BMWの3シリーズとメルセデス・ベンツのCクラス。どちらも世界的に人気の高級セダンですが、中古市場で比べると「3シリーズの方が安い」傾向があります。
年式や走行距離をそろえても、数十万円の価格差が出ることも珍しくありません。
今回は、その背景にある「値引き販売戦略」と「ブランドイメージの違い」を掘り下げて解説します。

2014〜2018年のBMWは値引きが大きかった
F30型の3シリーズや同時期の5シリーズ、Xシリーズなどは、新車値引きが非常に大きい時代でした。
100万円以上の値引きも珍しくなく、さらに「登録済み未使用車(ナンバーだけ取得してすぐに中古車市場へ流す)」が大量に出回りました。
その結果、BMW=値引きが前提、というイメージが広がり、中古市場でも価格が崩れやすくなりました。
なぜ大幅値引きをしていたのか?
背景にはディーラーの販売台数ノルマがありました。
当時のBMWジャパンはシェア拡大を狙っており、とにかく販売台数を稼ぐ必要があったのです。
ディーラーは値引きを武器に販売を伸ばしましたが、これは短期的な効果にとどまり、ブランド価値の毀損につながりました。

値引き戦略が中古相場に与えた影響
- 「どうせ安く買える」という消費者心理の定着
- 新古車が大量に出回り、中古市場の供給が過多に
- 下取り査定も低めになり、リセールバリューが悪化
このように、BMWは「新車で安く買える → 中古でも安いのが当たり前」という構図になり、相場下落を招いたのです。
ベンツCクラスはなぜ値崩れしなかったのか
一方で、同時期のベンツCクラス(W205)は戦略が異なります。
ベンツは新車の値引きが比較的少なく、ブランドの価格帯を守っていました。
また「高級車といえばベンツ」という日本市場特有のブランドイメージに支えられ、法人需要やファミリー需要も厚かったのです。
結果として、中古市場でも需要が絶えず、価格が維持されやすくなりました。
BMWに「安っぽいイメージ」がついた可能性
2014〜2018年の値引き販売は、単なる一時的な施策にとどまらず、BMW=安売りブランドという印象を残しました。
特に日本では「とりあえず高級車に乗りたい層」はベンツを選ぶ傾向が強く、BMWは走り好きや一部の趣味層にしか刺さらない構図が続きます。
結果的に「需要の厚み」で劣るBMWは、中古相場でも分が悪い状況になったのです。

まとめ:リセールを意識するならベンツ、走りを安く楽しむならBMW
3シリーズとCクラスの中古価格差は、単なる車の性能差ではなく、販売戦略・ブランド需要・ユーザー層の違いが作り出したものです。
リセールを重視するならベンツCクラスが有利。
一方で「安く買って走りを楽しみたい」という方にとっては、BMW 3シリーズはコストパフォーマンスの高い選択肢と言えるでしょう。
あなたならどちらを選びますか?