【ミニクーパー】実は最も理想的なスポーツ?ガッチリ感と快適性を両立する味付け【試乗インプレッション・2代目ミニクーパー】#114台目

かわいらしいデザインと「ゴーカートフィール」で広く愛される第2世代のミニクーパーだが、いざ運転してみるとその懐の深さに驚かされた。

冒頭のまとめ

コンパクトな箱である車体をガッチリと仕上げ、快適性を出すための間やストロークを持たせつつもダルさは打ち消している。

これによりクイックな走りが楽しめる一方、乗り心地は快適で本格はスポーツのように硬かったりはしない。

高速安定性も充分に高いため、かなりのスピードで快適に高速道路を巡航することも可能だ。

サイズ感や性能、快適性などの総合バランスはトップクラスで、日本で乗る際に最も理想的なドイツ車であると感じた。

外観・デザイン

この2世代目のミニクーパーは2006年から2016年まで生産されていた。

つまり2006年相当であるわけだが、普遍的なデザインのおかげであまり古さを感じない。

丸を基調にしたカワイイ顔つきをしており、ほどよく低くワイドに構えたスポーティーな雰囲気もある。カラーリングもオシャレ。愛されるのも納得だ。

樹脂部分が白っぽくなってしまっているが、オーナーがホイールコーティングとこまめな洗車を行っているからなのか非常に高いレベルで美観が保たれている。

テールランプはハロゲンである可能性が高いが、LEDのような美しい光り方をする。

奥行きや芸術性も感じる造形であり、古さを感じさせない。

テールランプひとつで外観のイメージを大きく底上げして先進的に魅せるのはドイツ陣営の得意ワザだ。

MINIクーパーのボンネットが開かない!!

最後にひとつ不満を言いたいのだが、ボンネットを開けるのが難し過ぎる

かなり奥まったところにあるロック板を探し当てて指を押し当てる必要があり、これが非常に初見に不親切なのだ。

指がむちゃくちゃ汚れるし、ケガをする危険もある。

現行型では2回ラッチを引くだけで持ち上がるようになったらしい。

そんなラッチの課題さえ乗り越えてしまえば、ボンネットは面積が広いわりに軽く上がる。おそらくアルミ。

剛性を出すためなのか開口部がやけに狭い印象を受ける。整備性が悪化しているのではないか・・・???

