2代目インプレッサの中期型に乗っていく。なぜかオートマモデルで経年劣化も激しいが、持ち前のエンジンや旋回特性は確かめられた。
冒頭のまとめ
軽量なボディで豪快にブン回るEJ20型エンジンがとんでもなくスリリングで強烈な加速を魅せる。
車が作られたのが2000年代前半ということで、ボディ剛性やクルマ全体のバランスには未熟さを感じざるを得ない。
ドアを閉めたときの感触なんて軽トラに毛が生えた程度だ。
各所の経年劣化も酷く、乗り物の性能を把握するのに適している個体だとは言えないため、フィーリングを楽しむ程度のドライブとなった。

このインプレッサの戦闘力や速さはこんなモノではないだろう。
クルマの素性を引き出せなかったのが残念だ。
2世代目のインプレッサについて
chatGPTにこの世代のインプレッサに関するレポートを書いてもらった。
1. パワートレイン(EJ20ターボの熟成)
水平対向4気筒 EJ20 ターボを搭載。小排気量ながら高出力を実現し、STIでは280ps(自主規制上限)まで到達。
低重心化に貢献するレイアウトで、走行安定性と独特の吹け上がり感が魅力。
ターボモデルでは強烈な加速と中低速トルクが武器。タービンの過渡応答はやや唐突ですが、それが「ターボらしさ」として好まれました。
2. ドライブトレイン(AWDシステムの高度化)
シンメトリカルAWDを全車採用。縦置きエンジン+センターデフ式という理想的なバランス。
WRX/STIでは DCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・ディファレンシャル) を搭載。ドライバーが手動で駆動力配分を変えられるのは大きな特徴。
前後LSDも充実(STIではフロントヘリカルLSD+リア機械式LSD)。コーナリング時のトラクション性能は同時代のライバルを凌駕。
3. シャシー & サスペンション
セダンはGD、ワゴンはGGという2種類のボディ。ワゴンでも走りの質は高水準。
サスペンションは前:ストラット、後:ストラット(倒立式ダンパー採用グレードあり)。
STIグレードではボディ補強、ブッシュ硬化、専用セッティングによりサーキット走行対応レベル。
軽量・コンパクトなボディサイズ(全長4.4m前後)が功を奏し、俊敏かつ安定感のあるハンドリングを実現。
4. トランスミッション
STI専用の6速MTは、強度とシフトフィールに優れた名機。耐久性の高さから「シフトが壊れないWRX」として評判。
ノーマルWRXの5速MTはやや弱点(ハイパワー仕様だと破損しやすい)が、軽快さでは好まれました。
一部グレードには4ATも設定され、日常使いも想定。
5. ラリー直系の設計思想
WRC参戦を前提に開発されたモデルで、エアロ形状や冷却性能、剛性設計などがモータースポーツ直結。
STIには専用ターボ・インタークーラー・大径ブレーキ・レカロシートなどを装備。まさに「公道を走れるラリーカー」。
実際に新井敏弘選手やペター・ソルベルグがWRCで好成績を収め、この世代のイメージを強化しました。
6. 総合的な強み
- 低重心+AWDの安定感
- EJ20ターボのパンチある加速
- 6速MTやLSDによる走行性能
- WRC直結の信頼性と実績
この世代は「扱いやすさ」と「尖った走り」のバランスが絶妙で、のちの大型化したGRB系以降よりも“コンパクトで戦闘的”なキャラが光ります。
—ATとMTの違い—
1. エンジン出力の違い
MT仕様(WRX / STI)
→ フルスペックのEJ20ターボ。WRXで250ps、STIで280ps(自主規制いっぱい)。AT仕様(WRX AT)
→ トルコンATに合わせてチューニングされ、馬力・トルクが抑えめになっています。例:2004年式 WRX ATは220〜230ps前後に制御されているケースが多い。
理由は、当時の4EATの耐久性とスムーズさを優先するため。
2. 駆動配分の違い(AWDシステム)
MT仕様
センターデフ+ビスカスLSDが基本。
STIなら「DCCD(前後駆動力を可変制御できる電子制御LSD)」を搭載。AT仕様
電子制御多板クラッチ式AWD(アクティブトルクスプリット)を採用。
通常走行時は前寄り(前60:後40くらい)ですが、滑ると後輪に多く配分される方式。
MTのような「50:50固定感」はなく、より日常ユース寄り。3. サスペンション & ブレーキ
STIは6MT専用で、強化サス・大径ブレーキが標準。
AT仕様のWRXは、ややソフトな足回りと小径ブレーキが基本。
→ 普段使いには快適ですが、峠やサーキットでは物足りなさを感じるかも。4. 車両キャラクター
MT仕様
「ピーキーだけど鋭い」ラリー直結のキャラクター。
ドライバーの操作で走りを引き出す楽しさが大きい。AT仕様
「街乗りでも扱いやすいターボセダン」。
スムーズな発進と日常域の快適性が強み。
ただし、ATフル加速ではトルコン滑り+ギア段数の少なさで、MTほどダイレクト感はない。まとめ
- 出力控えめ
- AWDが電子制御式
- サスやブレーキがマイルド
という違いがあり、「戦闘的なスポーツ」より「日常とスポーツの中間」というキャラクターになります。
外観・デザイン
この世代のインプレッサはモデルの中で2回のフェイスリフトを行っている。
これが前期型。通称は丸目だか涙目。「虫っぽい」とか言われて不評だったそうだ。
2年程度でフェイスリフトを入れたあたり、販売台数に影響があったのだろう。

