真夏の炎天下にも真冬の氷点下にも耐え、耐衝撃性に優れて保存期間も長い、自動車に搭載しての備蓄も想定に入れて開発された非常食。
そんなものがあったら魅力的だが、実は実在する。
この「ER SHELL」という製品だ。私も車載用に買った。
9個入りであるようだが、味が気になったので1個食べてレポートしようと思う。
上品なカラーリングの手のひらより少し大きいサイズのパッケージ。
「車載用」みたいな売り方をしている割には車載しづらい形なんだよなぁ…
まぁこの箱に入れて保管しなきゃいけないというルールはないのだが、「耐衝撃性を確保するために箱から出さないで欲しい」という旨のことが掛かれていた。
車内で保管できそうな場所と言ったら、トランクの下かフロントシートの後ろだろうか。
グローブボックスは大抵の車種が車検証+αでパンパンだし、よく使うフロントエリアに非常時用の保存食なんか置いておかないだろう。
外箱はただの段ボールではなく、クッションとして機能する層があるようだ。
ギッチギチに真空パックされている。
「274kcal」と「56g」と書かれている。
1箱に2466kcalぶん入っているわけだ。
カロリーだけ見れば、雪道で長期の立ち往生に巻き込まれたら飢えてしまいそうな気がしないでもない。
かといってこれを2箱積んで連続で食べ続けたいかと言われたら迷う…
さて開封しよう。
口に入れた瞬間はきな粉だが、口の中の水分が瞬く間に吸引されていく感覚と共に甘みが広がっていく。
しかしそれと同時に食べれば食べるほど新規に質量が生成されるようなボリューム感があり、見た目の10倍くらいの中身があるように感じる。
水と一緒に食べないと辛い。食べている過程で食べカスが個体となって歯の凸凹に付着してしまう。粉もボフッと出るためあんまり食べやすくない。
座りながら食べたらズボンが粉だらけになった。
自分で買っておいて、PRリンクまで貼っておいて言うのもアレだが、完璧な製品ではないと感じた。
しかし、一般的にこの手の保存食品は表記上の期限の2~3倍は余裕で持つことを考えれば、これを買って放り込んでおくだけでそのクルマの売却時まで非常食の心配が要らないと捉えることも出来る。
(夏の熱い車内にも放置し続けることを考えるなら、あんまり期限をオーバーさせるのは得策ではないけど。)