ボディがガッチリ仕上がっているのでリターンは得られているわけだが…

内装

遊び心に溢れた楽しい内装をしている。MINIは世界観の演出が上手い。

フロアマットのイギリス国旗も良いアクセントになっている。

センターメーターの速度計が人間の意識から外れやすい点は不満である。

一応タコメーター下のディジタルディスプレイにも速度が表示されるが、持ち前の安定性と合わせて知らぬ間にスピード違反して捕まりそう。

社外品のヘッズアップディスプレイでも用意したほうが良いかも。

ミラーのスイッチはかなり変速的で、右か左かにクイっと振り切るように一回入力するとミラーの格納操作となる。

運転席右奥のスロットに鍵を押し込んで、スタートボタンを押してエンジンを掛ける。

取り出す際は引っ張るのではなくて、もう一度押し込むとカギが取り出せる。

丸っこくて可愛いカギ。

一部のスイッチ類は操作が変則的で慣れるまで扱いづらいが、ちょっとした非日常感を味わえる。

飛行機のようにパチパチとやる照明のスイッチは、奥に倒しても手前に倒しても良い。

お気持ち程度にアンビエントライティングの色が変更できるが、夜に運転していても車内が色づいている感じはしない。

カーオーディオはラジオとAUX入力のみ。Bluetoothオーディオを使いたい場合、AUXに流し込むユニットをネットで買って来よう。

エアコンスイッチは単純明快だが、パワーウィンドウが奥まった位置にあって操作しづらかった。

シフトはストレート式。移動距離が長めなので操作ミスは起こりづらい。

窓のパワーウィンドウのスイッチは指の関節に無理をさせるような位置で操作することになる。

左に倒すとスポーツモードだ。

静粛性

ゴワゴワとした音が下から響いてくるが、基本的に静粛性は悪くない。

特段と良いわけでもないが無難に快適に過ごせる。

オーディオは叩いてくるような低音の迫力があり、音量もしっかりと出ている。。

実走行インプレッション

取り回し

車体は小さい箱型であり、窓も広くて視界にも優れるため何も難しいことが無い。

私が乗った個体にはバックカメラが無かったが、窓を開けて軽く顔を出すだけで輪留めまでの距離も一発で掴める。

パワートレイン

走り始めから充分なトルクで発進し、ストレスフリーに走れる。

変速ショックもほぼない。

街乗りでは踏めば踏んだだけグイグイと押し出されていくようなパワフルな加速感が楽しめる。

上り坂でも高速道路の追い越し車線でも、基本的にパワー不足を感じる場面はない。

踏めばかなり元気のいい直4サウンドを響かせる。

パワーモードにすれば滑らかにキックダウンしつつ速度が乗っていくため、踏んでいてもあまりストレスがない。

しかし2速と3速が離れ気味で、高速巡航中は6速でも常時3500回転オーバーになる。

マニュアルトランスミッションとの兼ね合いがありそうだが、これはギアの段数を増やすと改善しそうだ。

ブレーキタッチも良好で、踏んでからワンテンポおいて穏やかに制動力が立ち上がる。

踏みはじめは穏やかだが、踏み足していくと強くグイッと制動力が立ち上がるため非常に頼もしい。

コントロール性にも乗り心地にも良いブレーキ。低ダストパッドが入っている可能性はあるが。

乗り心地

多少のゴツゴツ感はあるが、足がしっかりストロークする快適な足回りだ。

抑え込みが適切で不快な上下動がない。

多少の衝撃ならアシの上下の動きだけで完全に処理してくれる。

しっかりとしたストロークを持ち、必要充分な衝撃吸収も行ってくれる良いショックだ。

しかしダンパーでは受け止めきれないレベルの衝撃が入ると、車体に硬い衝撃が入ってボディが上下にガタガタ動いてしまう。

ボディ自体はドイツ車水準の高剛性なのでグシャらないが、たまに硬さを感じることになる。

見かけやサイズに反した驚きのガッチリ感である。

ハンドリング

切り始めから前がグイグイと動いて行く。

ハンドルを切った直後には一瞬だけ間があるが、ほとんどロールせずに動き出す。

フロントのアウト側のタイヤをグリグリと容赦なく路面に押しつけて、フロントタイヤのグリップをガンガンに使いつつ、グリップ感も乗り手に思い切り伝えつつ曲がっていく。

この車で峠を攻めているとフロントタイヤが爆速で減りそうだ。

ちょっと強めにコーナリングを行っただけで、タイヤからゴーという音が聞こえてくるレベル。

最低限の荷重移動が産まれる程度しか傾かず、前が曲がり始めた瞬間にはもうロールは終わっている。

ハンドルを多めに切ればすぐにインにパッと向かうため、緊急回避においてもラグがない。

道に合わせてハンドルを切るだけでスムーズに曲がれるため、乗り手が荷重移動やタイヤグリップ管理などを行う必要はない。

万人向けの味付けとなっている。

コンパクトなボディや少し切るだけで曲がり始めるハンドル、ちょっと踏むだけでグイッと減速するブレーキのおかげでかなり気持ちいい走りが可能。

ダウンヒルでもスムーズに走っていける。

ただしギア比のせいでエンブレはかけづらい。

シフトショック低減のためか、ダウンシフト操作をしてから実際にギアが変わるまでの間にもラグがある。

急加速中に段差でタイヤが宙に浮くとハンドルをガタッと持っていかれるのは注意。

鈴鹿スカイラインなどのガタガタ路面では、この特性があるため迂闊に開けられない。

超高速域の安定性

120馬力と全長3745mmx全幅1685mmというサイズが嘘のような驚愕の安定感だ。

持ち前のエンジンパワーと合わせてスピードがすぐに乗っていく。

程よくストロークしながらも不安定な動きが出ないように抑え込むBMWのようなアシのおかげで非常に安定性が高い。

飛び上がるような動きがあっても、路面の段差で片輪だけ落ちても、しっかりと足回りを動かして吸収していく。

ハンドルを切ってからワンテンポ経ったあとにクルマが動き出すが、その瞬間にグラつきがあるためスピードを出した状態でのレーンチェンジは少し怖い。

なお空力特性よりはデザインを優先しているようで、他のドイツ車よりは車両後方にできる風の渦に引っ張られる力が強いと感じた。

風や路面のうねりにハンドルを持っていかれがちで、メーターに書いてあるような200km/hオーバーのスピードは現実的ではないように思う。

超高速では窓が開いてる?という風の吹き込み音が出る。

サッシュレスウィンドウの弊害か。

グレード・価格・スペック

発売当時の新車価格はおそらく270万円

おそらく新車価格270万円のクーパーであるが、あまりにもMINIのラインナップが広すぎて具体的なグレード名が特定できなかった。

車検証で確定している情報を挙げると2013年登録、エンジンは型番「CBA-SU16」の1.6リッター、車両重量は1170kgである。

グーネットカタログのミニのグレード一覧ページ。いつにも増してラインナップが幅広い。

私が乗った車の諸元表

該当グレードの諸元表を載せておく。

たった120馬力しかないことが注目点だ。乗っていてそんなに遅くなかった。

また、全長3745mmx全幅1685mmというコンパクトサイズも特徴的。

項目内容
駆動方式前輪駆動(FF)
ミッション6速AT
エンジン種類直列4気筒 DOHC
排気量1,598cc
最高出力88kW(120PS)/6,000rpm
最大トルク160Nm(16.3kgm)/4,250rpm
燃料種類無鉛プレミアムガソリン
燃費(JC08モード)16.4km/L
燃料タンク容量50L
全長×全幅×全高3,745mm × 1,685mm × 1,430mm
ホイールベース2,465mm
車両重量1,190kg
最小回転半径5.1m

MINIってどんなクルマ?グレードやボディタイプをわかりやすく解説!