これはその中期型。丸目改なんて呼ばれているらしい。

これが後期型の鷹目。




熱でやられたのか、ボンネットインシュレーターはボロボロである。

あちこちガタが来ているが、持ち主はわざわざ直していないらしい。
内装


フォグランプスイッチの場所にあるのはメーターの明るさを調整するダイヤルだ。

ドアはお気持ち程度のブルーの布地が貼られる。

エアコンは丸三連なので単純明快。フルオート対応。

私の個体は4速ATらしい。スポーツシフトボタンのようなものがあるが、あまり違いは分からなかった。

実走行インプレッション
コールドスタートはそこそこうるさいが、一旦暖まるとちょっとドコドコ言うかな程度になる。
始動してから10秒程度で周囲が排ガス臭くなる様子には時代を感じる。
パワーステアリングの調子が良くないのか、低速域でのハンドルが異様に重い。
右に回した際と左に回した際も微妙に応答性が異なっており、常に振動しているような感じもある。
ダンパーも交換タイミングをガン無視しているのか減衰設定のミスなのか、常に小刻みにプルプルと震え続け、その揺れが収まらないという印象。
ルームランプも片方の電球は切れており、足元には変な配線がむき出しになっておりペダル操作に干渉しかけているし、パワーウィンドウやミラーも弱っており調子が悪い。
ちゃんとコストを掛けてメンテナンスすれば一気に改善しそうだが、ゴムブッシュ類や不安な補器類なんかも変えていたら50万円以上飛んでいく可能性がある。
繰り返しになるが、車両状態もグレード選びも悪いため、乗り物の真の性能に迫ることはできないだろう。
この車両は「誰も買い手がつかないレベルでボロボロなんだけど、まだ走るから廃車にするにはもったいない。せっかくの希少な昔のスポーツカーだし誰かが事故って廃車にするまでカーシェアに出そう」程度の運用となっているのかもしれない。
取り回し
車体が小さいので苦労することはほぼ無い。
バックカメラの取り付け角度がおかしかったが、元の車体サイズのおかげで気になることも無かった。
エンジン
新車の輝きもマニュアルトランスミッションも無い絶望個体だが、エンジンだけは現役だ。
機械をいたわりつつ慎重に限界を確かめていたが、エンジンだけは元気よくブン回って最高のパフォーマンスを発揮していた。
1000回転台の低回転域は普通なのだが、中回転域から恐ろしいくらいに世界が変わる。
空ぶかしで高回転域まで回すと、エンジンが暴れる。
具体的にはクランクシャフトの回転の慣性力で車体がブルっと揺さぶられるのを感じるのだ。
いま思い返すと「エンジンマウントが劣化してるんじゃね?」と思うが、軽トラのような軽い車体にトンデモナク刺激的にブン回る高回転型エンジンが乗っかっているという現実がそこにある。

それだけの刺激でとんでもない加速をしていくため、慣れるまではベタ踏みするのが怖いぞ~。
ある程度回転数やアクセル開度を上げていくと、ブースト圧が掛かってありえない加速を出すようになる。
「2トン450馬力」みたいな構成のクルマではまず出ない、軽いクルマでしか味わえないようなスリリングな加速を魅せる。
オートマについて
4速ATについては無難の一言。
変速ショックや動作のトロさなどの不満は特に感じない至って普通の乗り味であった。
スポーツシフトモードは付いていたが、よくわからなかった。
マニュアルモードで任意のギアを指定して高回転域までブン回すだけで恐ろしく刺激的な走りは確かめるが、このインプレッサでオートマを選ぶ価値なんてどこにあるのだろうか…
私はMT信者でも何でもないが、マジでこのインプレッサでATを選ぶ理由が分からない…
高速道路は走っていないため、巡行回転数については未確認。
乗り心地・ハンドリングについて
さっき言った通りダンパーが完全に終わっているのだろう。
僅かな段差でも常に車体がブルブルと上下に揺れ続ける。

段差を越えるたびにハンドルにはガタンと衝撃が入り、足回りも衝撃吸収がほとんどない。
路面がガタついた田舎道では踏もうと思えないレベルでガタつく。
しかし恐怖心に打ち勝ってアクセルを踏むと、なぜか車体はそんなに暴れない。
むしろうねりや段差をこの足回りがいなしてくれるようになる。
乗り物のバランスは崩壊しているように見えるが、ペースアップするとなぜかシャシーが付いてきてしまうのだ。

ハンドリングについても少々不思議で、スラロームのようなハンドル操作をしている限りはあんまり機敏さが出ない。
ロールの抑え込み自体は早いが、前がグイグイとニュートラルに入る感じは薄く、ハンドルを切ってもあまり過激に車体が動かない。
しかしハイペースでコーナーに飛び込んでいくと、なぜか今度はインがグイグイと入っていくようになる。
前下がりの安定した姿勢で、なぜかフロントが遠心力に負けることなくスイスイ入っていくのだ。
スペック・価格・グレードなど
WRX 2004 Vリミテッド の4速ATである。新車価格は約280万円。
