【検証】Xiaomi YU7の批判は半分ウソ?疑惑の不具合まとめ

中国市場で驚異的なスタートを切った電気SUV「Xiaomi YU7」。予約開始からわずか18時間で24万台を突破し、大きな話題を呼びました。

しかしその裏で、納期遅延、品質への疑念、注文画面のフリーズ、さらには安全性の問題まで、様々なトラブルが噴出しています。本記事では、各事案を信頼できる情報源に基づいて詳細に解説し、「YU7とは一体何なのか?」を冷静に検証します。


1. 注文フリーズと納期トラブル

YU7の注文は、Xiaomi公式アプリやECサイトを通じて実施されましたが、初日には注文画面がフリーズし、注文完了の可否が不明なまま支払いが完了するケースが多発しました。

ユーザーの多くが体験した問題:

  • ページが読み込み中のまま操作できない
  • 仕様変更やキャンセルを試みるも反応せず
  • 後日、”ロックイン”されたことが通知されるが、納期は40〜60週間(最大で1年以上)

この時点でキャンセルはできず、5,000元(約10万円)のデポジットも返金不可。Xiaomiの顧客対応は「生産を増強中」とするものの、明確な補償は提示されていません。


2. ブレーキ発火と高温異常

走行テスト中に前輪ブレーキが発火。制動時の温度は最大619℃に達し、厚い煙と火花が確認されました。

  • これは同社SU7でも起きており、重い車体+制動設計に共通の欠陥がある可能性
  • 業界基準では、600℃超は非常に危険な温度とされ、ブレーキ機能喪失のリスクあり

Xiaomiは「高負荷状態での連続走行が原因」とし、通常利用では問題ないと主張していますが、ユーザー側では懸念が根強く残っています。


3. スマホ向けチップ採用の懸念

YU7のコックピット制御用SoCに、スマートフォン向けのSnapdragon 8 Gen 3(コンシューマーグレード)が採用されています。

  • 耐熱範囲:0〜70℃(車載用チップは-40〜125℃)
  • 寿命:3〜5年程度(車載用は10〜15年)
  • AEC-Q100などの自動車向け品質認証は不明確

コスト削減の意図は明らかですが、安全性や耐久性の面で信頼性を疑問視する声が業界関係者からも上がっています。


4. 車体設計における「見せかけ」部品の疑惑

ある動画レビューでは「片側のサスペンションアームがダミーで、配線も通っていない」といった設計上の不正確さが指摘されました。

ただしこの点に関しては、

  • 公式スペックでは両側とも独立懸架+電子制御ダンパーと記載あり
  • 専門レビューやメディア報道には該当記述なし

このため、現時点では裏付けのない推測・誤解の可能性が高く、慎重に受け取る必要があります。


5. 「高強度鋼」=名前だけ問題?

「super strength steel(超高強度鋼)」という表現も物議を醸しました。これは素材カテゴリ名に過ぎないのではないかという指摘ですが、実際には:

  • A/Bピラーなどに2200MPa級の超高強度鋼が使われている
  • ダイキャスト構造も導入されており、車体剛性は高い

つまり、マーケティング的な表現は含まれているものの、素材自体は本物です。


6. 転売ヤー問題とプレオーダーの闇

YU7の人気に目を付けた一部の業者や個人が、

  • プレオーダー枠を100台以上確保
  • 車種・顧客名・年齢・性別を含む情報とともに「納車予約」を販売
  • 実際に中古市場では”0kmの中古YU7″が数日で出回る

これにより、正規ユーザーが納車されず、転売ヤーから高額で納期短縮車を買わされるという歪んだ市場が発生しています。


7. 注文ロックインと返金拒否の仕組み

  • デポジットは明確に「返金不可」と規約に記載あり
  • 注文後一定期間はキャンセル可能とされるも、フリーズ・バグにより操作不能でそのまま”ロックイン”
  • ロック後は納期遅延が発覚してもキャンセルできず

これに対し、200人以上の購入者が集団で返金・謝罪・納期説明を要求する運動を展開中です。


8. YU7のスペックと魅力(フェアな視点)

  • モデル最上位「YU7 Max」は0→100km/h加速3.2秒、690馬力、航続800km(CLTC)
  • 内装は大型ディスプレイ3枚、AR HUD、マッサージ機能など贅沢装備
  • 自社AI運転支援「Xiaomi Pilot」も搭載

スペック的には、価格帯を考えれば非常に魅力的で、外見やデザイン面でも若年層に訴求力があります。


結論:YU7は「夢のEV」か、「走る炎上案件」か?

Xiaomi YU7は、確かに驚異的なスペックと価格で話題を集めています。しかし、受注体制の未熟さ、転売市場の温床、安全設計への懸念、ユーザー対応の不備など、まだ“信頼に足る製品”とは言いがたい側面も多いのが現実です。

これから購入を検討する方は、マーケティング文言に踊らされず、冷静に事実とリスクを見極める必要があります。

それでもあなたは、YU7を選びますか?

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