「MINI(ミニ)」という名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、実際にどんなクルマなのか、どんな種類があるのかまで知っている人は意外と少ないかもしれません。

この記事では、MINIに興味を持ち始めた方や、「なんかオシャレだけどよくわからない…」という方に向けて、グレードやボディタイプの違いをわかりやすく解説していきます!


■ MINIはオシャレだけじゃない!走りも本格派

MINIはもともとイギリス生まれのコンパクトカーで、今はBMWが製造しています。コンパクトで可愛い見た目とは裏腹に、「ゴーカートフィーリング」と呼ばれるキビキビした走りが大きな特徴。街乗りからワインディングロードまで、運転する楽しさを感じられる1台です。


MINIのボディタイプ:見た目だけじゃなく用途も違う!

MINIにはさまざまなボディタイプがあります。それぞれに特徴があるので、ライフスタイルや好みに合わせて選べます。

1. MINI 3ドア(ハッチバック)

最もスタンダードなモデル。今回紹介しているのもこのタイプです。

  • ✔️ コンパクトで取り回し抜群
  • ✔️ クラシックなMINIらしさが一番強い
  • ✔️ 2人+荷物なら十分な使い勝手

こんな人におすすめ:
🚗「オシャレに街乗りを楽しみたい」「一人暮らし〜二人暮らし」


2. MINI 5ドア(ハッチバック)

3ドアの見た目そのままに、リアドアが追加された実用派。

  • ✔️ ファミリーにもおすすめの後部座席
  • ✔️ 荷物の出し入れも楽
  • ✔️ 全長が少し長くなるが、まだまだコンパクト

こんな人におすすめ:
👨‍👩‍👧「子どもも乗せたい」「実用性も重視したい」


3. MINI CLUBMAN(クラブマン)

MINIの中でもちょっと高級感があり、ワゴンタイプに近いモデル。

  • ✔️ 観音開きのリアドア(スプリットドア)が特徴的
  • ✔️ 荷室が広く、旅行にも便利
  • ✔️ 高速道路の安定性も高い

こんな人におすすめ:
🧳「荷物をたくさん積みたい」「大人っぽいMINIが欲しい」


4. MINI CROSSOVER(クロスオーバー)

SUVタイプのMINIで、オフロードも視野に入れた本格派。

  • ✔️ MINI最大サイズで大人4人も快適
  • ✔️ 4WD(四輪駆動)も選べる
  • ✔️ アウトドアやキャンプに最適

こんな人におすすめ:
🌲「家族でアウトドアに行きたい」「SUVが好きだけどMINIのデザインも好き」


グレードの違い:クーパー?クーパーS?ジョンクーパーワークス?

MINIには同じボディでもグレードがいくつかあります。名前に「クーパー」や「クーパーS」「JCW」などが付きますが、これはパワーや装備の違いを示しています。

グレード名特徴
ONE(ワン)ベーシックグレード。価格重視で装備もシンプル。
COOPER(クーパー)MINIの中核モデル。街乗りも高速もバランス良し。
COOPER S(クーパーS)スポーティ仕様。ターボ付きでパワフル!
JOHN COOPER WORKS(JCW)レース仕様の最上級グレード。スポーツカー並の性能。

まとめ:MINIは「見た目以上」に選びがいのあるクルマ!

MINIは「可愛いから欲しい」と思って調べ始める人が多いですが、調べていくと「走りもいいし、いろんな種類がある!」と驚かれる方がほとんどです。

  • ✔️ 一人で楽しむなら3ドア or クーパー
  • ✔️ 家族や荷物重視なら5ドア or クロスオーバー
  • ✔️ 走りを楽しみたいならクーパーSやJCW

といった感じで、あなたのライフスタイルに合わせて選べるのがMINIの魅力です。

参考:wikipediaのminiの解説ページ

まとめ

一体どんなクルマなんだろうと思っていたら、快適性とスポーツ性が両立された非常にドライブが楽しいコンフォートスポーツカーだった。

乗り物の味付けとしては初心者向け。カレーで言うところの甘口なセッティングであるが、走っていて楽しい。

峠道よりは空いている高速道路をほどほどに飛ばすのが気持ちいいだろう。

排気量や馬力の割には加速も元気がよく、経済性も悪くないように見える。

BMWやベンツばかりもてはやされているが、個人的には日本で乗るドイツ車として最も理想的に思える一台だった。

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