個人的に最も腹が立つクルマのモデルチェンジがデミオからmazda2であった。
小動物のような可愛らしい顔つきを台無しにした上に、程よいストロークで快適だった乗り心地までゴッツンゴッツンに改悪したからである。

そんなmazda2にフェイスリフトが入り、サッカーボールのような外観を手に入れた。
冒頭のまとめ
低速ギアのカバー域が狭い多段式ATのせいで加速フィールが台無し。
エンジンの性能や官能性自体に何も問題が無くても、トランスミッションがダメなせいでストレスフル。
これならCVTか、マニュアルトランスミッションで操ったほうが良い。
乗り心地の不満は改善され、ハンドリングもコンパクトカーの中では並み。
安く買ってMTで嗜むクルマとしてはオシャレさや性能などのバランスが良いだろう。
外観・デザイン
コンパクトなサイズのホイールは乗り心地やタイヤ交換時のコストに優れるが、スタイリングとのバランスを取るなら多少のインチアップをしても良いだろう。

廉価グレードのため見かけもシンプル。

内装


車内が狭い中でシフターやサイドブレーキのレイアウトを優先した弊害だろう。
マツダコネクトやスポーツモードのコントローラは窮屈な印象がある。
そしてマツダコネクトのコントローラは相変わらず地図をスクロールする際に入力が上手くいかないことがある。

カップホルダーは背丈が低くて飲み物をこぼす。

液晶だがタコメーターは健在。ステアリングのINFOボタンでは右側のディスプレイの中身が変わる。

実走行インプレッション
取り回し
このサイズのコンパクトカーの取り回しが悪いということは基本的にないのだが、mazda2の取り回し性能は予想のさらに上を行く。
圧倒的な小回りとコンパクトサイズは軽トラ並みに小さく感じる。
アラウンドビューモニターも高画質なものが装備され、もう非の打ち所がないほどの乗りやすさである。
パワートレイン
マツダ車ではお馴染みの直4エンジンを積む。
出力・加速性能に特筆すべき点はないが、元気の良く綺麗な音を立てながらエンジンが回っていくためフィーリングが非常に気持ちいい。
数値期には110馬力程度しかないはずなのだが、車重も1.1トン程度だからか全体的に軽やか。
ディーゼルになると142Nmのトルクが255Nmまで上がる。
2000~3000回転の加速の伸び悩みを考えると、ケチらずにディーゼルで乗りたい気持ちもある。
…とはいってもエンジン性能自体に特に悪いところはない。
純ガソリンではちょっと加速力が物足りないかな程度。
状況次第ではハイブリッドカーのようなモーターアシストが無い点で加速性能が少々弱いところがあるが、ハイブリッドが無いので燃費が出しづらいという事態になりかねない。
最大の問題は6速のATである。
常にギア選びに悩まされることになるのだ。
例えば40km/hほどからアクセルを踏んでいく場合、CVTやハイブリッド、MTだったらスッとギア比を入れ替えて回転数を上げ、気持ちよくスイスイと加速して行ける。
しかしこのATは1,2,3速のギア比が離れているというか、ギアの段数が足りない。
間が無いのである。
踏み込んでもシフトダウンせず、3000回転前後のトロい領域でダラダラとのんびり加速していたかと思えば、突然キックダウンが入ってとんでもなくエンジンが唸って過剰な加速力を出す。
4速ATのジムニーよりもストレスとしては強いのではないかというレベル。
スポーツモードに入れても根本解決にはならない上に、常に回転数を高く保つのがコンパクトカーとしては気に食わない。

昔乗ったフェイスリフト前のmazda2よりはそこそこ改善しているようにも見えるが、単純にモノが良くない。
このトランスミッションがmazda2を完全に破壊している。
5段階評価をするならば、このATのせいで星4だったのが星1.5~2まで落ちるレベル。
いっそのことMTで操るか、ディーゼルのトルクで推し出したりできればまた違った感想になるだろう。
このポンコツATはCVTのことを「ラバーフィール」とか言って批判できるような代物ではない。
あまりにも酷い。
ダブルで酷い。
まずこのトランスミッションが酷いし、魅力的なエンジンを殺されてしまっているのがまた酷い。
2,3,4,5速のギア比をぜんぶ低速寄りにして、変速時の回転差がもっと小さくなるようにすれば改善は見込めるかも…
割り切ってMTレンジのシーケンシャルモードで動かしているときが一番まともだった。
それもそれでことあるごとに変速連打を強いられるが・・・
またエンジンブレーキにおいてもギアの段数の少なさが足を引っ張る。
3速では不足しているが、2速に落とした瞬間にドカンと効く。みたいな事態になる。
また2速でエンブレが不足気味の時も1速には気軽には落とせない。
もう1つ致命的に酷いのがバックギアの発進である。
どういう制御をしているのか、アクセルを踏んでも踏んでも車が動き出さない。
そしてそこそこ踏み込んだ後に動き出したかと思えば急発進。
事故るだろと思う。
プリウスのパワーモードよりも酷い急発進である。
登り坂や石に引っ掛かった場面だともっと条件が悪くなる。

乗り心地・走行安定性
ただゴツゴツさせてばかりいたのを「欧州車のような乗り心地」と誤解しているんじゃないか?と思っていたフェイスリフト前のmazda2とは異なり、一気にマイルドになって乗り心地に特に弱点はない。
そこそこ高いスピードレンジを見据えたスポーツカー寄りなセットになっており、田舎の田んぼ道を100km/hオーバーで流していても何も不安なことが無い。
コンパクトカーサイズながら、走行ペースが非常に速い運用にも耐える足回りだ。
それでいて乗り心地も特に悪くない。
大きくはないホイールサイズも効いていると思われる。
ボディのガッチリ感と足のストロークのバランスが良い。
コトコトと足回りを動かして路面からの入力に対応させつつ、頑丈なボディがしっかりと受け止める。
叩きつけを喰らうことも無い。
高速道路で飛ばしても安定性はかなり良い。
荒れた路面で飛び上がるような状況でも吹っ飛んだり跳ねたりせず、動きを抑えて安定させてくれる。
乗り心地について付け加えるなら、細かく上下にヒョコヒョコと動きすぎなところが無いわけではない。
しかし気づく人は居ないんじゃないかなと思えるほど小さいのものであり、弱点や不満というほどのものでもない。
スポーツカー思考の走りのクルマとして考えればこれくらい問題ではない。
ハンドリング
ダルくもなくクイックでもない中間と言ったところ。
ハンドルを切ると車がグイグイと自発的に曲がってくれるタイプ。
旋回中に後ろ側にも負荷を掛けてやると、リアも踏ん張って4輪をしっかり使って曲がって行くようなスタイルになる。
特に下りのカーブの脱出でアクセルを踏んでいった場面で効く。
旋回を気持ち遅らせてからハンドルを奥で切ればさらに。
あまりロールさせることもなく、クイックすぎることもないクセのない旋回を魅せてくれる。
この手のコンパクトカーはダルかったり違和感がある旋回をする車種が多いため、中の上以上ではある。
道に沿ってハンドルを切るだけでいい。
荷重コントロールやタイヤ負荷などを考えることは必要ない。
マルバツ評価
〇:オシャレな内外装や元気の良い走りで、手ごろな価格ながら日常を楽しくしてくれる
×:あまりにも酷いポンコツ6速AT