという思いはある。

内装パネルにも経年劣化があるのか、段差を越えた時にミシミシと聞こえることがあるようなないような。

気になるなら場所を特定して該当パネルを外し、スポンジテープでも貼って戻すなりする必要がある。

ハンドリング

あまりドライビングプレジャーに期待されない車だが最低限のものは持っている。

だが基本的にこの車型の物体は高重心なデカい箱でしかなく、スラロームのように揺さぶればポワポワしたような動きになる。

ハンドルの直径も大きめで全体的に大きな箱をゆったりと動かしていく印象がある。

ステアリングレシオもダルくはないが少々ゆったり感。

3.5Lエンジンを積んでいても「スピードを上げてカーブに突っ込んで駆け抜けていく」という方向性ではない。

カーブではそこそこロールするが、傾き終わった後は動きが一定で安定する。

走行安定性においても足回りのキャパシティは充分ではない感じがあり、あくまで走行性能やドライビング体験については必要充分と言ったところ。

ちなみに旋回中に強めにアクセルを入れても、そこまで露骨に前がアウトに逃げるということは無い。

思いっきりパワーに負けてアウトに流されるとか、そういう酷いものではないぞ。

「重い、デカい、古い、劣化してる、今ほどボディが頑丈じゃない、そっち系の車じゃない。」ここらへんの現実をしっかりと頭に入れた上で実車と向き合えば大きく外れることは無いので安心して欲しい。

高速安定性についてはアルファードは図体のデカさの割には悪くない。

しかし今の世代と比べると路面のうねりで左右に持って行かれる感触は少々強めで、「スピードを上げても安心感がある」とはちょっと言えない…

雪道

基本的にFFで、4WDボタンを押すと四輪駆動になるタイプ。

だが車重で駆動輪を押し付けてグリップさせるためか、FFモードでも力強い走りを見せてくれる。

登り坂の発進で前が滑っても、ガンッとアクセルを抜くのではなくある程度の空転を許容する。

これによって路面を掻いていくことができるため、雪道の発進でもグイグイ進むのが素晴らしい。

4WDモードをオンにすると二倍以上の力で前方へと吹っ飛ぶように発進させていくことが可能。

実用上ありえないというレベルまで踏み込まないとスリップさえ起こさないようである。

車重が滑りづらさに貢献しているようにも見える。

しかしブレーキのほうはダメ。

当たり前ながら4輪駆動になっても下り坂で止まりやすくなるわけはない。

むしろ重量増加になるレベル。

凍結した急な下りの坂道では本当に無理が出来ない。

マルバツ評価

〇:優雅なる移動空間

×:排気量のわりにパンチは控えめ

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